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2010年11月14日 (日)

2010世界バレー女子3位決定戦で、日本はアメリカを3‐2で破り銅メダル獲得。32年ぶりの快挙。

2010年10月29日から、日本を舞台に始まった世界バレー(バレーボール世界選手権)の女子大会。24ヵ国の代表チームが、第1次ラウンド・第2次ラウンドを経て12チームに絞り込まれ、決勝ラウンドを迎えた。各チームは第2次ラウンドまでの成績で、決勝トーナメント、5~8位決定トーナメント、9~12位決定トーナメントに分かれて戦う。

日本は第2次ラウンドでプールE2位となり、昨日(2010/11/13)の準決勝でプールF1位となった現在世界ランキング1位のブラジルと対戦。2セット先取し、決勝進出・銀メダル以上確定かと思わせたが、ブラジルの底力に一歩及ばずセットカウント2-3で惜しくも敗れた。

今日(2010/11/14)は、同じく昨日の準決勝でロシアに1-3で敗れたアメリカとの3位決定戦。銅メダルがかかる。すでに決勝トーナメント進出で世界選手権で28年ぶりのベスト4以上が確定しているが、さらにメダル獲得となれば32年ぶりである。なんとか、勝手ほしい。

7時からの放映開始に、テレビの前にかじりつく。心配されるのは、体力。昨日、フルセットの戦ったうえ、第2セットは35-33というスコアは世界バレー史上最長という厳しい戦いからまだ1日である。どのチームも同条件とはいえ、昨日ロシアと4セットしか戦ったいないアメリカのほうが消耗が少ないに違いない。

銅メダルがかかるアメリカ戦の第1セット、日本は18-25で失う。第2セットもアメリカリードで試合の中盤まで進む。2セット連取されると、ちょっと辛い。ここまで、日本躍進の立役者だった江畑幸子のスパイクがブロックに止められ、レシーブに拾われる。エース木村沙織のスパイクも決まらず、相手のサーブが続くいやな展開。
ここで、ベンチの真鍋監督は、江畑がサーブに回ったところで、昨日のブラジル戦でサーブやレシーブで活躍を見せた石田瑞穂をピンチサーバーで投入。その石田がレシーブでアメリカのスパイクを拾い、バックアタックまで決めた。ここで、日本チームの沈滞していたムードに変化が出て、離されかけていたアメリカに追いすがる。ベンチも前衛に回っても石田を使い続け、セッター竹下も石田を積極的に使う。昨日のブラジル戦で初めてベンチ入りした石田はデータがほとんどなく、結果的にアメリカをかく乱することに成功したようだ。13-13と追いつき、その後は20点すぎまでラリーが続いたが、最後は日本が25-23でセットを取った。石田の投入が流れを変えた。

第3セットは15点まで一進一退が続いたが、その後アメリカが抜け出して、アメリカ25-22で取り返した。日本はあとがなくなった。
第4セットは、今大会センタープレヤーでブロックで好成績を上げてきた井上香織に代えて、キャプテンの荒木絵里香を投入。荒木のクイック、サービスエース等活躍もあり、終始リードを保ったまま25-19で日本が取って、セットカウント2-2で第5セットの15点勝負に持ち込まれた。

15点で決着がつく第5セットはスタートダッシュが肝心。日本ベンチは、いい流れを切らないよう途中出場の石田と荒木を第5セットもそのまま使う。昨日のブラジル戦では、第5セットリードを許し、そのまま押し切られた。3-3までは、一進一退が続いたが、そこから、日本が抜け出して、2~3点のリードを保ちながら試合が進む。いったん、10-8まで詰められるが、そこから5点連取。3位を決め、悲願のメダル(銅)を獲得した。

Getphotojapanusa

真鍋監督の前任者である柳本監督率いる全日本女子がアテネオリンピックに出場を決めた世界最終予選の頃から、再びバレーボールファンとして、全日本女子チームを見続けてきた。
今回の真鍋ジャパンの世界バレーチームは、まずレシーブがうまくなって、簡単に点を取られなくなった。また、セット終盤になって少し点差が離れていても簡単にあきらめないし、ジュースなどの競った場面でも精神的に強くなった。
それを支えるのは、セッターでチームの要である竹下佳江だ。今回の大会をテレビ観戦していて、普通ではとてもスパイクが打てるようなトスは上がらないと思うような場所にボールがとんでいっても、とにかう打てる球を上げる、オーバーハンドであれアンダーハンドであれとにかくスパイクできるトスを上げる。それを木村や江畑が決め、何回ピンチを乗り切ったことだろう。

さらに、選手層が厚くなった。1年前のワールドグランプリで活躍した坂下麻衣子やプリンセスと呼ばれる狩野舞子も今回の14名のメンバーに選ばれていない。
新メンバーとして加わった江畑幸子が大会を通じて活躍し、第1次ラウンド・2次ランドではその江畑不調の時には迫田さおりが活躍をした。また、その決勝ラウンドではサーブのうまさが買われてベンチ入りした石田瑞穂が江畑の代役として銅メダル獲得へ貴重な働きをした。
また、センタープレイヤーも、柳本ジャパンでは杉山祥子と荒木絵里香だったが、真鍋ジャパンではクイック・ブロック井上香織が活躍し、さらに今回は今まであまり名前を聞くことがなかった山口舞がレギュラーとなってそのうまさで相手チームを翻弄している。さらに、アテネオリンピックの全日本代表として柳本ジャパンのオリンピック出場に貢献した山本愛(旧姓大友)愛が全日本に復帰。荒木はキャプテンでありながら、控えに回ることも多くなっている。竹下は、また一段とセッターとしてのスキルを高めたのではないだろうか。

今日の試合の勝利は、連戦でレギュラーメンバーが疲れる中、控えに回っていた石田や荒木を効果的に投入することで、チームのムード、攻め手を変え、総力戦で勝ち取ったチーム全体の勝利と言えるだろう。

興奮さめやらぬ夜になった。真鍋ジャパンの次なる目標は、オリンピックでのメダル獲得だろう。世界各国からも、よりマークされのは確実だが、現在のチーム力に磨きをかけ、さらにレベルアップしてオリンピックでもメダルを取ってほしいものだ。

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