第80期棋聖戦挑戦者決定戦、稲葉陽四段の進撃を木村一基八段が阻止、羽生善治棋聖への挑戦者に
第67期名人戦第3局が広島県福山市で始まった今日(2009年5月7日)、東京の将棋会館では、名人戦の次のタイトル戦となる第80期棋聖戦五番勝負で羽生善治棋聖への挑戦者を決める挑戦者決定戦が行われた。
頂上決戦に勝ち残ったのは、1次予選から勝ち上がってきた新進気鋭の稲葉陽四段(20歳)と「千駄ヶ谷の受け師」ことA級棋士の木村一基八段(35歳)。
昨年、プロ棋士四段になったばかりの稲葉四段は、ここまでに郷田真隆九段、谷川浩司九段(2回)、藤井猛九段とA級棋士3人を破ってきた。最後に立ちはだかったのが、4人めのA級棋士木村八段である。
稲葉四段が勝てばもちろんタイトル初挑戦、木村八段が勝てば、2005年の第18期竜王戦(渡辺竜王に挑戦)、昨年(2008年)の第56期王座戦(羽生王座に挑戦)に次ぐ、3回めのタイトル挑戦となる。
決定戦の将棋は、稲葉四段が研究の成果をみせ、序盤は稲葉ペースにも見えたが、要所要所で「千駄ヶ谷の受け師」木村八段の受けが冴え、稲葉四段の角を捕獲。2枚の馬で稲葉玉に迫った木村八段がA級棋士の貫禄を見せ、勝利。羽生棋聖への挑戦者となった。
タイトル戦での木村vs羽生の初顔合わせとなった昨年の王座戦五番勝負は、3連勝で羽生王座が防衛を果たした。現時点での2人の対戦成績は22戦で羽生17勝、木村5勝と星が偏っている。羽生四冠(名人・棋聖・王座・王将)から見ての勝率は0.7727。
羽生四冠と20局以上対局実績のある棋士は17名だが、その17名の中で、羽生四冠の勝率が最も高いのが対木村八段戦である。
挑戦者となった木村八段がこの不利なデータを覆す戦いができるのか、名人戦が接戦となり第6戦、第7戦ともつれてくれば、棋聖戦の前半と日程が重なってくる。羽生四冠にとっては、「郷田一刀流」と称される鋭い切れ味の攻めが持ち味の名人戦挑戦者郷田九段と棋聖戦挑戦者となった「千駄ヶ谷の受け師」木村八段とでは、タイプが違う。
2正面作戦と余儀なくされる中、羽生四冠が、木村八段相手に、どのような戦い方をみせるかが、注目材料だろう。
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コメント
拓庵さん、どうしてますか。最近、更新頻度が落ちてるけど、いろいろ大変なのかな。
投稿: macky | 2009年5月11日 (月) 22時41分
macky先輩、お気遣いありがとうございます。
以前、お会いした時にお話した一時同居している母の関係で何かと忙しく、ブログの更新をしている余裕がなかったというのが正直なところです。
ようやく、母の健康も回復し、来週には九州の実家に連れて帰る予定です。そうなれば、更新のペースも回復してくると思います。
投稿: 拓庵 | 2009年5月12日 (火) 05時18分