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2009年5月11日 (月)

第67期名人戦七番勝負第3局、郷田真隆九段が終盤の錯覚で勝利を逃し、羽生善治名人が2勝めをあげる

先週(2009年5月8日・9日)、広島県福山市で行われた将棋の第67期名人戦七番勝負第3局は、挑戦者郷田真隆九段のファンである私にとっては、残念な結果だった。
先手郷田九段の横歩取りに後手羽生名人がかつて流行した8五飛車戦法をぶつけ、途中までは現地に「将棋世界」の観戦記の取材のため訪れていた谷川浩司九段が2001年に丸山忠久名人に挑戦した第59期名人戦第7局と同じ展開。羽生名人が50手目に手を変え、未知の世界に突入したが、双方譲らぬ熱戦。
最終盤、お互いに相手玉を追い詰めに入った中、やや劣勢かと思われていた郷田九段に妙手が出て、棋譜中継の解説のコメントも「郷田九段勝勢」となり、喜んだのもつかの間、まだ積まない羽生玉に詰みありと錯覚した郷田九段が、羽生名人の王手に対する受けを誤った。双方、持ち時間が少ない中だったが、羽生名人は一瞬の隙を見逃がさず、一気に郷田玉を即詰みに仕留めた。
最後の最後でのドンデン返しに、しばし唖然。一度、これで郷田九段の勝ちかと喜んだだけに、落胆も大きかった。
これで3戦して、羽生名人の2勝1敗。名人位奪取のために、星勘定ではリードしながらシリーズを進めたい郷田九段にとって、次の第4局はなんとしても負けられない一戦となる。

今日発売の「週刊将棋」2009年5月13日号に、現地でNHKの衛生放送の解説に来ていた森内俊之九段(前名人)の次のようなコメントが載っていた。

星の上では羽生さんがリードしましたが、内容では郷田さんも負けていません。次局以降も熱戦が期待できる内容で、気持ちを切り替えて指せるかが、今後のポイントでしょう。
(「週刊将棋」2009年5月13日号4 ページ)

2年前の郷田九段との第65期名人戦七番勝負、森内名人3勝2敗で迎えた第6局で、郷田玉を受けなしまで追い込みながら、そこからの郷田九段の逆襲の王手の連続に、受け間違ってトン死となった当時の森内名人。
勝てばタイトル防衛のみならず、永世(18世)名人確定の一番だった。しかし、その二週間後、森内名人は気持ちを切り替えて第7局に臨み、第6局の逆転負けを引きずることなく、郷田九段を降し、4勝3敗で名人位防衛、18世名人の資格を手にした。

羽生名人、郷田九段との同学年・奨励会同期で、両者と名人戦で戦った森内九段のコメントでもあり、まだまだ勝負はこれからと思いたい。
王位戦の挑戦者リーグでの羽生名人との対戦で8連勝がストップした3月19日以降、1勝8敗と、前回の名人戦第2局以外勝ち星がない、郷田九段の不調も気になるところだが、それだけこの名人戦七番勝負に集中していると思いたい。
郷田九段には気持ちを切り替えて、今後の対局に臨んでほしいものだ。

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