第50期王位戦七番勝負第7局、深浦康市王位、挑戦者木村一基八段を相手に、3連敗後の4連勝で執念のタイトル防衛
7月13・14日の第1局で開幕した第50期王位戦七番勝負、挑戦者木村一基八段が破竹の3連勝でタイトル奪取を手中にしたと思われたが、故郷佐世保での第4局で勝利した深浦康市王位がその後3連勝してとうとう互角の成績に持ち込み、昨日(2009年9月29日)からタイトルの行方を決める最終の第7局が始まった。
対局場は、2年前羽生王位からタイトルを奪い、昨年は挑戦者羽生名人を退けタイトル防衛を決めた神奈川県秦野市の「陣屋」。陣屋での第7局で2連勝の深浦王位にとっては、相性のいいホームグラウンドに帰ってきたようなものであろう。
第7局は振り駒で深浦王位の先手。戦型は、双方居飛車で飛車先を突き合う相掛かりから、深浦王位の横歩取りに対し、後手木村八段は8五に飛車を引く、「中座飛車(8五飛戦法)」に。
途中、木村八段が角切りの強手で、攻めの主導権を握り、飛車を深浦陣に打ち込み、深浦玉の行動範囲はかなり狭くなる。しかし、深浦王位も玉の逃げ道を作りつつ反撃をうかがう。攻防が入れ替わりながらも、深浦玉は自陣からするすると盤面中央に逃げ出す。木村八段は自陣角で深浦玉の逃げ道を抑えようとするが、駒があまりない6筋から8筋の中央を角筋を避けながらが深浦玉はどんどん上へと逃げ、木村陣に入玉しただけでなく、木村八段が放った△9二の自陣角の背後、木村陣の隅、▲9一へと逃げ込んだ。隣の▲8一に王様を守る成銀が張り付く。木村八段としては、深浦玉に自陣の9一まで逃げ込まれては、前に動く駒が中心になっている将棋では簡単に詰ませることはできない。自玉に余裕のできた深浦王位は、左右から木村玉を挟撃。受けのなくなった木村八段が無念の投了となった。
投了図を見ると、深浦玉を追い詰めるべく木村八段が深浦陣に放った△3九飛が、そのままの場所にある。この飛車が、「竜」になって深浦玉を追い詰めることができないまま、終ったことが木村八段の最大の誤算。どこかで、深浦玉の上部脱出を遮る一手が必要だったのだろう。
深浦王位は、昨年の竜王戦で渡辺竜王が羽生名人を相手に演じた3連敗後の4連勝を、木村八段を相手に再演してみせた。竜王位挑戦こそ逃したものの虎の子の「王位」タイトルは死守し、3連覇を達成した。
王位タイトル3連覇は、50期の歴史の中で、大山康晴、中原誠、谷川浩司、羽生善治の4人の永世名人しか成し遂げていない。「5連覇、または通算10期」という「永世王位」の称号も可能性が出てきた。永世王位となると、大山、中原、羽生の3人だけとなる。永世称号棋士として将棋界の歴史にその名を刻めるか、まずは、次回の第51期での防衛を目指すことから始まる。
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