岩波少年文庫<ランサム・サーガ1>『ツバメ号とアマゾン号』上下巻を購入
今日、夕方、仕事で京橋に出かける用事があり、そのまま「直帰」の時間になったので、帰り道、日本橋の丸善に寄ってみた。昨日、このブログで紹介した岩波少年文庫の7月の新刊『ツバメ号とアマゾン号』の上下巻を買うためである。
ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
ツバメ号とアマゾン号(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
日本橋丸善では、児童書は2階にあるが、岩波少年文庫は60周年記念フェアということで、少年文庫のロングセラーや話題の本が何冊かまとめて特設コーナーが設けられていた。その中に『ツバメ号とアマゾン号』も平積みで置かれている。さらに、児童書の新刊のコーナー、本来の岩波少年文庫の売り場にも置かれていた。
下巻には、少年文庫化に当たっての訳者神宮輝夫による「新しい少年文庫版に寄せて」との一文が付されている。これを読むと、かつてのアーサー・ランサム全集12巻のうち、もう一人の翻訳者故岩田欣三訳の第3巻『ヤマネコ号の冒険』、第5巻『オオバンクラブの無法者(新シリーズでは『オオバンクラブ物語』に改題)』、第9巻『六人の探偵たち』は神宮輝夫の新訳に、および神宮・岩田の共訳だった第1巻『ツバメ号とアマゾン号』も共訳本を参考に、神宮輝夫単独の新訳になるという。
たしかに、帰りの電車の中で、買ったばかりの『ツバメ号とアマゾン号』上巻を少し読んでみたが、12巻を通じてヨットを操船する場面で、風上に向かってジグザグに進む際、旧訳では「間切る」という訳語が使われていたが、新訳では「タック」「タッキング(tacking)」というカタカナが当てられていた。
『ツバメ号とアマゾン号』が最初に翻訳・出版されたのが1958年。すでに、50年以上が過ぎている。この間、あえて日本語に訳すより外来語としてカタカナ表記が定着した言葉も多いに違いない。まだ、上巻を50ページほど読んだだけだが、全体的に重厚なイメージのあった訳文が、軽快になり、読みやすくなったような気がする。
今後、出版される残りの11巻もすべて上下巻の構成となり、シリーズ全体で24冊になるようだ。ちょうど、この1年ほど読み続けて来た橋本治の『双調平家物語』文庫版全16巻が今月末には完結する。それを読み終われば、日本の古代史の復習をさせてもらった長いシリーズも終る。次は、<ランサム・サーガ>全24冊の再読にチャレンジしようと思う。
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