« 第67期順位戦終了後の名人・A級棋士のA級順位戦での通算成績 | トップページ | 将棋第67期名人戦七番勝負第1局、毎日ホールの大盤解説で羽生善治名人の初戦勝利を知る »

2009年4月 9日 (木)

第67期将棋名人戦七番勝負始まる、復活した郷田「一刀流」は羽生名人から名人位を奪えるのか?

将棋界の1年の締めくくりであり、幕開けでもある名人戦七番勝負がいよいよ始まった。

朝日新聞と毎日新聞が共催という形になって2年目の第67期(2009年)。第1局は昨年と同じ、東京文京区の椿山荘で本日(2009年4月9日)9時から始まった。
羽生善治名人に同学年で奨励会も同年入会の郷田真隆九段が挑む。他のタイトル戦では過去5回の対戦があるが、名人戦の舞台での顔合わせは初めてである。

もっとも直近のタイトル戦での顔合わせが、2001年の第72期棋聖戦五番勝負。このときは、フルセットの末、郷田九段が3勝2敗で、対羽生のタイトル戦で初めて勝利。その勢いで、順位戦でもB級1組で2位となり、翌2002年度は2度目のA級昇級を果たした。しかし、A級棋士として迎えた棋聖位の防衛戦となった2002年の第73期棋聖戦五番勝負では、挑戦者の佐藤康光王将(当時)相手に2連勝後の3連敗で、タイトル失冠。A級順位戦でも、4勝5敗の成績を残すも順位差で陥落の憂き目にあっている。
その後、3度目のA級復帰となった2004年度第64期A級順位戦を5勝4敗と勝ち越して残留を決め、翌第65期でA級順位戦を7勝2敗で制し、森内俊之名人との2005年の第65期名人戦七番勝負に挑戦者として登場するまでの約3年間、タイトル戦の舞台への登場もなく、渡辺竜王など若手棋士の台頭もあり、郷田九段はピークを過ぎたと見られていたようにも思う。
しかし、森内名人(当時)との第65期名人戦では、フルセットにもつれ込む大熱戦の上、惜しくも3勝4敗で敗れたが、2勝3敗で迎えた第6局、99%負けの将棋を大逆転でものにするなど執念を見せ、「郷田一刀流復活」を印象づけた。名人戦直後の第1回のネット将棋最強戦では優勝、翌年の第66期A級順位戦でも挑戦者となった羽生現名人に唯一の黒星をつけるなど、第7局まではまで挑戦者争いに絡み、前期の名人挑戦が決してフロックではないことを証明してみせた。
そして、羽生名人に代わってにA級に戻ってきた森内俊之九段を加えた第67期のA級順位戦を7勝2敗で制し、再び名人戦の舞台に登場である。

郷田九段は、先輩でも後輩でもなく小学生時代から戦ってきた同期・同学年の羽生名人との名人戦の舞台での対戦に、「思い切って戦える」と語っており、一方、名人については「なるもよし、ならぬもよし」との独特に言い回しで、思いを語っている。また、名人戦というもっとも持ち時間(9時間)が長い舞台について問われ、「時間は長い方がありがたい。結構いろいろなことが考えられる。順位戦の好調は、持ち時間が6時間あり、途中2時間を超える長考もできるから・・・」という趣旨の答えをしている(「将棋世界」2009年5月号インタビュー)。
一方、羽生名人は今期のA級での郷田九段の戦いぶりに「ゆとり、余裕を感じた」と評し「予想もしない手を指されることもあるが、指されてみると、いろいろ考えていることがわかり、1局指す中でいろいろ発見にある相手。郷田九段に長考されると「どこまで考えているのだろう」とこちらも長く考えることもあった」とも答えている(朝日新聞、週間将棋インタビュー)。

郷田九段は、初日の今日、さっそく序盤の27手目を指すのに3時間26分と名人戦史上2番目の長さの長考をみせた。今後の展開を様々に予想し、読みふけっていたのであろう。一時、持ち時間の消費に2時間半近い差があったが、羽生名人も郷田九段の長考の内容を考えたのか、持ち時間を使い、午後6時37分に翌日最初の手を封じた際には、持ち時間9時間のうちの消費時間は、郷田九段4時間35分、羽生名人3時間34分とほぼ1時間の差となっている。

羽生名人をもってして「余裕、ゆとり」の戦いぶりと言わしめる、円熟味を増して復活を遂げた郷田「一刀流」が、懐深い羽生将棋にどこまで通じるのか、楽しみな七番勝負が始まった。

郷田ファンとしては、郷田「一刀流」がA級順位戦だけでなく羽生将棋をも制することを信じている。

|

« 第67期順位戦終了後の名人・A級棋士のA級順位戦での通算成績 | トップページ | 将棋第67期名人戦七番勝負第1局、毎日ホールの大盤解説で羽生善治名人の初戦勝利を知る »

将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/168560/44622338

この記事へのトラックバック一覧です: 第67期将棋名人戦七番勝負始まる、復活した郷田「一刀流」は羽生名人から名人位を奪えるのか?:

« 第67期順位戦終了後の名人・A級棋士のA級順位戦での通算成績 | トップページ | 将棋第67期名人戦七番勝負第1局、毎日ホールの大盤解説で羽生善治名人の初戦勝利を知る »