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2010年6月 2日 (水)

将棋の第69期順位戦開幕、A級1回戦久保利明二冠(棋王・王将)vs藤井猛九段戦は久保二冠がA級復帰初戦を飾る

将棋界の春のイベントである名人戦七番勝負(第68期)は、羽生善治名人が挑戦者の三浦弘行八段に4連勝と、星勘定の上ではつけいる隙を与えず、終了した。
2003年の第61期名人戦七番勝負で、挑戦者の羽生竜王(当時)が、森内名人(当時)に4連勝して以降、2004年の第62期からの6年間は、4勝2敗が3回、4勝3敗が3回と接戦が続いていただけに、見ている側からするとあっけない幕切れであった。
三浦八段にとっては、久々のタイトル戦登場、さらに2日制のタイトル戦は初めて、また対羽生戦は2003年2月以降今回の七番勝負開始前まで10連敗と、厳しい条件が多かったとはいえ、激戦のA級を7勝2敗で制した挑戦者が1勝もできなかったという結果が、三浦八段のこれからしばらくの将棋の内容にどう影響するか、見ていきたい。

6月の幕開けとともに、来年春の第69期名人戦七番勝負での羽生名人への挑戦権を争う第69期順位戦が始まった。
開幕戦はA級8位の藤井猛九段と2年ぶりにA級復帰のA級10位の久保利明二冠(棋王・王将)。
藤井九段は今期A級10期めだが、過去5年負け越しが続き、この3年ほどは、中盤まで負けが先行し、降級候補に名前があがりながら、年明け後の7回戦、8回戦を連勝してなんとかA級の地位を維持してきた。とはいえ、今期は残留組の最下位8位で後がない。
一方の久保二冠は、第62期(2003年度)から第66期(2007)年度まで5年間A級在籍の実力者だが、66期の2勝7敗でB級1組に陥落。第67期のB級1組での成績は6勝6敗の指し分けで1年での復帰はならず、昨年の第68期にB級1組で9勝3敗の2位となる念願のA級復帰を果たした。その間、B級1組在籍の久保八段は棋王戦の挑戦者となって佐藤康光棋王(当時)から3勝2敗で棋王位を奪取し、念願の初タイトルを獲得。さらに、昨年度はその棋王位をリターンマッチに登場した佐藤康光九段を再び3勝2敗で降し棋王位を防衛するとともに、王将戦で挑戦者となり、これまでタイトル戦で勝てなかった羽生王将から4勝2敗でタイトルを奪取、いっきの二冠となり、タイトル3期の規定で九段昇段も果たした。前回、A級在籍時に比べ一回りも二回りも大きくなってのA級復帰である。

これまで、数年A級順位戦での戦いを見てきて、前期の残留組である上位8人が残留するためのキーポイントのひとつが、B級1組からの昇級者である9位、10位の下位2名を直接対決で叩いておくということである。
名人挑戦者の決定以外は、同成績の場合は、上位者が優先する順位戦の枠組みの中では、B級1組から昇級者2名は、昨年の残留組と同成績では陥落となる。

今回の8位vs10位対決は、藤井九段にとっては、自分の下位者の出鼻をくじくことが、残留への好位置を確保することになるし、久保二冠にとっては、もっとも近いところにいる藤井九段を引きずり下ろすことが、自らの残留の近道と言える。

結果は、相振り飛車の戦いを久保二冠が制した。先手の藤井九段は中盤攻め込んだが、久保棋王が反撃。藤井九段の受けの中で疑問手もあり、久保棋王がいっきの寄せきった。

久保棋王には幸先良いスタート、藤井九段にとっては、第66期から4年連続でA級1回戦黒星である。
これから、名人挑戦者を決める長い10ヵ月が始まる。

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