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2009年6月19日 (金)

将棋第80期棋聖戦五番勝負第2局、挑戦者木村一基八段が羽生善治棋聖を破り、待望のタイトル戦初勝利をあげる

第67期名人戦七番勝負と同時進行となった第80期棋聖戦五番勝負、どとらもタイトルホルダーは羽生善治四冠(名人・棋聖・王座・王将)である。
昨年(2008年)は、当時の羽生二冠(王座・王将)が挑戦者として登場し、ここ数年タイトル防衛を続けていた森内俊之名人(当時)と佐藤康光棋聖(当時)から両タイトルを立て続けに奪い、四冠復帰。二度目の羽生七冠制覇かと騒がれていた。
今年はどちらも、防衛する立場。第67期名人戦では、挑戦者の郷田真隆九段に先に3勝目をあげられカド番に追い込まれたが、今週初め (2009年6月15・16日)の第6局で、郷田九段を破り、フルセットに持ち込み、名人位のゆくえは、来週の最終第7局(6月23・24日)で決まることになった。
6月に入り始まった第80期棋聖戦では、第1局(6月9日)で羽生棋聖が、まだタイトル戦で白星のない木村一基八段を破った。咳が出てマスクをして対局に臨んでいた木村八段の姿が、はた目にはなんとも痛々しかった。

羽生四冠は
5月20・21日 名人戦第3局(対郷田真隆九段)●
5月25日   竜王戦1組決勝(対深浦康市王位)●
5月29日      王位戦挑戦者決定リーグ紅組(渡辺明竜王)●
6月2・3日  名人戦第4局(郷田真隆九段)●
と4連敗の後、
6月9日    棋聖戦第1局(木村一基八段)○
6月15・16日 名人戦第6局(郷田真隆九段)○
と連勝しており、棋聖戦第1局での木村八段戦での勝利が羽生不調のムードを断ち切る材料となり、自らも気をよくしたに違いない。

一方の木村八段のタイトル戦での連敗記録は、
第18期竜王戦七番勝負(2005年、対渡辺明竜王)●●●●
第56期王座戦五番勝負(2008年、対羽生善治王座)●●●
第80期棋聖戦五番勝負(2009年、対羽生善治棋聖)●
と8連敗である。

今日の第80期棋聖戦第2局では、羽生棋聖が勝って棋聖位防衛に王手をかけ、連勝を3に伸ばして一時の不調ムードを払拭し、来週の名人戦最終決戦に臨めるのか、挑戦者の木村八段が待望のタイトル戦初白星をあげられるのか。
棋譜中継はこちら→http://live3.shogi.or.jp/kisei/kifu/80-02.html

戦型は、後手の木村八段が最近復活の兆しを見せる相懸かり系の将棋ではなく、一手損角換わりを選択。32手めまでは、今回の棋聖戦の挑戦者決定戦(先手:稲葉陽四段、後手:木村一基八段)と全く同じ展開。33手め、先手の羽生棋聖が手を変えた。
その後、木村八段が△5五銀と銀の上にさらに銀を重ねて打ち、羽生棋聖の角道を止めた手が、従来にない「新手」のようで、それ以降徐々に木村八段が良くなっているように見える。
木村八段は成銀と馬で羽生玉を挟撃、羽生玉も守りは金一枚で、木村八段の手には飛車と金の持ち駒がある。羽生玉は風前に灯火。あとは、木村玉を詰ますしかないと、飛車を打って王手をかけるが、「千駄ヶ谷に受け師」こと木村八段は受け間違えず、詰ますことはできず、羽生棋聖の投了となった。

木村八段は、タイトル戦9局めにして待望の初白星。通算成績で6割9分近い高い勝率を残している実力者だけに、この勝ち星は、今回の棋聖戦5番勝負のゆくえに大きな影響を与えることはもちろん、木村八段の今後の棋士人生にとっても転機の1勝となるのではないだろうか。

羽生棋聖には、今ひとつ「キレ」がなかったような気がする。1月以降、タイトル戦という緊張する舞台が王将戦・名人戦・棋聖戦と続き、 疲れがたまっているのだろうか。タイトルを多く持つものの宿命ではあるが、挑む側は、それぞれ別。
名人戦挑戦者郷田真隆九段のファンである私にとっては、この棋聖戦第2局での羽生棋聖の敗戦が、来週の名人戦最終第7局にどう影響するのかが、最大の関心事である。

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