将棋第67期順位戦B級1組8回戦終了、単独トップの久保利明八段が行方尚史八段に敗れる
将棋の第67期順位戦のB級1組は、竜王戦第2戦が決着した10月31日に行われた。B級1組に在籍する渡辺明竜王は、ちょうど「抜け番」ということもあり、竜王戦にあわせて日程が組まれたのだろう。
前期A級からの降級ながら5勝1敗で単独トップに久保利明八段は、同じくA級からの降級の行方尚史八段との対戦。
行方八段は今期の順位戦は出だし1勝4敗と、A級からの降級の影響が懸念されたが、その後2勝して3勝4敗まで星を戻してきた。順位が2位と高順位のため今期の混戦のB級1組の状況を考えれば、残り全勝の8勝4敗で終えられれば、まだA級復帰の可能性も残されている。また、負けて3勝5敗となると今度は連続降級の悪夢も現実になりかねない。まずは、勝って4勝4敗の相星まで戻すことだろう。
先手行方八段の居飛車矢倉囲いに対し、後手久保八段がゴキゲン中飛車。行方八段は、途中角銀交換で角を犠牲にして久保陣に攻め込み「と金」作りに成功。その「と金」で久保陣の香車を取り、自陣に向かって攻めかけていた久保八段の角を威嚇のためその香車を自陣に打ち、角を追い払い、その自陣に戻った角をさらに追い詰め、先ほど角と交換した銀を飛車・角両取りに打ち込み、最終的には駒損を解消してしまう。その過程で、久保玉の守りの陣形はどんどんと崩されてしまった。捌きのアーティストと呼ばれる久保八段だが、飛車・角の動きをほとんど封じられ、これといった見せ場も作れないまま投了となった。行方八段のいいところばかりが出た将棋になった。
上位では、4勝2敗で続いていた杉本昌隆七段は山崎隆之七段を破り5勝2敗とトップに並んだ。同じく4勝2敗だった屋敷隆之九段は4勝3敗の井上慶太八段と対戦、井上八段が勝った。また、3勝3敗だった高橋道雄九段は、堀口一史座七段を破り4勝3敗とした。
8回戦終了時点でのB級1組13名の成績は以下の通り。
5勝2敗:久保利明八段(1)、杉本昌隆七段(11)
5勝3敗:井上慶太八段(9)
4勝3敗:高橋道雄九段(3)、渡辺明竜王(4)
4勝4敗:行方尚史八段(2)、阿部隆八段(5)
3勝4敗:北浜健介七段(8)
3勝5敗:山崎隆之七段(12)
2勝5敗:森下卓九段(10)
2勝6敗:堀口一史座七段(7)
昇級の可能性があるのは、行方八段までであろう。日本シリーズ連覇を狙う森下九段、渡辺竜王と並ぶ若手のホープで今期昇級組山崎七段は、降級の心配をしなくてはならない。次回9回戦の山崎vs堀口戦、10回戦の山崎vs森下戦が降級を占う戦いになりそうである。
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