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2010年5月23日 (日)

成海璃子主演の映画『武士道シックスティーン』、『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』を見た

どちらも成海璃子が主演する映画『武士道シックスティーン』と『書道ガールズ!! 私たちの甲子園』、先週、今週と日曜日に続けて見た。

先週は、『武士道シックスティーン』。 誉田哲也の同名の小説を映画化したものだ。
ハードカバーで書店に『武士道シックスティーン』、『武士道セブンティーン』、『武士道セブンティーン』の三冊が並んでいる時から読んでみたいと思っていて、ちょうど今年(2010年)2月に文庫になったので、すぐ読んだ。

幼い頃から剣道を志し武士道の求道者を思わせる香織と、剣道は楽しむためにやっているというお気楽娘の早苗。しかし、中学最後の大会で香織は無名の早苗に敗れ、雪辱を誓う。早苗と同じ高校に進学するところから物語は始まる。映画では隙のない求道者のような香織を成海璃子、ライバル早苗を北乃きいが演じる。
原作の味わいを損なうことなく、どのように映画化するのか、興味をもって見たが、期待を裏切らない出来映えだった。

先週、『武士道シックスティーン』を見に行った際に、同じ成海璃子主演で、『書道ガールズ!!』という映画も上映されていると知った。こちらは、最近話題のパフォーマンス書道が題材。書道をテーマにしたマンガ『とめはねっ!』(河合克敏作、小学館)がNHKでドラマ化されるなど、書道は最近何かと話題だ。『とめはねっ!』でも、音楽に合わせて書道をするパフォーマンス書道は冒頭に登場する。

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http://wwws.warnerbros.co.jp/shodo-girls/

『書道ガールズ!!』は、愛媛県立三島高校での実話がモデルとなっている。部員が好き勝手に活動し、まとまりのない弱小書道部の場面から物語は始まり、その弱小書道部を率いる部長早川里子を成海璃子が演じる。ここでも、成海の役所(やくどころ)は、厳しい書道家の父のもと、幼い頃から書を学び、「書道というのは、一人で自分に向き合うもの」と妥協のない求道者のような存在である。
映画の前半は、その里子の書道に対する妥協のない態度により、なかなか書道部はまとまらない。見ていて、もどかしい場面が続く。
しかし、書道部の仲間や、新任の書道部顧問池澤などとの関わりの中で、自分が大好きなふるさとのため、書道パフォーマンスの大会開催を思い立ち、それを実現させていく後半。前半では明かされなかった、様々な事情が、ひとつひとつ明らかになり、それと共に、部員たちがまとまり始める。
この映画のキャンペーンのキャッチコピーは「今年一番泣ける映画」である。興味のある方は、ぜひ劇場に足を運んでほしい。期待を裏切ることはないと思う。

どちらの『武士道シックスティーン』『書道ガールズ!!』とも熱血部活動映画、青春ストーリーである。しかし、青春映画にありがちな恋愛は、ほとんど登場しない。むしろ、中心にあるのは、青春時代を賭けて、本気で夢中になれるものを探したい。また、それは自分ひとりで、ではなく、お互いに高め合うことができる仲間と一緒にということである。
それは、映画にはならなかったが、しばらく前にこのブログで夢中で紹介した陸上の400メートルリレーをテーマにした佐藤多佳子の小説『一瞬の風になれ』(講談社文庫)にも通じるものである。
おそらく、現在(いま)という時代が、そこに生きる我々が「夢中になれるもの」と「仲間」を求めてやまないからなのだろうと思う。

最後に、香織と里子を演じた成海璃子を見て思うのは、「目力(めじから)の強さ」だ。あの物事の本質まで見極めているような食い入るようなまなざしは、ほかであまり見たことがないような気がする。これから、どのような女優に成長するか楽しみだ。

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