第58期王将戦七番勝負、第34期棋王戦五番勝負ともタイトルホルダーがカド番をしのぎ、最終局決着へ
2009年の年明け以降始まった羽生善治王将と挑戦者深浦康市王位の第58期王将戦七番勝負、2月から始まった佐藤康光棋王と挑戦者久保利明八段の第34期棋王戦五番勝負は、それぞれ挑戦者がリードしタイトルホルダーをカド番に追い込んだが、王将戦では、3月11・12日に羽生王将が2勝3敗の劣勢をはね返し3勝3敗の五分に、棋王戦では2月に2連敗を喫した佐藤棋王が3月8日の第3局、今日(3月18日)の第4局と勝ち、こちらも2勝2敗の五分に戻し、それぞれタイトルの行方は最終局に持ち込まれることになった。
王将戦の挑戦者深浦康市王位は、3月3日のA級順位戦最終局で敗れ、A級陥落が決っており、その直後の第6局はやはり、A級陥落確定が微妙に影響したのだろうか。王将位の行方が決まる第7局は3月25・26日に将棋の町、山形県天童市で行われる。この2年、深浦vs羽生の組合せとなっている王位戦七番勝負では、先に深浦王位が3勝をあげたあと、羽生名人が追いつき、最終局で深浦王位が勝って4勝3敗として七番勝負を制していいる。今回も、深浦王位は最終局を制し、王位・王将の二冠を手にすることができるのか、最後まで興味は尽きない。
棋王戦の挑戦者久保利明八段もB級1組でA級復帰を狙っていたが、3月13日に行われたB級1組の最終戦で敗れ、昇級はならなかった。前半6戦を5勝1敗で昇級レーストップを走っていたものの、後半6戦は1勝5敗に終わり、6勝6敗の指し分けに終わっている。久保八段にとっては、何としても手にしたい初タイトル。急戦模様の将棋で2連勝したときには、久保棋王誕生を思わせたが、佐藤棋王が腰を据えた持久戦型の戦いに持ち込み、「さばきのアーティスト」久保八段のさばきを抑え込んで、追いついた。こちらも、念願の初タイトルが掛かる久保八段と負ければ無冠転落の佐藤棋王。こちらの最終戦は3月30日に東京の将棋会館で行われる。久保八段の華麗なさばきが再び炸裂して初タイトル獲得か、佐藤棋王が棋王位3連覇を成し遂げ、連続5期のみが有資格者となる永世棋王位に近づくことになるのか。こちらも気になるところである。
| 固定リンク | 0
« 『なぜGMは転落したのか』(ロジャー・ローウエスタイン著、日本経済新聞出版社)を読む | トップページ | 将棋の第67期順位戦全日程終了、42歳豊川孝弘新七段の連続昇級など ベテランの健闘目立つ »
「将棋」カテゴリの記事
- 第65期王将戦七番勝負第1局、郷田真隆王将が最強の挑戦者羽生善治名人に完勝(2016.01.11)
- 第64期王将戦就位式、祝・郷田真隆王将!(2015.05.19)
- 郷田真隆九段、44歳で5回目のタイトル王将を獲得(2015.03.29)
- 郷田真隆九段、2つの三度目の正直で王将挑戦へ(2014.12.26)
- 第27期竜王戦、郷田真隆九段、今年もランキング戦1組4位で決勝トーナメント進出(2014.05.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント