将棋第67期名人戦七番勝負第2局、挑戦者郷田真隆九段が152手の激戦を制し羽生名人に勝利、1勝1敗のタイに
羽生善治名人に挑戦者郷田真隆九段が挑む第67期名人戦七番勝負第2局は、羽生名人の先勝を受け、昨日(2009年4月21日)から熊本城を舞台に始まった。羽生名人が先手となる本局、第1局と同じ相矢倉でがっぷり四つに組み合う。1日めが終わった時点では、昨年の第21期竜王戦第5局の▲渡辺竜王vs△羽生名人戦と同じ形だった。(今回は▲羽生名人vs△郷田九段と羽生名人は、先後が入れ替わっている)
2日めの今日、まだ中盤のつばぜり合いが続くと見られたところで、郷田九段が飛車先の歩を突き捨て開戦。竜王戦5局とも別の展開となった。郷田九段は羽生玉に近い9筋の端攻めに活路を求めた。端での駒をやりとりの後、中央でも攻めかけ、そこで補充した桂馬を端攻めに投入。桂馬や角を動員した、端での郷田九段の攻めが続く。羽生名人は、玉を戦場から遠くへ逃がすことはせず、むしろ戦場の中心である9筋、郷田九段の桂馬の頭に玉を進めた。駒が密集し、却って王手をかけにくいと見たのであろう。
郷田九段が8筋、9筋の駒の密集地の中、攻めがあぐねる中、羽生名人は反転攻勢に出る。桂馬で王手をかけた後、駒が密集する8筋に自陣の角を展開し、遠く郷田玉にらむ位置に。ここでは、羽生玉の周りに双方角と桂馬という前には進めない駒が入り組んでにらみ合い、奇妙なバランスを保っていた。しかし、郷田九段の角の下には、香車が打たれており、隙あらば一気の串刺しにしようという構え。郷田九段は戦場からは遠い、羽生名人の飛車の移動を催促する歩打ちで飛車の移動をし、飛車を動かさせた上で、前に進めない角を切って銀を取り、角のいた場所に銀を打ち込み、一気に勝負に出た。ここでは、後手(郷田九段)が足りないとの控え室のコメントだった。
郷田九段の王手が途切れたところで、羽生名人が郷田玉をラッシュをかけ王手王手でせまったが、郷田玉は巧みにすり抜け、3二にいた玉が5七羽生陣まで逃避行し、ついに羽生名人に決め手を与えず、羽生名人の投了となった。
いざ、終わってみれば、羽生名人の飛車の頭を打ち込んだ歩が、郷田玉が逃げる際の、盾となって見事に働いた。もし、将来の玉の逃げ道も意識して、叩いた一歩だっとすれば、「郷田の読み、恐るべし」というところである。
昨年12月末から、3月3日のA級最終戦で木村八段に勝って、名人挑戦を決めるまで8連勝と好調だった郷田「一刀流」だったが、それ以降王位戦リーグで羽生名人に敗れてから、この名人戦の第1局の敗戦も含め5連敗。郷田ファンとしてはいやなムードだったが、今日のこの勝利で、連敗も止まった。名人戦もゴールデン・ウィークの間は休み。2連敗でGWに突入するのと、1勝1敗でGWを迎えるのでは気分も全然違うだろう。(少なくともファンの側はそうである)。
過去の羽生vs郷田のタイトル戦は5回あるが、1勝1敗でとなったのは、第72期棋戦五番勝負だけ。その時は、郷田九段(当時八段)が、タイトル奪取に成功している。その棋聖戦の再現となることを期待しつつ、名人戦での残る対局を観戦したい。
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コメント
不調といわれた郷田9段。1-1のタイにしました。
頑張っていきましょう。名人位獲得はめったにないチャンス。2回目で奪取を頼みたい
投稿: フルセットまで | 2009年4月26日 (日) 01時55分
フルセットまでさん、
コメントありがとうございました。
郷田九段には、今回こそ名人になってほしいものだと思っています。
森内俊之九段、佐藤康光九段の羽生世代の実力者が無冠となった今、同じ羽生世代、昭和57年奨励会入会組の郷田九段としては彼らに追いつく絶好のチャンスでしょう。
ぜひ、この機会をいかしてほしいものです。
投稿: 拓庵 | 2009年4月26日 (日) 03時16分