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2009年9月22日 (火)

高橋道雄九段の講演会で考えたこと(2)-キャリアアップの秘訣

2回前の記事で、「高橋道雄九段の講演会で考えたこと(1)-40代後半での復活の理由」(2009年9月14日)との記事を書いた。私なりに、同い年の高橋九段の復活の理由を考えてみたものだ。
1983年には当時としては、最低段の五段で王位のタイトルを獲得し、それを含め20代で5回のタイトルを獲得し、A級昇級も果たし30代半ばまでA級棋士の地位を7年連続で維持した強豪である。
谷川九段を除き、同世代のスター棋士たちが下位のクラスへ降級していく中で、B級1組で踏みとどまり、今期(第68期)は、最初のA級降級以降、3回目のA級復帰を果たした。
私は、高橋九段が2005年以降、多くの棋書を集中して書き、自分の過去の棋譜を含め、自分の将棋を見直して、整理したことが復活の原動力になったのではないかと考えのだが、ご本人はどう考えているのか、いつか聞ける機会があれば、聞いてみたいものである。

高橋九段は講演の中で、「キャリアアップの秘訣」という話をしていた。これが、書きたかった二つめのテーマである。

「チャンスが来た時、そのチャンスがつかめるかどうか。チャンスをつかみ損ねると二度とチャンスが来ない人もいる。一方で、チャンスをつかめる人には、またチャンスが巡ってくる。」とのことだった。
では、どうしたらチャンスをつかめるのか?彼が、中原誠16世名人など先輩棋士たちから学んだことは、「(これに勝てば昇級、タイトル挑戦といった)大事な対局、将棋ほど積極的になる」ということだっとのこと。高橋九段自身もそれを心がけ、ほとんどのここ一番という勝負はものにしてきたという。
大事は対局であれば、慎重に、安全に指したくなるのは人情だろうが、それでは、将棋用語でいう「手が伸びなく」なってしまうということらしい。むしろ、「積極策に自ら踏み込んで行き、自分で勝ちをつかもうとすることで、自然と手も伸びることになる」というようなことを言われていたように思う。もちろん、そのためには、前回も書いた「日々の努力の積み重ねが大切で、積み重ねの裏付けがなければ単なる暴発で終ってしまう」とも。

40代になって峠を過ぎたと思われた森下卓九段が、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者計12名で争う「JT将棋日本シリーズ」、郷田真隆九段(3連覇)、谷川浩司九段(2連覇2回)に次ぐ、2連覇を成し遂げた。
第28回の初回の優勝時の森下九段のコメントは「今回のJT杯は4局とも『当たって砕けろ』の気持ちでした」である。守るのではなく積極的に攻めていったからこそ、勝てたとということであろう。

しかし、積極策を取ったからと言って、いつも勝てるとは限らないだろう。積極策に出て、それでも勝てなかった時には、どう考えるのかについては、高橋九段に質問したいと思ったが、他の質問者の質問が長く、時間が遅くなって聞けなかった。
おそらく、慎重・安全策をとって、自分の力を発揮できず負けた場合は自分自身も後悔することになるが、積極的に指して、自分としても実力を発揮したと思える内容なら、悔しいだろうが、それは相手の方が強かったと納得できるということなのだろう。常に、安全策に甘んじず、自分の可能性を信じ積極的な将棋を指していれば、たとえ負けても、得るものがあり、次のチャンスに繋がっていくということなのだろう。

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