将棋第69期A級順位戦6回戦終了、5勝1敗の森内俊之九段を4勝2敗で谷川浩司九段、渡辺明竜王が追う展開
A級順位戦の6回戦第4局、第5局はともに大阪で行われた。
2010年12月15日の6回戦第4局谷川浩司九段(4勝1敗)vs丸山忠久九段(2勝3敗)戦は先手谷川九段の横歩取りに対し、丸山九段は得意の△8五飛戦法で対抗。丸山九段が勝って3勝3敗の五分に戻した。敗れた谷川九段は4連勝後の2連敗で、挑戦者レースから一歩後退。
翌12月16日は6回戦最終局の三浦弘行八段(2勝3敗)vs久保利明二冠(2勝3敗)の対戦。どちらも、勝てば3勝3敗で一息つくが、負ければ2勝4敗の最下位グループ入りとなる。
前期名人挑戦者で、今期A級1位の三浦八段はまだしも、前期B級1組2位で3期ぶりにA級に復帰した久保二冠にとっては、A級10位のポジションであり、今期のA級の激しい星のつぶし合いを考えると、4勝5敗で陥落というシナリオもないとは言えず、なんとか、3勝3敗にして年を越したいところだ。
将棋の内容は、お互い▲7六歩、△3四歩と角道を開けた後、先手の三浦八段が久保二冠のゴキゲン中飛車を警戒して3手目には▲6八玉と上がるが、久保二冠はかまわず△5四歩と5筋を突く。角交換されて、角を▲5三に打たれると、三浦八段側に「馬」が出来るがお構いなしとの対応だ。実際の対局のそのように進み、▲2六角成と三浦八段が馬を作った。
三浦八段は馬作りという得点を上げたが、久保二冠はその代償に5筋、6筋に歩を進め、中央の制圧に成功。後ろに飛車が控えていることもあり、久保二冠の攻めが炸裂し、三浦八段はこれといった対抗策も施せないまま、82手で投了となった。
これで久保二冠は3勝3敗、三浦八段は2勝4敗となった。
これでA級の6回戦5局の全てが終了。現時点での、成績は以下の通りとなった。
5勝1敗:森内九段(3)
4勝2敗:谷川九段(6)、渡辺竜王(9)
3勝3敗:丸山九段(4)、郷田九段(7)、久保二冠(10)
2勝4敗:三浦八段(1)、高橋九段(2)、木村八段(5)、藤井九段(8)
6回戦で組まれていた、4勝1敗vs2勝3敗の対戦、3組のうち、森内vs高橋戦は森内九段が勝って1敗を守ったものの、残る渡辺vs郷田戦、谷川vs丸山戦で2勝3敗組の郷田九段、丸山九段が勝ったため、名人挑戦者争いも3勝3敗組まで含めて混沌としてきた。
星勘定から言えば、やはりすでに5勝の森内九段が有利だが、今後8回戦に郷田九段戦、最終戦に久保二冠戦がある。
また4勝2敗の谷川九段と渡辺竜王は8回戦で直接対決があるため、どちらかが3敗目を喫する。また谷川九段は最終戦が郷田九段、渡辺竜王は最終戦が丸山九段戦、と3勝3敗組と対戦がある。
その前に、7回戦では、3勝3敗の郷田九段と久保二冠が激突する。勝てば、挑戦者争いに絡むし、負ければ順位が下位の2人なので再び降級を心配しなければならない。
また2勝4敗で4人が並んだ。7回戦での成績如何ではあるが、8回戦で三浦vs高橋戦、9回戦で三浦vs木村戦、高橋vs藤井戦が組まれている。ひょっとすると、9回戦での2勝4敗組の直接対決で勝った方が残留、負けた方が降級という厳しい戦いになるかもしれない。
| 固定リンク | 0
« 第23期竜王戦七番勝負第6局、渡辺明竜王が二手目△8四歩で挑戦者の羽生善治名人を破り七連覇達成 | トップページ | 『日本将棋連盟モバイル』がau携帯に対応したのはいいけれど、スマートフォンISシリーズは蚊帳の外、Andoroid用モバイルも作ってほしい »
「将棋」カテゴリの記事
- 第65期王将戦七番勝負第1局、郷田真隆王将が最強の挑戦者羽生善治名人に完勝(2016.01.11)
- 第64期王将戦就位式、祝・郷田真隆王将!(2015.05.19)
- 郷田真隆九段、44歳で5回目のタイトル王将を獲得(2015.03.29)
- 郷田真隆九段、2つの三度目の正直で王将挑戦へ(2014.12.26)
- 第27期竜王戦、郷田真隆九段、今年もランキング戦1組4位で決勝トーナメント進出(2014.05.31)
コメント