第23期竜王戦挑戦者決定三番勝負は、羽生善治名人対久保利明二冠(棋王・王将)の対戦に
第23期竜王戦の挑戦者決定トーナメントも、いよいよ準決勝を迎え、トーナメント表の左の山は、郷田真隆九段(1組5位)を降した久保利明二冠(1組4位)が、1組優勝で準決勝で初登場となる丸山忠久九段に挑む。
右の山では、2組優勝の藤井猛九段を破った羽生善治名人(1組3位)と、三浦弘行八段(2組2位)、松尾歩七段(1組2位)を連破した3組優勝の阿久津主税七段の対戦となった。
2010年8月9日(月)に行われた丸山九段vs久保二冠戦は、後手の久保二冠の三間飛車に対し、先手で居飛車党の丸山九段も三間飛車で対抗するという珍しい展開に。丸山九段は、久保玉を上部から押さえ込む作戦か7筋から9筋までの位を取ってその下に飛車・角を控えさせ、突破を狙う。しかし、そちらに手数をかけた分、丸山玉の守りは金無双と呼ばれる上からの攻めには弱い簡単な囲いに。
丸山九段の一瞬の疑問手に久保二冠が攻勢に出て、あれよあれよとい間に、丸山玉を守っていた金銀が引き離され、丸山玉は丸裸となった。ほどなく、丸山九段が投了。70手の短手数だった。
もう一方の準決勝、羽生名人vs阿久津七段戦は、昨日(2010年8月11日水曜日)行われた。
振り駒で羽生名人の先手。後手の阿久津七段はゴキゲン中飛車を採用。お互い玉の守りを固めないうちの開戦となり羽生名人はと金を作り、阿久津七段は馬を作り、飛車・角が動きまわる展開となったが、羽生玉の玉頭を守るの桂馬を阿久津七段が桂打ちで狙い、羽生名人がその桂馬を下段に桂馬を打って守るという展開になり、それが繰り返される千日手となって指し直しが決まった。
指し直し局は先後を入れ替え、阿久津七段の先手。羽生名人が角交換をし、阿久津七段側は腰掛け銀に構える。羽生名人は、棒銀から端攻めを仕掛け、銀香交換で駒損となるも、△9五の香車が残る。さらに、持ち駒にした香車を△5四香と打って、阿久津陣の攻めの中心として腰掛けで▲5六にいた銀を取り、その銀を囮に玉を動かし王手飛車。攻めの主力飛車を取られては阿久津七段も苦しい。一矢、報いようと王手はかけるも、いまや形作り。羽生玉を詰ます手も続かず、無念の投了となった。
これで、渡辺竜王への挑戦権を争う挑戦者決定三番勝負は、羽生名人(棋聖・王座)vs久保二冠(棋王・王将)の対戦となった。あわせて五冠を保有する2人のどちらが、渡辺竜王に挑戦するのか。
羽生名人が挑戦してタイトル奪取に成功すれば、一昨年実現できなかった永世竜王位を得て永世七冠が確定する。
久保二冠が名乗りを上げ、タイトル奪取となれば三冠となり羽生名人と同じ三冠となる。三番勝負の第1局は8月16日(月)に行われる。
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