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2010年7月18日 (日)

第22回参議院選挙の結果が示す民意を考える

第22回参議院選挙が終って1週間。民主党・国民新党の与党は過半数を得られず、自民党が今回の改選第1党、みんなの党の躍進、公明党以下共産党・社民党など既成政党の議席減などが議席数から見た各党の盛衰として、新聞・TVでは語られる。

一方、今後、安定的に政策運営そしていくためには、第1党の民主党としては、参議院で過半数を確保するための新たな連立相手を探したいところだが、その可能性がある自民党・公明党・みんなの党は、選挙直後の党首へのインタビュー「連立はあり得ない」と交渉に応じようとする姿勢さえ見せていない。党利党略としては、落ち目の民主党に手を貸す必要はないということだろうが、野党のにべもない連立拒否が、果たして、選挙民の民意を反映したものと言えるのか、選挙後、ずっとひかかっている。

過去の選挙結果も見ながら考えてみた。使ったのは、選挙民の政党支持を反映していると思われる「比例区での得票率」の第18回(1998年)から今回までの5回分である。(データは第22回以外は総務省のデータを使用)

第18回 第19回 第20回 第21回 第22回
1998年 2001年 2004年 2007年 2010年
自民党 25.17 38.57 30.03 28.08 24.07
民主党 21.75 16.42 37.79 39.48 31.56
自由党 9.28 7.72 - - -
公明党 13.8 14.96 15.41 13.18 13.07
共産党 14.6 7.91 7.8 7.48 6.1
社民党 7.79 6.63 5.35 4.47 3.84
国民新党 - - - 2.15 1.71
みんなの党 - - - - 13.59
その他 7.61 7.79 3.62 5.16 6.06

第19回(2001年)は、構造改革を掲げた第1次小泉内閣の下での選挙で、自民党が圧勝。これがひとつの引き金となって、2003年9月に旧民主党と小沢一郎氏率いる自由党の合併が実現し、現在の民主党が誕生した。

その後、2回(第20、21回)の参議院選挙では、民主党が得票率を伸ばす一方、自民党は漸減。自民党と連立を組む公明党も得票率を減らし、参議院での過半数を失った。
民主党を中心とする当時の野党が参議院の過半数を得たことで、小泉人気の遺産で圧倒的多数を占める衆議院を背景にする自民党・公明党の与党と、民主党を中心に野党が過半数を抑える参議院でねじれが生じた。
参議院を拠点にした野党の抵抗の前に、首相の首のすげ替え以外これといった有効な対応策を打てない自公連立政権は有権者の信任を得られず、実質的には任期満了選挙であった、2009年8月の第45回衆議院議員総選挙で政権を明け渡したのは記憶に新しいところである。

では、今回の第22回参議院選挙の結果は、民主党・国民新党の与党に有権者が失望したことは明らかだが、ならば、かつての与党(自民党・公明党)に再び与党となることを期待したかといえば、それも違う。
自民党の得票率は前回からさらに4%ほど減り、24.07%と四分の一を割り込んでいる。今回の自民党の善戦は、29ある1人区で自民党が21勝8敗と大きく勝ち越したこと、12ある2人区で、民主・自民が1議席ずつ分け合う結果となったことによるが、これは、自民党が二大政党の一方の旗頭と認知されているからで、党全体の支持率・得票率が落ち続けると、他の党にその地位を奪われる可能性はあるだろう。

結局、今回の参議院選挙で本当の意味で勝ったといえるのは、渡辺喜美代表率いる「みんなの党」だけだろう。
昨年の衆議院選挙前に結成されたこの新党の比例区での得票率は13.56%と公明党を上回り、今回の比例区では3番手となり、今回の改選議席でも10議席を確保した。
比例区での既成政党各党の減(民主党▲7.92%、自民党▲4.01%、共産党▲1.38%、社民党▲0.63%、国民新党▲0.44%、公明党▲0.11%:合計▲14.49%)のほとんどを「みんなの党」が吸収している格好だ。

比例区の投票結果は、「もうしばらく、民主党の第1党は認めてもいい。しかし、連立は、国民新党や社民党とではなく、みんなの党と組んでみれば?」と民意が語っているように思うのは、私だけだろうか。
「みんなの党」の渡辺代表がこれからの政局の中で、どのような行動をするか、注目していきたい。

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