第22期竜王戦決勝トーナメント準決勝、99回目の羽生善治名人(四冠)vs森内俊之九段戦は森内九段が勝ち、挑戦者決定三番勝負に進出
10月から始まる第22期竜王戦七番勝負で、渡辺明竜王への挑戦者を決める決勝トーナメントも羽生善治名人(四冠)、森内俊之九段、深浦康市王位、久保利明棋王の4人に絞られた。
今日(2009年8月7日)が、準決勝1局目の羽生名人vs森内九段戦。週明けの8月10日に、2局目深浦王位vs久保棋王戦が行われる。
羽生vs森内戦はこれまで98戦(羽生55勝、森内43勝)。99回目の戦いとなる今日は、振り駒で森内九段の先手。羽生名人が角交換に出て、後手の「一手損角換わり」に。
森内九段は、2筋の飛車先の歩を▲2五歩と伸ばし▲2六銀と銀を出て棒銀に。後手の△1四歩の受けに▲1六歩と応じ、さらに▲1五歩と開戦。そこから銀を捨てて、1筋、2筋を突破、羽生名人が森内陣の飛車を取る間に、羽生陣の金銀を剥がして、飛車と金銀香交換に持ち込み、馬、と金、成香で羽生陣に攻め込んだ。羽生名人も、竜、馬、と金と攻めるが、自陣の飛車が働いていない、玉の守りに金が一枚少ない分、羽生名人が苦しい。さらに森内九段は、羽生陣の飛車もぎ取り、王手に打ち込む。
その後、羽生名人の反撃もあったが、後からあらためて眺めると、森内九段の想定内だったのではないかと思える。羽生名人の反撃を受けきって、再度、森内九段が自陣に戻っていた羽生名人の竜と羽生玉にほど近い桂馬の両取りに▲4五角と打ったところで、羽生名人の投了となった。
第22期竜王戦決勝トーナメント羽生善治名人対森内俊之九段戦の棋譜
これで2人の対戦成績は、99戦で羽生55勝、森内44勝となった記念すべき100戦目はいつになるのだろうか。
森内九段は、挑戦者決定三番勝負に駒を進めた。森内九段の三番勝負の相手は、深浦王位になるのか、久保棋王になるのか。さらに、羽生名人が敗退した後、挑戦者に名乗りをあげるのは誰なのか、いよいよ竜王戦の決勝トーナメントも大詰めである。
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