第67期名人戦 第5局は、初日から激しい切り合いに
羽生善治名人に郷田真隆九段が挑戦する第67期名人戦も4局を終え、2勝2敗の好勝負。今日(2009年6月2日)から秋田市を舞台に第5局が始まった。
ここまで4戦、後手番がすべて勝っての2勝2敗と、将棋連盟が統計を取り始めてから初の年間で後手が勝ち越した2008年度を象徴するような展開になっている。
この第5局は、挑戦者の郷田九段が先手。▲2六歩と居飛車党の郷田九段らしい初手に羽生名人が△3四歩と角道を開けて、勝負が始まった。その後の展開はお互いに飛車先の歩を伸ばし、相手の角頭の歩を取り合う相掛かり模様から郷田九段が▲3四飛と角道を開けた歩を取る横歩取りの展開に。第3局と同じ戦型である。その後、郷田九段を飛車を引いて、さらに2筋に戻したところで、羽生名人が角交換に出て、交換した角を△4四角と飛車取りで、盤上に放つ。ぼんやりしていると、△8二角成と角が郷田陣に成り込み、、▲同金、△同飛成(王手)と、郷田陣の金銀2枚と角交換の上、必殺の狙いを秘めている。
しかし、郷田九段の読み筋だったようで、▲2四飛と上がり、△8二に角を成ったら、▲8四飛と羽生名人の飛車を「素抜き」にしますよという強手に出る。羽生名人の△3三桂という手にさらに▲5五角打と強手を放ち、羽生名人の答えを催促。羽生名人が△2三銀と飛車取りに出るとかまわず、▲4四角と羽生名人の打った角を取り、▲5三角成と羽生玉の面前に馬を作りますよとたたみかける。しかし、羽生名人も角を取らず、△2四銀と郷田九段の飛車を取る。それでは、郷田九段は▲5三角成と、羽生玉の面前に「馬」を作り、羽生名人の喉元に匕首(あいくち)を突きつけた形になった。それに対し羽生名人は、△2七飛と打って応戦。次に△2九飛成を狙う。お互い一歩も譲らない、激しい攻め合いになった。
しかし、そこでも郷田九段は自陣を守ることはせず、▲2三歩と羽生陣を攻め続ける。これも、うっかり△同金と取ろうものなら、▲4二角打で△4一玉、▲3一角成で即詰みという狙いを秘める。
その後、この手に羽生名人が2時間以上考えて、19時半頃に、次の手を封じ、1日目が終わった。
序盤からいきなり、終盤戦に突入する展開となった。郷田九段が放った▲5五角、▲2三歩は「名人戦棋譜速報」でのコメントによれば、控え室にいる立会人島九段、副立会人の行方八段、豊川七段などの予想にはなかった手という。
第1局の立会人谷川浩司九段は七番勝負の前の朝日新聞の取材に「羽生さんの将棋は駒が大きく動くことが多く、郷田さんも一直線の切り合いをおそれない。そういう意味では派手な展開に成りえるかなと思います」とコメントし、新聞社はそのインタビュー記事に「波長あえば派手な展開も」の見出しをつけたが、その通りの展開になっている。
郷田ファンとしては、このまま一気に羽生玉を詰ませるところまで、もっていってほしいが、羽生名人も何か考えるだろう。2日目の展開が気になるところである。
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