久保利明棋王・王将への挑戦者は誰になるのか?
将棋界では、現在、渡辺明竜王に羽生善治名人が挑戦する第23期竜王戦七番勝負が第4局まで終えたところ。渡辺竜王が2連勝と好スタートをみせたが、羽生名人が第3局、第4局と連勝し2勝2敗の五分となって、12月1日・2日に石川県で行われる第5局でどちらが勝って、先に第23期竜王位に王手をかけるのかが、重要になりそうである。
竜王戦の次は、年末から年度末にかけて、第60期王将戦七番勝負と第36期棋王戦五番勝負が過密スケジュールの中で行われる。どちらもタイトルを保有するのは、久保利明二冠(棋王・王将)。こちらの挑戦者争いも大詰めを迎えており、挑戦者となる可能性を残す棋士が絞られてきた。
王将戦は、7人で争う挑戦者リーグで決まるが、6回戦まで終り、挑戦の可能性を残しているのは、ここまで4勝1敗の佐藤康光九段と新鋭豊島将之五段の2人。リーグ戦対戦カードの組み合わせの妙で、なんとこの2人が今日(2010/11/29)の7回戦で対戦する。まさに挑戦者決定戦である。
他の5人は、既に一足はやく全日程を終えた三浦弘行八段が3勝3敗。渡辺明竜王が3勝2敗、羽生善治名人が2勝3敗、深浦康市九段が2勝3敗、森内俊之九段が0勝5敗。今日の7回戦では、佐藤vs豊島戦に加え、渡辺vs森内戦、羽生vs深浦戦も行われる。
挑戦者決定の他にも、リーグ残留枠4つの争いも気になる。上位4名なので、佐藤九段、豊島五段の2人は当確。
現在3勝の渡辺竜王は勝って4勝2敗なら文句なしの残留。負けて3勝3敗ならリーグ戦での序列の関係で三浦八段との残留決定戦となるはずだ。
リーグ戦序列1位の羽生名人と3位の深浦九段は勝って3勝3敗となった方が残留、負けて2勝4敗なら陥落である。永年、1993年以降羽生名人は、王将位のタイトルを保持するか、あるいは挑戦者リーグに席があった。果たして、今回、久々のリーグ陥落となるのか。
棋王戦は、上位4名は敗者復活ありの変則トーナメントで挑戦者を決めるが、すでに上位4名が絞られた。本戦の上位2名が、広瀬章人王位と窪田義行六段。2人に敗れて敗者復活トーナメントに回ったのが、渡辺明竜王と糸谷哲郎五段である。
渡辺竜王以外の3名は、予選からの勝ち上がりである。(広瀬王位は王位タイトル獲得前に組み合わせが決まっている。)
本戦の広瀬vs窪田の勝者が挑戦者決定戦に進出、敗者は復活戦に回り、渡辺vs糸谷の勝者と対戦して勝った方が、挑戦者決定戦進出である。ベスト4以上は2敗失格というルールなので、挑戦者決定戦では、本戦勝ち抜き者は1勝で挑戦決定、復活戦勝ち上がり者は2勝して初めて挑戦決定となる。
この王将戦・棋王戦では、タイトルホルダーと挑戦者となる可能性のあるメンバーの中に「最強世代」と呼ばれる羽生名人と同世代の棋士は佐藤康光九段一人である。
出版されたばかりの梅田望夫著『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語』(中央公論新社)では、現在の棋士達を「羽生世代」(=最強世代)、羽生世代の「ちょっと下の世代」、「渡辺竜王を中心とする世代」、「もっと若い世代」の4つに分類している。

どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語
王将・棋王のタイトルを保つ久保二冠は、「ちょと下の世代」で、何度も羽生世代の壁に跳ね返されながら、よくやく羽生世代から棋王(佐藤康光棋王から)、王将(羽生善治王将から)のタイトルを奪取し二冠となった。
王将戦の挑戦者を争う2人は「羽生世代」(佐藤九段=1969年生まれ)と「もっと若い世代」(豊島五段=1990年生まれ)という対戦になる。
棋王戦で残る4名のうち、窪田義行六段(=1972年生まれ)は、年齢からすれば、羽生世代の「ちょっと下の世代」。渡辺竜王(=1984年生まれ)が当然ながら「渡辺竜王を中心とする世代」。(「渡辺竜王を中心とする世代」のイメージは、山崎隆之七段、阿久津主税七段、橋本崇載七段など80年代前半生まれの棋士達を指すのであろう)
広瀬王位(=1987年生まれ)と糸谷五段(=1988年生まれ)の2人含め、渡辺竜王より年下は「もっと若い世代」に入るということになるだろう。
「ちょと下の世代」の代表格である久保二冠が、誰を挑戦者に迎え、どんな戦いをするのかも、関心のあるところである。
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