第57期王座戦五番勝負第1局、羽生善治王座が挑戦者山崎隆之七段を退け、18連覇に向け好発進
9月に入って、第57期の王座戦五番勝負が始まった。タイトルを持つ羽生善治王座は、この王座のタイトルを1992年の第40期王座戦で当時の福崎文吾王座から奪って以来16回連続して防衛してきた。その間の16回計10名の挑戦者をことごとく退けてきた。
おまけに、タイトルを奪った福崎戦を含め17回の五番勝負のうち3勝0敗の完封勝ちしたのが、10回、3勝1敗が4回、3勝2敗と最終局までもつれ込んだのは、第46期(1998年)の谷川浩司竜王(当時)戦、第48期(2000年)の藤井猛竜王(当時)戦、第51期(2003年)の渡辺明五段(当時)戦の3回だけで、最近4年間は3勝0敗での防衛が続いている。
予選を勝ち抜いて挑戦者となった棋士は、タイトルホルダーやA級在籍のトップ棋士やその年好調だった棋士ばかりのはずなのに、17年間での五番勝負での通算成績51勝10敗、勝率0.836という驚異的な数字を残している。
五番勝負で1日指し切りなので、短期決戦、初戦を勝つと一気に波に乗りやすいという部分はあるだろうが、ほぼ同様の仕組みの棋聖戦や棋王戦のうち、棋王戦は1990年の第16期から2001年の第27期まで12連覇を記録したが、棋聖戦ではここまでの成績は残していない。9月生まれの羽生王座にとって、9月から10月にかけて行われる王座戦は一番バイオリズムにあっているのだろうか。
すでに、17連覇は将棋界のタイトル連続防衛記録では最長となっており、どこまでこの数字が伸びていくのか、はたまた誰が羽生王座からタイトルを奪うのかが関心事である。
今回の第57期の挑戦者は、順位戦では現在B級1組に在籍する20代のホープの一人山崎隆之七段。2次予選を勝ち抜き、32名で争う挑戦者決定トーナメントでは1回戦でA級棋士の木村一基八段、2回戦で1次予選から勝ち上がり1回戦で深浦王位を破った及川拓馬四段、準決勝で同じ20代の渡辺明竜王を破り、挑戦者決定戦では中川大輔七段
を破って挑戦者となった。ネット将棋最強戦での優勝し、現在好調な棋士の一人である。
一昨日(2009年9月4日)の第1局は、山崎七段の先手。得意戦法の相掛かりで仕掛ける。飛車を縦横無尽に動かして相手を攪乱したいところだが、山崎七段の飛車は十分に働かない。おまけに▲7六歩と角道を開ける前に戦闘開始となって、7筋、9筋を羽生王座に押さえられた山崎七段の角も身動きが取れない。
序盤の駒組みでは羽生王座の作戦勝ちと言えるだろう。最後、働きの悪かった山崎七段の飛車は、羽生王座の角と差し違える格好で憤死。羽生王座は、その飛車を玉の守りの薄い山崎陣に放ち、決めに行くが、巧みに守った山崎七段が飛車が成った竜を捕獲。一時は、差が詰まったに見え、山崎七段も羽生陣に攻勢をかけたが及ばず、今期も羽生先勝で五番勝負がスタートすることになった。
さて、山崎七段は後手番となる次の第2局で一矢報いることができるのだろうか。
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