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2009年9月の記事

2009年9月26日 (土)

第68期A級順位戦3回戦終了、谷川浩司九段が3連勝で単独トップに

第57期王座戦での羽生善治王座の防衛が決まった昨日(2009年9月25日)、大阪の将棋会館では、A級順位戦3回戦の最終局、谷川浩司九段(2勝)vs丸山忠久九段(2敗)の対局が行われた。
名人戦棋譜速報の解説によれば、これまでの2人の対戦成績は谷川九段25勝、丸山九段23勝と拮抗している。

谷川九段は前回名人挑戦者となった第64期順位戦以来久々の開幕2連勝のスタート。過去2年、降級を気にする成績だっただけに、今期の復調が目立つ。これまで、A級でただ1人の40代棋士だったが、今期は2歳年上でかつてタイトルを争ったライバル高橋道雄九段、関西から同じ若松七段門下の弟弟子井上慶太八段という2人の40代棋士が揃ってA級に復帰し、健闘していることも刺激になっているに違いない。
一方の丸山九段は、A級・名人12期目にして初の2連敗スタート。過去をさかのぼってもみても、プロ3年目の第51期(1992年)順位戦C級1組で2連敗して以来の不調のスタートだ。これまで数年間維持してきた王位戦リーグ、王将戦リーグからも陥落しており、昨年後半からの不調が目立つ。
3回戦を終了したA級棋士の8人は2勝1敗が6人、3敗が2名となっており、ここまで2連勝の谷川九段は、3連勝として単独トップに立ちたいところ。一方、丸山九段としては、早く1勝をあげ、降級レースからは一歩距離を置きたいところ。

本局は、丸山九段の先手。居飛車の丸山九段に対し、谷川九段はゴキゲン中飛車。どちらも負けたくないということからか、相穴熊でお互い守りを固める展開に。中盤以降の解説では、ずっと丸山九段優勢とのコメントが続いていたが、最後の寄せの場面で、寄せ切れず、谷川九段が逆転。丸山九段が投了し、谷川九段の3連勝、丸山九段の3連敗が決まった。

これで第68期A級順位戦3回戦を終了した時点でのA級棋士10人の成績は以下の通りとなった。( )内は今期のA級順位。
3勝0敗 谷川九浩司段(7位)
2勝1敗 郷田真隆九段(1位)、森内俊之九段(3位)、木村一基八段(5位)、高橋道雄九段(9位)、井上慶太八段(10位)
0勝3敗 佐藤康光九段(2位)、丸山忠久九段(4位)、藤井猛九段(6位)

2年前の第66期 A級順位戦で4回戦を終えた時点で、4勝2名、3勝1敗3名、1勝3敗3名、4敗2名となり、2勝2敗者がおらず、上位グループ5名とと下位グループ5名にくっきり分かれたことがあったが、今回も3回戦を終えた時点で1勝2敗者がおらず、3勝1名、2勝1敗6名、3敗が3名と明暗が分かれる結果となった。
第66期の時は、その時点の4連敗だった谷川九段と佐藤康光九段は3勝6敗で残留を果たし、1勝3敗の3名のうち、久保利明八段(当時)が2勝7敗、行方尚史八段が1勝8敗で降級となった。

今回はまだ3回戦であり、2勝1敗の6名の中から降級者が出ないとは言い切れないが、3連敗の3人にとって、2つの勝ち星の差は大きい。4回戦は、なんと3連敗の3人のうち、丸山九段と藤井九段が生き残りを賭けて戦う。負けた方は4連敗となり、A級残留が覚束なくなる。
一方、もう一人の3敗佐藤九段は3連勝スタートの谷川九段との対局。ここで、3連勝の谷川九段に土をつければ、挑戦者レースも混戦となるが、負ければ丸山vs藤井戦の敗者とともに降級にさらに近づくことになる。
来年3月のA級順位戦の最終局にどんな結末を迎えることになるのか、今期も目が離せない。

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2009年9月25日 (金)

第57期王座戦五番勝負は羽生善治王座が3連勝で挑戦者山崎隆之七段を降し、18連覇達成

羽生善治王座が2連勝で、挑戦者山崎隆之七段をカド番に追い込んだ第57期王座戦5番勝負。
9月27日が誕生日の羽生王座にとって、生まれ月の9月から始まる王座戦は相性が良く、1992年の第40期王座戦で当時の福崎文吾王座からタイトルを奪って以来、これまで17連覇。
また、2005年の第53期王座戦から3連勝でのタイトル防衛を続けており、第52期王座戦第4局で当時の森内俊之三冠(名人・竜王・王将)に勝ってタイトル防衛を決めて以来、5番勝負では負けなしの15連勝と、とにかく王座戦では挑戦者につけいる隙を与えないという感じである。

タイトル初挑戦の山崎七段にとって3連敗は避けたいところ。先手の山崎七段は相掛かりから横歩取りに展開、羽生王座は飛車を8五に引く「中座飛車」に。序盤ですぐ飛車交換となり、お互いに取った飛車を打ち「竜」を作る展開になり、中盤を飛び越し、いきなり終盤戦に。先に玉の守りを崩された山崎七段は、先に先にと攻めなければならないが、要所できっちり守った羽生王座の前に攻めあぐね、その間に自玉をじわじわと攻められ、いつの間にか羽生優勢に。ほどなく、山崎七段の投了となり、羽生王座のタイトル防衛、18連覇が決まり、自ら2日早い誕生日祝いとなった。羽生王座の連覇はいつまで続くのだろうか。

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2009年9月22日 (火)

高橋道雄九段の講演会で考えたこと(2)-キャリアアップの秘訣

2回前の記事で、「高橋道雄九段の講演会で考えたこと(1)-40代後半での復活の理由」(2009年9月14日)との記事を書いた。私なりに、同い年の高橋九段の復活の理由を考えてみたものだ。
1983年には当時としては、最低段の五段で王位のタイトルを獲得し、それを含め20代で5回のタイトルを獲得し、A級昇級も果たし30代半ばまでA級棋士の地位を7年連続で維持した強豪である。
谷川九段を除き、同世代のスター棋士たちが下位のクラスへ降級していく中で、B級1組で踏みとどまり、今期(第68期)は、最初のA級降級以降、3回目のA級復帰を果たした。
私は、高橋九段が2005年以降、多くの棋書を集中して書き、自分の過去の棋譜を含め、自分の将棋を見直して、整理したことが復活の原動力になったのではないかと考えのだが、ご本人はどう考えているのか、いつか聞ける機会があれば、聞いてみたいものである。

高橋九段は講演の中で、「キャリアアップの秘訣」という話をしていた。これが、書きたかった二つめのテーマである。

「チャンスが来た時、そのチャンスがつかめるかどうか。チャンスをつかみ損ねると二度とチャンスが来ない人もいる。一方で、チャンスをつかめる人には、またチャンスが巡ってくる。」とのことだった。
では、どうしたらチャンスをつかめるのか?彼が、中原誠16世名人など先輩棋士たちから学んだことは、「(これに勝てば昇級、タイトル挑戦といった)大事な対局、将棋ほど積極的になる」ということだっとのこと。高橋九段自身もそれを心がけ、ほとんどのここ一番という勝負はものにしてきたという。
大事は対局であれば、慎重に、安全に指したくなるのは人情だろうが、それでは、将棋用語でいう「手が伸びなく」なってしまうということらしい。むしろ、「積極策に自ら踏み込んで行き、自分で勝ちをつかもうとすることで、自然と手も伸びることになる」というようなことを言われていたように思う。もちろん、そのためには、前回も書いた「日々の努力の積み重ねが大切で、積み重ねの裏付けがなければ単なる暴発で終ってしまう」とも。

40代になって峠を過ぎたと思われた森下卓九段が、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者計12名で争う「JT将棋日本シリーズ」、郷田真隆九段(3連覇)、谷川浩司九段(2連覇2回)に次ぐ、2連覇を成し遂げた。
第28回の初回の優勝時の森下九段のコメントは「今回のJT杯は4局とも『当たって砕けろ』の気持ちでした」である。守るのではなく積極的に攻めていったからこそ、勝てたとということであろう。

しかし、積極策を取ったからと言って、いつも勝てるとは限らないだろう。積極策に出て、それでも勝てなかった時には、どう考えるのかについては、高橋九段に質問したいと思ったが、他の質問者の質問が長く、時間が遅くなって聞けなかった。
おそらく、慎重・安全策をとって、自分の力を発揮できず負けた場合は自分自身も後悔することになるが、積極的に指して、自分としても実力を発揮したと思える内容なら、悔しいだろうが、それは相手の方が強かったと納得できるということなのだろう。常に、安全策に甘んじず、自分の可能性を信じ積極的な将棋を指していれば、たとえ負けても、得るものがあり、次のチャンスに繋がっていくということなのだろう。

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2009年9月18日 (金)

第68期A級順位戦3回戦、森内俊之九段vs井上慶太八段戦、三浦弘行八段vs木村一基八段戦はともに井上八段、木村八段が勝ち、4人全員が2勝1敗に

昨日(2009年9月17日)は、将棋の第68期A級順位戦3回戦の森内俊之九段(2勝)vs井上慶太八段(1勝1敗)戦が井上八段の本拠である大阪の関西将棋会館で、三浦弘行八段(2勝)vs木村一基八段(1勝1敗)戦が東京千駄ヶ谷の将棋会館で行われた。
どちらも2連勝と1勝1敗の対決で、2連勝の森内九段、三浦八段は白星を伸ばし名人挑戦権レースをトップで走り続けたいし、1勝1敗の井上八段、木村八段はなんとか勝って2勝1敗とし、挑戦者争いに踏みとどまりたいところ。特に、11年ぶりにA級復帰の井上八段は今期の順位が10位であり、藤井九段、佐藤九段が3連敗と不調スタートとはいえ、順位は上なので、ここで負けて1勝2敗で黒星先行となると、順位差を考えれば、安心はしていられない。

昨日、仕事から帰って、この東西でのA級順位戦のネット中継(名人戦棋譜速報)を見ていたのだが、ふっとソファに横になったら、すっかり寝入ってしまい、気がついたら窓の外は薄明るくなっていた。
「将棋の結果は?」とパソコンを開くと、どちらも1勝1敗の井上八段と木村八段が勝っていた。

大阪の森内vs井上戦は、後手森内九段がゴキゲン中飛車を採用、井上八段は居飛車。9筋に玉を穴熊に囲い、長期戦となった。途中、お互い大駒を捌きあい、駒割は金と桂香の2枚換えとなった。優勢と言われていた森内九段に緩手もあったようで、井上八段が、桂馬・香車を持った井上八段が、桂馬・香車・と金などの小駒を使って、先日紹介した高橋道雄九段の『寄せの極意』に登場したような、穴熊崩しの手筋を連発。攻め合いとなったものの、最後は穴熊の中の森内玉を横から2枚飛車で狙った井上八段の強烈な攻めに森内九段の投了となった。

東京の三浦vs木村戦は、双方居飛車から木村八段の横歩取りに。後手の三浦八段は8四飛車を採用。木村八段は飛車を5筋(▲5六飛)に回し中央突破を目指す。三浦八段は、木村陣に角を成り込み馬を作るが、自玉の守りが壁銀で弱点を抱える。結局、木村八段が5筋を制圧し、三浦陣を5筋から突破。三浦玉を中央から1筋に追つめ投了となった。▲5六に構えた木村八段の飛車は、その後動くことはなかったが5筋で攻めににらみを効かすとともに、六段目で横にもにらみを効かせ、最後はその飛車の横効きを利用した▲6六歩で、木村陣の△9九から自陣の守りにも効いていた三浦八段の馬の効きを遮断、三浦八段を投了に追い込んだ。最終的には、大駒の働きの差が勝敗を分けたような将棋だった。

これで、A級順位戦で3回戦を終えた8人は、2勝1敗が6人、3敗が2人という星勘定になった。残るは谷川浩司九段(2勝)vs丸山忠久九段(2敗)の対戦。来週9月25日の2人の対戦で、3回戦が終了する。谷川九段が3連勝で単独トップとなるのか、はたまた丸山九段が勝って2勝1敗7人の大混戦となるのか。

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2009年9月14日 (月)

高橋道雄九段の講演会で考えたこと(1)-40代後半での復活の理由

一昨日(2009年9月12日)午後から、豊島区の千早文化創造館で開かれた将棋のプロ棋士高橋道雄九段の『将棋の世界』と題する講演会を聞きに行った。

講演は、14時からのスタートで、前半1時間が高橋九段の講演、後半1時間が今期(第68期)のA級順位戦初戦で高橋九段が佐藤康光九段に勝った将棋の大盤解説という構成。大盤解説の聞き手役として、井道千尋女流初段の姿も見えた。

高橋九段の講演で印象に残ったことを二つ書いてみたい。まず一つめは、50歳を目前にしての高橋九段の復活についてである。

高橋九段は、現在、将棋界のトップ棋士の証明ともいえるA級(10名)と竜王戦ランキング戦1組(16名)の両方に名を連ねている。順位戦は、前回A級からB級1組に陥落してから4年間B級1組で戦い、前期(第67期)B級1組で8勝4敗で1位となり、深浦王位、久保棋王、渡辺竜王といった年下のタイトルホルダーを抑えて、3回目のA級復帰を決めた。
竜王戦でも17期(2004年)に1組から降級し、18期以降ランキング戦2組で戦ってきたが、前期の第21期(2008年)に2組3位となって、今期第22期は1組に復帰。復帰するや、1組3位となり挑戦者を決める決勝トーナメントにまで駒を進めた。
考えてみれば、名人戦・竜王戦で、A級(含む名人)と1組(含む竜王)の両方に名を連ねるのは、高橋九段のほかには、羽生善治名人、佐藤康光九段、丸山忠久九段、郷田真隆九段、木村一基八段の5人だけである。皆30代であり、その中で来年4月に50歳を迎える高橋九段がその地位に復活したということは、特筆すべきことだろう。

高橋九段は、自らを大山康晴、中原誠、米長邦雄といったかつてのトップ棋士たちが将棋界にまだまだ一線級として活躍した時代に、谷川浩司九段を後を追い、55年組と言われた南芳一、塚田泰明、島朗、中村修など一度はタイトルを獲得した同世代の棋士たちと、それまでの将棋界に新しい風を吹き込み、風穴を開けたと語った。しかし、共に戦った同世代の棋士も、谷川九段以外は、B級2組以下のクラスに落ちてしまっている。

高橋九段によれば、棋士も40代になると、下を見るようになるのだという。それは、タイトル獲得や棋戦優勝という高みを目指して努力を続けるより、まだ自分の下にはこれだけいるということで安心してしまい、いつか努力を続けることが疎かになってしまうということだろう。
最近では、自分よりも後輩の棋士たちの中にも、下に落ちていく棋士が増えて来ているとも語った。

それに対し、高橋九段は、人生はこれからも続いていくものであり、過去を振り返るのではなく、常に、「現在(いま)をどうするか、これからどうするか」を考えているという。一朝一夕で何かができるわけではないので、日々の積み重ねを大切にし、向上心を持って過ごすこと、と語っていた。

具体的には、現在は、対局に加え、師範として女流棋士の指導、地元の小学校で小学生に将棋を教えること、さらに将棋の本を執筆で、多忙だという。
高橋九段の書いた将棋の本をネットで検索すると、タイトルを争っていた1980年代後半に数冊、98年に詰将棋の本が出版されているが、その後は2005年以降に集中している。
例えば、『寄せの極意』という本は2008年2月に出版されているが、自らの実戦譜での寄せ手順をいろいろなケースに分けて解説している。読むと、この局面でなぜそのように指したのか、プロ棋士の考え方がアマチュアにも解るように丁寧に解説されている。

寄せの極意―対居飛車、対振り飛車を徹底解説 終盤の華麗な技で勝利をつかめ! (スーパー将棋講座)

講演での高橋九段の話を思い出し、『寄せの極意』を読んで思ったのは、将棋の本を書くということは、これまでの自分の将棋を見直すことであり、高橋九段は、その作業の中で、自らの強みを再発見したのではないかということである。
高橋九段は、最近では「先手なら矢倉、後手なら8五飛戦法しか指さない」と発言している。自らの得意戦法に自信を持っているからこそいえる言葉だろう。

将棋連盟のホームページの年度別成績から高橋九段の成績の推移を見ても、復活の軌跡がわかる。

2000年度 43戦28勝15敗 勝率0.6511(B級1組-7勝5敗)
2001年度 42戦24勝18敗 勝率0.5714(B級1組-7勝5敗)
2002年度 34戦12勝22敗 勝率0.3529(B級1組-2勝9敗)
2003年度 30戦17勝13敗 勝率0.5666(B級1組-9勝3敗)
2004年度 25戦08勝17敗 勝率0.3200(A級-1勝8敗)
2005年度 30戦10勝20敗 勝率0.3333(B級1組-4勝8敗)
2006年度 30戦16勝14敗 勝率0.5333(B級1組-8勝4敗)
2007年度 34戦19勝15敗 勝率0.5588(B級1組-7勝5敗)
2008年度 39戦24勝15敗 勝率0.6154(B級1組-8勝4敗)
2009年度 9戦3勝6敗 勝率0.3333(A級-2勝1敗)

1960年生まれの高橋九段は2000年が40歳。ちょうどここに載っているのは、40代での成績である。前回のA級復帰の2004年度、A級で1勝8敗に終っただけでなく、他の棋戦も含め8勝17敗と絶不調。翌2005年度、陥落したB級1組でもあわや降級かという成績で、勝率3割台が2年続いた。
並の棋士なら、ここで自分の限界を感じて諦めてしまい、下のクラスに転落してもおかしくなかったと思うが、高橋九段はここから復活する。2006年度には再び勝率5割を超え、昨年度2008年度は2000年度以来8年ぶりに勝率6割を超え、順位戦、竜王戦ともトップクラスに復帰したのはすでに説明した通りだ。ちょうど、将棋の本の出版が増えだした頃から成績が上向き始めたのは偶然ではないだろう。

私がこのブログで常々テーマとして意識してきた「中年クライシス(中年期の危機)」に、高橋九段も40代前半から半ばにかけて遭遇したのだろう。将棋の本を書くことで、自らの力を再確認し、得意技に磨きをかけるという形で、その危機を乗り越え、復活を遂げたのではないだろうか。

講演で高橋九段も語っていたが、これまで高橋九段の世代を追い落とす立場にいた羽生名人を中心とした最強世代の棋士の中にも、一時の勢いがなくなった棋士も出始めている。1969年から71年生まれの羽生世代はもうすぐ40歳。
今期のA級は、これから中年クライシスを迎える最強世代と、それを乗り越えた高橋九段の対決でもある。高橋九段は、今年のA級での目標との聴衆からの質問に、「最終戦に組まれている同世代のライバル谷川九段と最高の状態で対戦すること」と語っていた。それは、最終戦で名人挑戦権を賭けて戦いたいということだろう。さて、2010年3月に迎えるA級順位戦の最終戦をどのような状態で迎えることになるのか、これからは高橋道雄九段の戦いぶりにも注目していきたい。

リンク:高橋道雄九段の講演会で考えたこと(2)-キャリアアップの秘訣

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2009年9月12日 (土)

第22期竜王戦挑戦者決定戦第3局は森内俊之九段が深浦康市王位を破り挑戦権獲得、竜王位奪還に向け始動

昨日(2009年9月11日)は、将棋の第22期竜王戦七番勝負での渡辺明竜王への挑戦者を決める挑戦者決定三番勝負の第3局。第1局深浦、第2局森内と勝って1勝1敗で迎えたこの第3局の勝者が挑戦者となる。

昨年(2008年)6月の名人失冠以来、タイトル戦からも遠のいていた森内俊之九段。第18世名人の有資格者としては、早く無冠を返上し、永世名人にふさわしいタイトルがほしいところ。現在、将棋連盟で最高位にランクされる竜王位は申し分のないタイトルだろう。まして現在のタイトルホルダーは、5年前の2004年第17期竜王戦で自分から竜王位を奪った渡辺明竜王である。この間、渡辺竜王は次々と登場する挑戦者を退け5連覇を果たし、初の永世竜王の資格を手にした。森内九段として、竜王戦七番勝負の舞台で再び相まみえ、自らの力でタイトルを取り返し、リベンジを果たすことは望むところであろう。

一方の深浦康市王位にとっても、この一番に勝って竜王位挑戦を決め、返す刀で月末の王位戦七番勝負の最終第7局でも勝って、王位3連覇、王位のタイトルホルダーとして竜王戦に乗り込み、で対戦成績では分のいい渡辺竜王から竜王タイトルも奪い、自身初の二冠を実現したい。また過去21年の竜王戦の歴史の中でランキング戦1組優勝者は挑戦者になれないというジンクスに、今期の1組優勝者である自分が挑戦者になることで終止符を打つこともできる。

後手となった深浦王位から角交換を行う角換わりの展開となりの38手目の時点で先後同型となった。そこから先手森内九段が攻めに出る。48手目の後手の深浦王位の△6三金との新手が登場したが、森内九段の攻めは続き、深浦陣をどんどん崩していく。
深浦玉は自陣を脱し、森内陣に入玉するまで逃げるが、最後は森内九段の上下からの挟撃に追い詰められ、投了となった。

第22期竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局 深浦王位対森内九段の棋譜

これで渡辺明竜王への挑戦者は森内俊之九段に決まった。森内九段が竜王位を奪われた5年前、挑戦者となった渡辺明現竜王は、将来を嘱望される若手のホープではあったが、前年の第51期王座戦で羽生王座を苦しめたとはいえ、順位戦ではC級1組の在籍する五段の棋士に過ぎなかった。
当時の森内竜王が若い挑戦者を前に油断があったとは思わないが、奨励会時代から戦いを繰り返してきた同世代の棋士たちと比べれば、渡辺五段に関する情報が不足していた点は否めないだろう。
5年間、相手は竜王位防衛を続け、段位は九段まで昇段、順位戦もA級目前のB級1組まで駆け上がってきた。
森内九段は緻密に相手を分析し、作戦を立て戦いに臨むことと言われており、事前に対戦相手とスケジュールが決まる順位戦では高い勝率を残している。挑戦が決まった直後のインタビューには「終わったばかりで実感がありませんが…(七番勝負まで)時間があるので、しっかりと調整したいと思います」とコメントしている。昨年の羽生名人を挑戦者に迎えた七番勝負とはまた趣の違った竜王戦七番勝負が見られることになるだろう。

渡辺竜王vs森内九段の対戦成績は過去9勝9敗。渡辺竜王がどのように受けて立つかと合わせ、興味深い第22期竜王戦七番勝負は1ヵ月後の2009年10月14・15日の比叡山延暦寺での第1局で幕を開ける。

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2009年9月11日 (金)

第68期A級順位戦3回戦第1局、第2局、高橋道雄九段、郷田真隆九段が勝ってともに2勝1敗、敗れた藤井猛九段、佐藤康光九段はともに3連敗

将棋の第68期A級順位戦も、9月に入り3回戦が始まった。

2009年9月9日の藤井猛九段(0勝2敗)vs高橋道雄九段(1勝1敗)の対戦では、振り飛車(藤井)対居飛車(高橋)というお互いの持ち味を出した戦型となったが、いったん5筋で中飛車に構た、▲5五歩と位を確保し▲5六銀と中央に厚く構えたものの、高橋九段の飛車を絡めた7筋、8筋からの仕掛けに、飛車を中飛車から向かい飛車へとふり直さざるを得なくなった先手の藤井九段に苦しい展開。
高橋九段の手厚い反撃に5筋の位取りで中央に築いた橋頭堡はあっさり粉砕され、その後も高橋九段の重厚な攻めの前に、藤井九段の完敗という内容で3連敗。初戦の郷田九段戦で勝勢の将棋を最終盤で逆転負けとしたのが尾を引いているのかもしれない。
勝った高橋九段は2勝1敗と勝ち越し。高橋九段は1989年の第48期から1995年の第54期まで、7期連続でA級在籍後、1997年の第56期、2004年の第63期と2度のA級復帰を果たしたが、2度とも1勝8敗で1期で降級となっている。5年前の第63期では、初戦から7連敗し、最終的に1勝8敗に終り、羽生世代を中心とした当時のA級常連棋士との力の差を感じさせたが、5年後の今期は当時のA級メンバーが5人残る中で、前回敗れた佐藤九段、藤井九段を破っての2勝1敗。完全に今期A級の台風の目となった。A級残留どころかA級順位戦9戦での勝ち越しも十分望める好スタートとなった。

翌9月10日は、佐藤康光九段(0勝2敗)vs郷田真隆九段(1勝1敗)の対戦。佐藤九段は2回戦までに今期A級に復帰した高橋九段と井上慶太八段のベテラン2人に連敗し、初戦から6連敗し、その後なんとか3連勝で辛くも8位でA級残留を確保した2年前の悪夢を思い起こさせる出だしとなっている。
一方、前期67期の名人挑戦者となり羽生名人と死闘を繰り広げた郷田九段も、初戦の藤井九段戦か敗勢からの逆転勝ち、第2戦ではこれまで特に順位戦では分の悪い谷川九段に今期も敗れて、1勝1敗と本調子ではない。ここで敗れて黒星先行となると、2期連続の名人挑戦に黄色信号、さらには陥落も気にしなくてはならなくなり是非とも勝っておきたい。
名人戦棋譜速報の解説では、両者に対戦成績は44戦で佐藤23勝、郷田21勝とほぼ互角だが、A級順位戦での過去5回の対戦ではいずれも郷田九段が勝っているとのこと。
戦型は相矢倉模様。後手の郷田九段がかつて自身も多用し、近年渡辺明竜王が昨年の羽生名人との七番勝負で用いて以来見直されている急戦矢倉を指向する戦型に。
素人目には、どちらが優位を築いているのか、にわかには判断のつかない難解な展開が続く。郷田九段は飛車、角の大駒を盤上で左右に細かく動かし、佐藤陣を揺さぶる。
佐藤九段は金が5段目まで進出し、さらに2筋から7筋までの歩がいすれも5段目に並ぶという珍しい形も出現した。
しかし、それだけ歩が前線に進出しているということは、佐藤陣が腰高になり、郷田九段から見て、駒を打ち込む余地が生じているということでもある。
郷田九段は、腰高の佐藤陣の▲3七の桂馬の頭に歩を垂らし、5段目に並んだ歩で行き場を遮られている自軍の飛車を佐藤九段取らせる間に、と金で▲3七の桂馬と▲2八の飛車を取り駒得(桂得)を確保、飛車を持ち合っての寄せ合いとなった。
郷田九段が攻め、佐藤玉を追い詰めるも即詰みには至らず、佐藤九段が竜の横効きに銀打ちを絡め「詰めろ」。要所では、守りに「金」を放って踏ん張る郷田九段。佐藤九段も郷田玉を詰ますには至らず、手番は郷田九段へ。王手と詰めろを織り交ぜての攻めの連続で、佐藤九段の投了となった。
勝った郷田九段は2勝1敗で挑戦者レースに踏みとどまり、負けた佐藤九段は藤井九段とともに3連敗となり、図らずも陥落レースのトップ争いに加わることになった。

次のA級は来週9月17日に、森内九段(2勝)vs井上八段(1勝1敗)戦、三浦八段(2勝)vs木村八段(1勝1敗)戦が行われる。

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2009年9月 9日 (水)

第50期王位戦七番勝負第6局、深浦康市王位が挑戦者木村一基八段を破り3連敗後の3連勝で最終局に王位 3連覇を目指す

昨日(2009年9月8日)から始まった第50期王位戦七番勝負第6局、今日2日目をむかえた。挑戦者木村一基八段の前に3敗を喫した深浦王位。故郷佐世保での第4局から2連勝し、過去2年羽生善治王位・挑戦者と死闘を繰り広げた、神奈川県秦野市の陣屋に戻ってきた。しかしすでに3敗している深浦王位はもう負ける訳にはいかない。

相矢倉で始まった第6局は、後手の深浦王位がすでに矢倉囲いに入城していた木村八段の玉に対する9筋からの端攻めで開戦。桂馬、香車、角、飛車を動員し、9筋からの突破に成功し、木村八段の矢倉城は跡形もなく破壊された。
一方、木村八段を深浦王位の攻めの合間に深浦陣に角を成り込み、深浦王位の猛攻に耐えつつ反攻の機会をうかがい、王位の一瞬の隙をつき反撃に転じた。深浦玉の守りもほとんどはがされ、深浦玉は単騎で木村八段の攻めを凌ぐ。木村八段の攻めはあと1枚足りない。
再び手番を握った深浦王位は、一気に切った。

これで深浦王位は3連敗後の3連勝で、とうとう戦績をタイに持ち込んだ。タイトルの行方を決める最終第7局は、 9月29日・30日の両日、第6局と同じ「陣屋」で行われる。7月半ばから始まった王位戦七番勝負も2ヵ月半の長い戦いの結末を迎える。
その間、深浦王位はもう一つの大一番である第22期竜王戦の挑戦者を決める挑戦者決定戦第3局を戦う。
竜王戦の挑戦者と王位タイトル防衛の両方を手にすることができるか。深浦王位の棋士人生の中でも、おそらく最も重要な意味を持つかもしれない3週間が始まる。

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2009年9月 7日 (月)

団塊世代の社会学者上野千鶴子と1960年生まれの政治家辻元清美が現在の日本が抱える問題を語る岩波新書『世代間連帯』

民主党が308議席を獲得して圧勝した2009年8月31日の第45回衆議院選挙。選挙の前に読んだのが、岩波新書の2009年7月の新刊『世代間連帯』。
1948年生まれの社会学者上野千鶴子と1960年生まれの社会民主党の衆議院議員辻元清美の2人の現在の日本社会が抱える問題について語っている。

世代間連帯 (岩波新書)

最初にこの本を見たときは、「ああこの2人で書いたのか」と思った程度だったが、先週末、改めて書店で手にした時、上野氏が団塊世代の1948年生まれ、辻元氏が私と同じ1960年生まれという経歴を読んで、これは読んでみようという気になった。
私は、以前、自分たちの世代は、いつも団塊の世代の後始末ばかりやらされて、割を食っているという思いが強くあったからだ。団塊の世代の女性社会学者と私と同い年の論各の女性政治家。どういうやりとりが行われるのか、興味をひかれた。

語られるのは順に「仕事、住まい」、「家族、子ども、教育」、「医療、介護、年金」、「税金、経済、社会連帯」と続き、最後が「世代間連帯」。詳細は、本書に譲るが、私が最も印象に残った部分を1ヵ所だけ紹介しておきたい。

第2章の「家族、子ども、教育」の中で、上野千鶴子が次のように述べる。

戦後、日本は「教育の社会化」「医療の社会化」、そして「介護の社会化」を実現してきた。次は「子育ての社会化」の実現が社会の優先課題。(『世代間連帯』98ページ)

今回の選挙で有権者は民主党に圧倒的多数を与えたことで、何を選んだのか。何を実現することを託したのか。

ここで言われる社会全体で子育てを支援していく「子育ての社会化」は文字通り最優先課題だろう。

また、この本の中で二人が語ることを読んで思うのは、自民党の長期政権の中で社会の枠組みとなっていた企業を通じた間接的な社会政策の行き詰まったということである。
健康保険も、年金も、税制も、企業に勤めるサラリーマン世帯を中心に設計されているし、企業が富むことで、その余録がそこで働く従業員とその家族にも給与・賞与として行き渡った。企業の従業員と家族は同時に消費者でもあり、給与・賞与の増加は、可処分所得の増加、消費の増加、企業にとっての需要増加として好循環していた。
1990年代以降の経済の国際化、競争の激化により、企業には従業員に回す余録はなくなり、従業員もコストとしてしか扱われなくなった。給料は上がらず、いわゆる労働分配率は低下した。

一方、女性の社会進出に伴い、男性サラリーマン世帯中心の制度設計は、実態に合わなくなってきている。

企業を通じた間接的な世帯中心の社会政策よりも、企業を介さず、男女にかかわらず個人に対して直接政策な働きかけをしていく方が、個人ひいては社会の活性化に繋がるということなのだろう。小泉政権が推し進めようとした新資本主義的施策はあくまで企業を富ませるというアプローチでは、かつての枠組みになんら変化はなく、むしろ自己責任という名の下に、社会福祉施策の切り捨てを行ったということだったのだろう。

有権者が、高度成長時代でこそ成り立っていた制度の枠組みに組み替えを求めたのが、今回の選挙結果なのだろう。「子育ての社会化」という問題も、かつては、企業に下にある世帯・家庭に任されていたが、いまや、世帯や家庭だけでそれを引き受けるには荷が重すぎるということなのだと思う。

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2009年9月 6日 (日)

第57期王座戦五番勝負第1局、羽生善治王座が挑戦者山崎隆之七段を退け、18連覇に向け好発進

9月に入って、第57期の王座戦五番勝負が始まった。タイトルを持つ羽生善治王座は、この王座のタイトルを1992年の第40期王座戦で当時の福崎文吾王座から奪って以来16回連続して防衛してきた。その間の16回計10名の挑戦者をことごとく退けてきた。
おまけに、タイトルを奪った福崎戦を含め17回の五番勝負のうち3勝0敗の完封勝ちしたのが、10回、3勝1敗が4回、3勝2敗と最終局までもつれ込んだのは、第46期(1998年)の谷川浩司竜王(当時)戦、第48期(2000年)の藤井猛竜王(当時)戦、第51期(2003年)の渡辺明五段(当時)戦の3回だけで、最近4年間は3勝0敗での防衛が続いている。
予選を勝ち抜いて挑戦者となった棋士は、タイトルホルダーやA級在籍のトップ棋士やその年好調だった棋士ばかりのはずなのに、17年間での五番勝負での通算成績51勝10敗、勝率0.836という驚異的な数字を残している。
五番勝負で1日指し切りなので、短期決戦、初戦を勝つと一気に波に乗りやすいという部分はあるだろうが、ほぼ同様の仕組みの棋聖戦や棋王戦のうち、棋王戦は1990年の第16期から2001年の第27期まで12連覇を記録したが、棋聖戦ではここまでの成績は残していない。9月生まれの羽生王座にとって、9月から10月にかけて行われる王座戦は一番バイオリズムにあっているのだろうか。
すでに、17連覇は将棋界のタイトル連続防衛記録では最長となっており、どこまでこの数字が伸びていくのか、はたまた誰が羽生王座からタイトルを奪うのかが関心事である。

今回の第57期の挑戦者は、順位戦では現在B級1組に在籍する20代のホープの一人山崎隆之七段。2次予選を勝ち抜き、32名で争う挑戦者決定トーナメントでは1回戦でA級棋士の木村一基八段、2回戦で1次予選から勝ち上がり1回戦で深浦王位を破った及川拓馬四段、準決勝で同じ20代の渡辺明竜王を破り、挑戦者決定戦では中川大輔七段
を破って挑戦者となった。ネット将棋最強戦での優勝し、現在好調な棋士の一人である。

一昨日(2009年9月4日)の第1局は、山崎七段の先手。得意戦法の相掛かりで仕掛ける。飛車を縦横無尽に動かして相手を攪乱したいところだが、山崎七段の飛車は十分に働かない。おまけに▲7六歩と角道を開ける前に戦闘開始となって、7筋、9筋を羽生王座に押さえられた山崎七段の角も身動きが取れない。
序盤の駒組みでは羽生王座の作戦勝ちと言えるだろう。最後、働きの悪かった山崎七段の飛車は、羽生王座の角と差し違える格好で憤死。羽生王座は、その飛車を玉の守りの薄い山崎陣に放ち、決めに行くが、巧みに守った山崎七段が飛車が成った竜を捕獲。一時は、差が詰まったに見え、山崎七段も羽生陣に攻勢をかけたが及ばず、今期も羽生先勝で五番勝負がスタートすることになった。

さて、山崎七段は後手番となる次の第2局で一矢報いることができるのだろうか。

第57期王座戦五番勝負第1局羽生善治王座対山崎隆之七段の棋譜

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2009年9月 4日 (金)

第59期王将戦2次予選、郷田真隆九段が井上慶太八段を破り、挑戦者リーグ復帰へあと1勝

第67期名人戦七番勝負で羽生善治名人に惜しくも敗れた郷田真隆九段。日本シリーズでは行方尚史八段に、銀河戦決勝トーナメント1回戦でも橋本田崇載七段に敗れ、順位戦以外で今期の棋戦で残るのは王将戦と棋王戦、NHK杯、朝日オープンぐらいになった。

今期のタイトル挑戦の可能性を残すのが、王将戦と棋王戦。王将戦は、前期挑戦者リーグで3勝3敗で、残念ながらリーグ陥落。今期は2次予選からの登場となった。
2次予選で、挑戦者リーグに進出するのは3名。前期挑戦者の深浦康市王位、前期リーグ2位久保利明棋王、同3位佐藤康光九段、同4位森内俊之九段の4名のリーグ残留者と2次予選勝ち抜き者3名の7名の総当たリーグ戦で、羽生善治王将への挑戦権を争う。

1次予選勝ち抜き者と前期リーグ陥落者、タイトルホルダー、A級棋士のシード棋士17名を3組に分けトーナメントが行われている。
すでに2次予選各組の決勝は、1組が藤井猛九段と豊島将之五段、同2組が三浦弘行八段と小林裕士六段の対戦が決まっている。残る3組は、すでに渡辺明竜王が勝ち上がっており、もう一方決勝進出を郷田真隆九段と井上慶太八段が争う。

その郷田九段vs井上八段戦が、昨日(2009年9月3日)行われた。将棋連盟のホームページの「最近1週間の結果」では、郷田九段の勝ち。渡辺竜王と挑戦者リーグ進出を争うこととなった。

郷田九段はこれで今年度の戦績が8勝12敗の0.400。通算成績で6割5分近い成績を残していることから考えれば、今期の成績は納得がいかないものであろう。まずは、早く勝率5割を確保し、そこから一つでも白星を積み上げていってほしいものである。

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2009年9月 2日 (水)

第22期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局は、森内俊之九段が四間飛車で深浦康市王位を粉砕、1勝1敗となり挑戦権は第3局に持ち越し

昨日(2009年9月1日)、深浦康市王位と森内俊之九段が渡辺明竜王への挑戦権を賭けて激突する第22期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局が行われた。第1局は深浦王位が勝っており、第2局も深浦勝利ならば挑戦権獲得。森内九段が勝てば、挑戦権は9月11日の第3局に持ち越しとなる。

第1局が森内九段先手だったため、第2局は深浦王位の先手。後手番となった森内九段は、事前に準備した作戦だったと思われる四間飛車を採用。深浦王位が「穴熊」に潜って守りを固めるのを気にする様子もなく、自らは美濃囲いから、高美濃、さらに銀冠へと自陣の守りを固めつつ、上部にせり出し深浦玉を上から圧迫する。
途中、駒の損得では、角香と金交換で深浦有利だったが、森内陣の堅い守りに攻めあぐね、駒得を活かせない。いつの間にか、森内玉の守りは金3枚、銀2枚と鉄壁に。最後には、深浦王位が飛車角をすべて手にする形にはなったが、自玉を桂馬・香車といった小駒でせ攻められ、森内陣をほとんど攻められないまま、投了となった。

自身のタイトル防衛戦である第50期王位戦七番勝負で、挑戦者の木村一基八段に3連敗しカド番に追い込まれた後、2連勝と跳ね返し、第6局まで勝負を持ち越した深浦王位。その間、竜王戦でも挑戦者決定戦まで進み、先勝。4連勝と復調をうかがわせる深浦王位であるが、8月28日に行われた順位戦B級1組5回戦では3勝同士で久保利明棋王と対戦したが、敗れた。ここで、森内九段に敗れたことで、重要な戦いで2連敗となった。9月8日の王位戦第6局の木村八段戦、9月11日の竜王戦挑戦者決定戦第3局でどのような結果となるのか。見ているか側も胃の痛くなるような勝負が続く。

第22期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局 深浦康市王位対森内俊之九段戦の棋譜

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2009年9月 1日 (火)

ブログ開設3年半で50万アクセスに

昨日(2009年8月31日)に、このブログ「栄枯盛衰・前途洋洋」のアクセスが50万件を超えた。
2006年2月26日にブログを始めてから3年半余。節目の50万アクセスに到達した。
これまでの10万ごとの到達時を見ると、

10万アクセス:2007年7月19日
20万アクセス:2008年3月15日
30万アクセス:2008年9月11日
40万アクセス:2009年2月3日
50万アクセス:2009年8月31日

この1年半ほどは、半年で10万アクセスペースが続いており、平均すると1日約500アクセス余。おそらく、将棋の話題と自分の読んだ本の感想を書き、時々昨日の選挙の話のように時事問題で関心あることについて書き、あとは自分をネタにしたことを書くという今のブログの書き方、内容であれば、このレベルが一つの到達点なのであろう。
何をどう書けば、さらに1日あたりのアクセス数を伸ばしていけるのか、しばらく模索が続きそうだ。

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