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2009年4月12日 (日)

名人戦に複数回挑戦している棋士のほとんどが名人になっているという話

第67期名人戦七番勝負の第1局は、羽生善治名人が挑戦者の郷田真隆九段を破り、白星スタートとなったが、過去の名人戦の記録を眺めていて、面白いことに気がついた。名人に2回以上挑戦した棋士は1人を除き、1度は名人位に就いているのだ。

名人挑戦者になるには、トップ棋士の総当たりリーグ戦であるA級順位戦を勝ち抜かなければならないので、A級棋士になっても名人挑戦者になれなかった棋士がほとんどだし、挑戦者となった経験のある棋士でも、1回だけで終わっているいるケースも多い。(その1回のチャンスを生かし、初挑戦で名人位を獲得した棋士もいる)

これまで67回の名人戦の中で、挑戦者が登場したのは64回(第1期は名人決定大棋戦で決定、4期・5期は戦争中のためか、挑戦者なし)。棋士の数では28名である。

そのうち、複数回、名人挑戦者となった棋士は、今回の郷田九段も含めわずかに10名である。(下線は名人奪取した期、ただし67期は未定、*印は現役棋士)

7回:大山康晴(7期、9期、11期、17期、18期、33期、44期)
7回:升田幸三(10期、12期、13期、16期、22期、25期、27期、30期)
7回:米長邦雄(35期、37期、38期、45期、47期、49期、51期
6回:谷川浩司(41期46期55期、57期、59期、64期)*
4回:羽生善治(52期61期、63期、66期)*
3回:加藤一二三(19期、32期、40期)*
3回:二上達也(21期、23期、26期)
3回:中原誠(31期43期48期
3回:森内俊之(54期、60期62期)*
2回:郷田真隆(65期、67期)*

いずれも、タイトルを複数回獲得し、当時の将棋界をリードし、現在の将棋界をリードしているトップ棋士ばかりである。うち、名人位獲得に至らなかったのは、将棋連盟会長も務めた二上達也九段だけ。A級で2回優勝するためには、勢いだけなく、実力も伴っていなければならず、それだけの実力があれば、いずれは名人を獲る可能性が高いということなのだろう。

一方、名人初挑戦で名人位を奪取、その後失冠して2回目の挑戦には至っていないのが、現在もA級棋士である佐藤康光九段(56期)と丸山忠久九段(58期)の現役A級の2人と戦後に活躍した塚田正夫名誉十段(6期)である。
初代の実力制名人となった木村義雄14世名人は、名人決定大棋戦で1位となり初代名人となって第6期に塚田正夫八段に敗れるも2年後の第8期に挑戦者として登場し、塚田名人を破って名人復位を果たしている。

以下の14名の棋士は、1度だけ名人戦の舞台に登場し、名人位の奪取はならず敗退。2度目の挑戦には至らないまま今日に至っている。(*印は現役棋士)

2期:土居市太郎
3期:神田辰之助
14期:高島一岐代
15期:花村元司
20期:丸田祐三
24期:山田道美
28期:有吉道夫*
29期:灘蓮照
34期:大内延介*
36期:森雞二*
39期:桐山清澄*
42期:森安秀光
50期:高橋道雄*
53期:森下卓*

郷田九段の2回目の名人挑戦を何げなく眺めていた郷田ファンの私にとって、過去の複数回挑戦者の9人中8人がどこかで名人になっているという事実は、意外な発見であるとともに、うれしい発見でもあった。郷田九段にも、名人を獲得する側になってほしいものである。

(今回の記事の作成に際しては、将棋のタイトル戦についてまとめたホームページ「将棋タイトル戦」を参考にさせていただきました)

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