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2009年9月11日 (金)

第68期A級順位戦3回戦第1局、第2局、高橋道雄九段、郷田真隆九段が勝ってともに2勝1敗、敗れた藤井猛九段、佐藤康光九段はともに3連敗

将棋の第68期A級順位戦も、9月に入り3回戦が始まった。

2009年9月9日の藤井猛九段(0勝2敗)vs高橋道雄九段(1勝1敗)の対戦では、振り飛車(藤井)対居飛車(高橋)というお互いの持ち味を出した戦型となったが、いったん5筋で中飛車に構た、▲5五歩と位を確保し▲5六銀と中央に厚く構えたものの、高橋九段の飛車を絡めた7筋、8筋からの仕掛けに、飛車を中飛車から向かい飛車へとふり直さざるを得なくなった先手の藤井九段に苦しい展開。
高橋九段の手厚い反撃に5筋の位取りで中央に築いた橋頭堡はあっさり粉砕され、その後も高橋九段の重厚な攻めの前に、藤井九段の完敗という内容で3連敗。初戦の郷田九段戦で勝勢の将棋を最終盤で逆転負けとしたのが尾を引いているのかもしれない。
勝った高橋九段は2勝1敗と勝ち越し。高橋九段は1989年の第48期から1995年の第54期まで、7期連続でA級在籍後、1997年の第56期、2004年の第63期と2度のA級復帰を果たしたが、2度とも1勝8敗で1期で降級となっている。5年前の第63期では、初戦から7連敗し、最終的に1勝8敗に終り、羽生世代を中心とした当時のA級常連棋士との力の差を感じさせたが、5年後の今期は当時のA級メンバーが5人残る中で、前回敗れた佐藤九段、藤井九段を破っての2勝1敗。完全に今期A級の台風の目となった。A級残留どころかA級順位戦9戦での勝ち越しも十分望める好スタートとなった。

翌9月10日は、佐藤康光九段(0勝2敗)vs郷田真隆九段(1勝1敗)の対戦。佐藤九段は2回戦までに今期A級に復帰した高橋九段と井上慶太八段のベテラン2人に連敗し、初戦から6連敗し、その後なんとか3連勝で辛くも8位でA級残留を確保した2年前の悪夢を思い起こさせる出だしとなっている。
一方、前期67期の名人挑戦者となり羽生名人と死闘を繰り広げた郷田九段も、初戦の藤井九段戦か敗勢からの逆転勝ち、第2戦ではこれまで特に順位戦では分の悪い谷川九段に今期も敗れて、1勝1敗と本調子ではない。ここで敗れて黒星先行となると、2期連続の名人挑戦に黄色信号、さらには陥落も気にしなくてはならなくなり是非とも勝っておきたい。
名人戦棋譜速報の解説では、両者に対戦成績は44戦で佐藤23勝、郷田21勝とほぼ互角だが、A級順位戦での過去5回の対戦ではいずれも郷田九段が勝っているとのこと。
戦型は相矢倉模様。後手の郷田九段がかつて自身も多用し、近年渡辺明竜王が昨年の羽生名人との七番勝負で用いて以来見直されている急戦矢倉を指向する戦型に。
素人目には、どちらが優位を築いているのか、にわかには判断のつかない難解な展開が続く。郷田九段は飛車、角の大駒を盤上で左右に細かく動かし、佐藤陣を揺さぶる。
佐藤九段は金が5段目まで進出し、さらに2筋から7筋までの歩がいすれも5段目に並ぶという珍しい形も出現した。
しかし、それだけ歩が前線に進出しているということは、佐藤陣が腰高になり、郷田九段から見て、駒を打ち込む余地が生じているということでもある。
郷田九段は、腰高の佐藤陣の▲3七の桂馬の頭に歩を垂らし、5段目に並んだ歩で行き場を遮られている自軍の飛車を佐藤九段取らせる間に、と金で▲3七の桂馬と▲2八の飛車を取り駒得(桂得)を確保、飛車を持ち合っての寄せ合いとなった。
郷田九段が攻め、佐藤玉を追い詰めるも即詰みには至らず、佐藤九段が竜の横効きに銀打ちを絡め「詰めろ」。要所では、守りに「金」を放って踏ん張る郷田九段。佐藤九段も郷田玉を詰ますには至らず、手番は郷田九段へ。王手と詰めろを織り交ぜての攻めの連続で、佐藤九段の投了となった。
勝った郷田九段は2勝1敗で挑戦者レースに踏みとどまり、負けた佐藤九段は藤井九段とともに3連敗となり、図らずも陥落レースのトップ争いに加わることになった。

次のA級は来週9月17日に、森内九段(2勝)vs井上八段(1勝1敗)戦、三浦八段(2勝)vs木村八段(1勝1敗)戦が行われる。

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コメント

郷田九段の順位戦2勝目良かったです。ネット中継を通しで初めてみました。堪能しましたが、心臓に悪いです。タクアンさんも書き込みをされていましたね。日付が変わった終局後、2時間近く感想戦があり、佐藤九段は同日、竜王戦挑決の控え室検討に加わられました。棋士の先生方の盤上に向かうひたむきさ、勝負に生きる苛烈さが私たちの胸を打つんですね。17日の棋王戦挑決トーナメントでは再び佐藤九段との対局です。もちろん郷田九段を応援しますが、名局になりますように。

投稿: 郷田九段を応援してます | 2009年9月13日 (日) 19時37分

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