第21期竜王戦七番勝負最終局、壮絶な死闘を制した渡辺明竜王が将棋界初の3連敗後の4連勝で竜王位5連覇を達成、初の「永世竜王」に
とにかくすごい将棋だった。将棋界の第一人者である羽生善治名人(棋聖・王座・王将・)という最強の挑戦者を迎えた、20代の渡辺明竜王。パリの初戦から瞬く間に3連敗を喫し、もうタイトル防衛を諦めかけた時もあったのではないだろうか。
第4局で敗勢の将棋を諦めずに大逆転し、自ら流れを引き寄せ、3連勝で第7局を迎えた。しかし、この第7局も振り駒で後手に。
将棋の内容は相矢倉模様から、囲いが完成する前に戦いが始まり、双方が斬り合う激しい将棋に。素人目には、なかなかどちらが優勢かは判断がつかない場面が続く。棋譜中継の解説者のコメントで、どちらが優勢かうかがい知るしかないが、これも二転三転。
最後はどちらが勝ってもおかしくない展開にも見えたが、勝負の女神は渡辺竜王に微笑んだ。

21年に及ぶ竜王戦の歴史の中で、初めての5連覇。そして、連続5期ないし通算7期の「永世竜王」資格を連続5期の条件で初めて手にした。
さらに、将棋界初の七番勝負のタイトル戦での3連敗後の4連勝。これまでの竜王位4連覇でも、十分将棋界の歴史には名を残しているが、初の永世竜王、初の3連敗4連勝で間違いなく将棋界に名を残す一握りのトップ棋士の仲間入りをすることになった。
さらに、最終局に勝ったことで、羽生名人との対戦成績も9勝9敗と互角の成績となった。
今期、同世代の森内俊之前名人から名人位を、佐藤康光前棋聖から棋聖位を奪取し、久々の四冠となり、その勢いを維持して竜王戦に乗り込み、通算7期条件での永世竜王位獲得まであと1勝まで迫った羽生名人だったが、渡辺竜王の捨て身の反撃に残る1勝を上げられないままシリーズを終えることになった。
羽生善治名人を筆頭に、佐藤康光棋王、森内俊之九段がタイトルを奪い合う中、20代で一人竜王位を守り続けてきた渡辺竜王。絶体絶命のピンチに追い込まれながらも、最強の挑戦者羽生名人を退けたことは、大きな自信になるに違いない。
これが、羽生時代から渡辺時代への世代交代の狼煙となるのかは、まだわからないが、渡辺竜王が、棋界第一人者の羽生名人の地位をうかがう次世代の筆頭の地位にいることを、将棋界の内外の示すシリーズになったのは間違いないだろう。
中原-米長(187局)、大山-升田(167局)、谷川-羽生(158局)、羽生-佐藤(138局)という100番指しの組み合わせに中に、羽生-渡辺の組み合わせも入ることになるのだろうか。渡辺竜王が、これからどんな棋士へと飛躍していくのか楽しみである。
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