第23期竜王戦決勝トーナメント、郷田真隆九段の対戦相手は戸辺誠六段に
第23期竜王戦七番勝負での渡辺明竜王への挑戦者を決める竜王戦の決勝トーナメントもスケジュールが進み中盤戦にさしかかってきた。
竜王戦の決勝トーナメントは11人が9局を戦い、挑戦者決定三番勝負に進む2人が決まる。左の山では、下位の4組・5組・6組の優勝者で勝ち残った一人が1組5位と戦い、その勝者が1組4位と、さらにその勝者が1組優勝者と戦い、挑戦者決定三番勝負に進む。
右の山では3組優勝者と2組2位の勝者が1組3位と戦い、一方で2組優勝者と1組3位が戦い、それぞれの勝者が挑戦者決定三番への出場を争う。
左の山では、下位クラスのサバイバルレースで5組優勝の戸辺誠六段が6組優勝中村太地四段、4組優勝の村山慈明五段を破り、1組5位の郷田真隆九段と対戦することに決まった。
右の山では、3組優勝の阿久津主税七段が2組2位の三浦弘行八段を破り、1組2位の松尾歩七段との準々決勝に駒を進めた。一方、もう一つ準々決勝1組3位の羽生善治名人と2組優勝で復調の兆しを見せる藤井猛九段の一戦は、夕食前に藤井九段の投了となり、羽生名人がシードの1組優勝丸山忠久九段に次ぐ準決勝進出を決めた。
挑戦者決定三番勝負前の9局のうち4局が終了し、11名いた決勝トーナメント進出者もすでに4名が敗退。挑戦者への可能性を残すのは7名となった。
次の対局予定は2010年7月23日。私が応援する郷田九段と戸辺六段の六段の対戦である。戸辺誠六段は、1986年8月生まれの23歳。2006年に四段昇段(プロ入り)を決め、C級2組2年目の2008年度8勝2敗の3位でC級1組に昇級、昨年度(2009年度)は、C級1組を10戦全勝で1位通過。棋士生活4年目にして、すでにB級2組である。
また、昨年度の王位戦予選では、森内俊之九段、久保利明棋王を破って挑戦者リーグ入りを決め、挑戦者決定リーグ白組では、丸山忠久九段、三浦弘行八段、羽生善治名人を破った。並み居るタイトルホルダー、A級棋士を撃破したことが評価され、2009年度の将棋大賞新人賞も受賞している。
現在、王位戦七番勝負で深浦王位に挑戦中の広瀬章人六段と並ぶ、若手棋士の注目株である。奇しくも、二人とも振り飛車を得意戦法としている。
『実戦の振り飛車破り』という著書もある郷田九段が、どのように振り飛車党の若手棋士戸辺六段を迎え撃つのか。今期は、いわば無欲の勝利でここまで勝ち進んできた郷田九段。決勝トーナメントでもその姿勢を貫いて、ぜひ、格の違いを見せつけてほしいものである。
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