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2010年9月 3日 (金)

将棋の第51期王位戦七番勝負第6局で23歳の広瀬章人新王位が誕生、深浦康市王位は3年間守り続けたタイトルを失う

王位タイトル4連覇を目指す深浦康市王位に新進の広瀬章人六段が挑戦する第51期王位戦七番勝負は2010年7月13・14日の第1局の金沢対局(広瀬○)から始まり、第2局札幌(深浦○)、第3局神戸(広瀬○)、第4局佐世保(深浦○)と、すべて先手番が勝ち2勝2敗。
8月24・25日の徳島での第5局は広瀬六段の先手だったが千日手となり、先後を入れ替えて指し直しとなった。結局、指し直し局で後手となった広瀬六段が勝利、挑戦者がタイトルに王手をかけた格好で第6局を迎えた。

9月1日・2日で行われた第6局は深浦王位の先手。広瀬六段の四間飛車穴熊に深浦王位も穴熊に囲う今シリーズでよく見る展開となった。序盤から中盤にかけて深浦王位が早々に馬を作りうまく指したようにも思えたが、挑戦者広瀬九段も粘り、と金2枚を作って深浦陣に迫る。結局、広瀬六段の金打ちに、深浦王位が金2枚で守るという無限ループに入り込み第5局同様千日手が成立。再び、先後を入れ替えて指し直しとなった。
指し直し局では、先手広瀬六段の四間飛車穴熊に後手深浦王位は銀冠で対抗。今回は序盤から中盤にかけて広瀬六段がリードしたように見えたが、深浦王位も玉の早逃げで粘る。勝敗の行方は二転三転。深浦王位逆転ではという解説もコメントも出たが、最後は飛車角の大駒4枚をすべて手にした広瀬六段が盤の中央付近まで躍り出た深浦玉を、桂跳ねのあき王手から始まって持ち駒のうち角2枚、飛車1枚、歩1枚を使い連続で王手。まるで詰め将棋を見るような展開となった。万策尽きた深浦王位が投了。
第51期王位戦七番勝負は千日手局2局を含む挑戦者広瀬章人六段の4勝2敗で終幕となった。

深浦康市王位は、3年前に当時の羽生善治王位とのギリギリの戦いでもぎ取り、その後の羽生名人のリターンマッチも退け、昨年の木村一基八段の挑戦も3連敗後の4連勝で跳ね返し、3年間守り続けて愛着があるに違いない「王位」のタイトルを若い挑戦者に明け渡すことになった。第6局の投了を告げた瞬間から、将棋界を代表する栄えあるタイトルホルダーからB級1組所属の単なる九段となる。5期連続獲得で有資格となる「永世王位」称号も目標にあったと思うがそれも潰えた。これまでも、数々の困難を乗り越えてきた不屈の棋士の復活を期待したい。

新王位となった広瀬章人六段は、「タイトル1期獲得」の規定により、9月2日付で七段に昇段した(はず)。順位戦ではC級1組所属だが、第24期の高橋道雄五段(当時C級1組在籍、23歳)、第33期の郷田真隆四段(同C級2組、22歳)に並ぶ20代、順位戦Cクラスでのタイトル獲得である。
タイトルホルダーとなったことで、トーナメント方式の予選を行う多くの棋戦(棋聖戦、王座戦、ネット将棋最強戦、日本シリーズ等)では、予選免除のシード棋士の対象となり、活躍のチャンスが広がる。今後、そのチャンスを活かして他棋戦でも王位戦同様の活躍ができるかどうかが、広瀬新王位を今後を占う材料となるだろう。

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