将棋の第50期王位戦七番勝負第5局は、深浦康市王位が攻め勝って再びカド番をしのぎ、タイトルのゆくえは「陣屋」の戦いへ
挑戦者に木村一基八段を迎え、いきなり3連敗で王位タイトル失冠の危機に追い込まれた深浦康市王位。故郷佐世保での第4局で、一矢を報いて1勝3敗。徳島市での第5局に臨んだ。
深浦王位が先手の第5局、深浦王位から角交換を行い、お互いに5筋の▲5四、△5六で銀が向かい合う相腰掛銀に。40手目で前後同型となった後、深浦王位が4手続けて、歩を突き捨て、その後、木村陣も2手連続の歩の突き捨てが出て、木村陣も深浦陣も、隙間が増えた。
先んじて、木村八段が深浦陣に角を打ち込む。その後、木村八段が攻めかけたところで、深浦王位による封じ手となった。封じ手は、木村陣に飛車取りの角打ち。2日目は、午前中から激しい攻め合いとなったが、深浦王位が飛車2枚を巧みの使い、木村八段を受けなしに追い込んだ。
そこから、木村八段は一縷の望みを託して王手の連続で、反撃に転じる。最後の指し手は、王手飛車取りの角打ちが飛び出した。深浦王位は、銀と桂馬、歩5枚の持ち駒の中から、合駒に使える銀・桂馬のうち、桂馬を合駒に使う。深浦王位が銀を手元に残したことで、木村八段は角で飛車を取っても、守りには効かず、即詰みが残ることから、木村八段の投了となった。
これで、深浦王位は3連敗後の2連勝。対羽生戦でタイトルを奪った一昨年、同じくタイトルを防衛した昨年と最後の舞台となった神奈川県の「陣屋」に戦いの場を移すことになった。
第6局が9月8日・9日、深浦王位が勝てば第7局が9月29・30日。ともに、「陣屋」で行われる。2年連続で4局、「陣屋」で戦っている深浦王位に「地の利」があるのかどうか。
第6局の前に行われる第22期竜王戦の挑戦者決定三番勝負第2局で森内俊之九段に勝ってすんなり竜王戦挑戦を決められるかどうかかも、王位戦の行方に影響を与えるだろう。
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