昨日で1000タイトル達成、なぜ最近「将棋」のことばかり書くのかについて
昨日(2009年1月18日)書いた「将棋の第58期王将戦七番勝負始まる、第1局は羽生善治王将が深浦康市王位を退ける」の記事の累計が、このブログを2006年2月26日に書き始めてからちょうど1000タイトルとなった。
2008年12月20日から22日の3日間、やむを得ず休んだが、その3日間を除けば、2007年1月1日からは毎日1タイトル以上の記事を書いてきた。書き出した当初は、「中年クライシス」をテーマにかかげ、ずいぶんとそのテーマを意識した記事を書いてきたが、最近は読んだ本の話と将棋の話と、自分の近況報告のようなものが中心になってきてしまった。
「中年クライシス(中年期の危機)」をあえて、テーマとして選ぶことが少なくなったのは、自分自身がその時期を過ぎてしまったからかも知れない。書き始めた2006年2月は45歳、約3年たった現在、48歳となり、50歳の大台はもうすぐそこである。「中年クライシス」の次ぎに、親の介護や子どもの受験・成人という「50代の現実」が否応なくやって来るという感じである。
「中年クライシス」を書く機会が減ったもう一つの理由は、河合隼雄さんが亡くなったことだろう。河合隼雄さんは中年期の危機をテーマに古今の文学作品を読み解いたその名も『中年クライシス』(現在、朝日文庫に収録)という著作があるくらいである。私は、河合隼雄さんの著作で中年クライシスという概念を知り、周防正行監督の映画『shall weダンス』で役所広司の演じる中年サラリーマンに、中年クライシスの現実(もちろん映画の中の虚構だが)を見た。
結局のところ、結論めいたことがあるとすれば、現在の自分は過去の自分の数々の選択の結果だし、将来の自分の姿を変えたければ、現在の自分の一つ一つの選択を変えることからしか変えることはできないということだろう。
私が最近、子どもの頃、夢中になりいつしか指さなくなってしまった「将棋」の世界に再び目を向けて、プロ棋士の生き様に注目しているのは、彼らが生業(なりわい)としている「将棋」というものが、まさにお互いの一手一手を選択しながら戦う競技だからなのだと思う。その一手を選択したのは、他の誰でもない自分自身であるということ、勝っても負けても、その選択の結果は自分自身で引き受けるしかないという冷徹な現実を常に抱えているからである。
一握りの天才・神童たちが集まり、さらにその中から選りすぐられた少数の者だけがプロになる。しかし、その少数の天才たちの間でも、優勝劣敗のルールは分け隔てなく働き、トップ棋士としてタイトルを争い、タイトルホルダーとなれるのはほんの一握りである。強靱な精神力なくしては、生きぬいていくことさえ、難しい世界なのではないかと思う。
棋士達が将棋について語る言葉に中に、何か見つけられればと思っている。
1000タイトルまで読んで下さった方、ありがとうございます。これから2000タイトルに向けて、書き始めます。
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コメント
1000タイトルおめでとうございます!
o(_ _)oペコッ
>現在の自分は過去の自分の数々の選択の結果・・・
う~ん、深い・・・。
恥かしながら、私はこの歳になっても、まだ、特撮ヒーローもののファンなのですが、同時期に特撮ヒーローものから火がついたイケメン俳優と呼ばれる人二人が同じようなシチュエーションでインタビューを受けてた事がありまして・・・
一人は「特撮ヒーローものに出演した事は汚点だ」と言い、もう一人は、変身後の自分が描かれた子供用のシャンプーを「世に出るきっかけとなった思い出の品」として番組に持参していました。
私は、一発で後者のかたのファンになってしまいました。
今の自分は、過去の自分の集大成・・・たとえ後悔せねばならないような過去であっても、決して消し去ってはいけないと思います。
これからも、ステキな記事を楽しみにしています。
2000タイトル目指して頑張ってくださいね。
PS:将棋の事がまったくわからないもので、最近はとんとコメントをしていなくて申し訳ないっす。
投稿: indoor-mama | 2009年1月21日 (水) 11時31分
indoor-mamaさん、コメントありがとうございました。なんとか、1000タイトル到達です。
最近、公私ともに忙しくて、コメントの返事が遅れて失礼しました。
これからもよろしくお願いします。
投稿: 拓庵 | 2009年1月24日 (土) 03時47分