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2010年12月の記事

2010年12月22日 (水)

第4回朝日杯将棋オープン、郷田真隆九段が森内俊之九段、佐藤和俊五段を破り初のベスト4入り決める

朝日杯将棋オープンの本戦トーナメント2日め。今日(2010年12月21日)は、午前10時から森内俊之九段vs郷田真隆九段戦、佐藤康光九段vs佐藤和俊五段戦が行われ、午後2時からそれぞれの勝者がベスト4をかけて対戦する。

森内vs郷田戦は振り駒で郷田九段の先手に。居飛車の郷田九段に対し、後手の森内九段は一手損角換わりから四間飛車に振り、玉は右玉。一方、郷田九段は、早々に穴熊を目指す。郷田九段は自分の後手番では決して一手損角換わりを指さないが、先手番の際の相手の一手損角換わりにどう対応するかは課題の一つ。

朝日杯の棋譜中継のコメントでは、2人の対戦成績は、41戦で森内九段23勝、郷田九段18勝。印象に残るのは、第65期名人戦七番勝負で、郷田2連勝のあと森内が3連勝。第6局に森内必勝に将棋を郷田が大逆転して3勝3敗としたが、最終戦では森内名人が勝って五度目の名人位獲得を決め、18世名人の資格を得た。

郷田九段が穴熊を着々と固めるのに対し、森内玉は仮住まいのような守り。郷田九段の攻めに対し、森内玉はかわすように逃げ、盤上中央に銀2枚、馬2枚で固めた空中楼閣に逃げていった。これで郷田九段は取り逃がしたのかとも思ったが、こちらは飛車2枚で自陣を固めつつ、攻める。と金を4段目、5段目とバックさせて戦線に投入した。少しづつ、包囲網を狭めながら、2枚の馬を精算させ、郷田陣の懸念材料だった桂馬を、王手桂取りの角打ちで抜くと、郷田陣には攻めかかる拠点がなくなり、森内九段無念の投了となった。
総手数145手、終局時刻12時45分という激戦だった。
いつもながら、両者の戦いは、見所満載の熱戦・激戦になるが、今回も期待を裏切らない内容だった。郷田九段の早めの穴熊が新趣向だろう。

森内vs郷田戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20101221asahi_12.html

もう一局の佐藤康光九段vs佐藤和俊五段の佐藤対決は、佐藤和俊五段が勝って、午後の本戦2回戦に進んだ。

佐藤(康)vs佐藤(和)戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20101221asahi_11.html

午後2時からは、ベスト4をかけ、郷田真隆九段と佐藤和俊五段が対戦。振り駒で佐藤五段が先手。佐藤五段はこの朝日杯で第2回、第3回と連続してベスト4入りしている。
佐藤五段は先手ながらゴキゲン中飛車を選択。守りも高美濃に構え、バランスある構え。郷田九段は飛車先の8筋から突破目指す。最終的に飛車成りに成功し、あわせて中央から高美濃崩しにかかる。堅牢に見えた佐藤陣の守りはあっという間にバラバラにされ、100手指したところで、佐藤五段の投了となった。

郷田vs佐藤(和)戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20101221asahi_13.html

これで、郷田九段は朝日杯オープン4回目にして初のベスト4進出。例年だと準決勝・決勝は、2月に東京・有楽町の有楽町マリオン朝日ホールでファンを招いて公開対局で行われる。準決勝のうちの一局は、羽生名人vs郷田九段。第67期名人戦七番勝負の再現となる。郷田ファンとしては、なんとしても公開対局の観戦券を入手したいものだ。

郷田九段の2010年度の成績は、これで28戦で18勝10敗、勝率0.6429。ようやく郷田九段の通算勝率並みの数字になってきた。年内の残る対局は12月27日に予定されている王位戦の挑戦者リーグ入りをかけた三浦弘行八段との一戦。勝って、王位戦リーグ入りを決め、気持ち良く新年を迎えてほしいものである。

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2010年12月20日 (月)

第4回朝日杯将棋オープンの本戦トーナメント始まる、最初にベスト4に駒を進めたのは羽生善治名人

優勝賞金1000万円をかけて争う朝日杯将棋オープンも、一次予選、二次予選を終え、二次予選を勝ち抜いた8名、前回ベスト4・タイトルホルダーなどシード棋士8名の計16名で戦う本戦トーナメントが始まった。朝日杯は持ち時間は40分の早指し。
予選、本戦を通じ4人が一同に会し、午前10時からの対戦の勝者がその日の午後2時から戦し勝った1人が、次の進む。

今日(2010年12月20日)の組み合わせは、羽生善治名人vs三浦弘行八段戦と行方尚史八段vs阿久津主税七段戦。行方八段は本棋戦の第1回優勝者、阿久津七段は第2回優勝者、羽生名人は第3回優勝者と過去3回の優勝者が全員含まれるという珍しい組み合わせになった。

羽生vs三浦戦は、羽生名人が先手で横歩取りに進む。定跡形なので、あっというまに指し手が進む隣の行方vs阿久津戦が数手しか進んでいないのに、あっというまに20手以上進んだ。お互い激しく攻め合うが、羽生名人の攻めに軍配があがり、11時半過ぎには三浦八段が投了。NHK杯並みの早さだった。

羽生vs三浦戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20101220asahi_11.html

隣の行方vs阿久津戦は、先手の阿久津七段が三間飛車に振り、後手の行方八段は居飛車。阿久津七段は美濃囲いから金があがり高美濃へ。一方の行方八段は、角交換から馬を作り、自陣に馬を引きつけて、こちらも馬を冠にした高美濃とお互い守りを固めた。
阿久津ペースに見えたが、行方八段が虎の子の馬をバッサリ切って、一気に混戦模様に。阿久津陣の飛車の押さえ込みに成功して、手番を握り攻め込む。隙を見て、阿久津七段が反撃。行方玉を追い込む。そこで、行方八段二度目の馬切りが出て、取った金で自陣を固め、再び反撃、いったん行方勝勢とのコメントまで流れた。しかし、その後、再び阿久津七段が反撃、さらに行方八段が反撃と、たびたび攻守が入れ替わる好勝負。
最終盤は行方優勢にも思えたが、阿久津玉は詰まず、阿久津七段の寄せがまさり、行方八段が投了した。133手の激戦、終ったのは羽生vs三浦戦の終局からほぼ1時間後の12時半すぎだった。

行方vs阿久津戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20101220asahi_12.html

午後2時からの準々決勝は、羽生名人vs阿久津七段の対戦に。振り駒で先手となった阿久津七段は、矢倉模様の駒組みから果敢に攻め、羽生陣に攻め込み、羽生名人の飛車の押さえ込みにも成功。優位を築いたと思われたが、飛車を攻めるに当たり千日手模様の手順が出現。後手で攻められている羽生名人側に千日手を避ける積極的動機は乏しいので、先手が打開するしかない。この打開の一着に問題があったようで、徐々に羽生名人が息を吹き返す。午前中の阿久津vs行方戦を上回る長手数(145手)の戦いとなったが、最後に勝利をつかんだのは羽生名人の側だった。羽生名人は第1回、第3回についで3回目の準決勝(ベスト4)である。

羽生vs阿久津戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20101220asahi_13.html

さらに、明日(2010年12月21日)は、森内俊之九段vs郷田真隆九段戦、佐藤康光九段vs佐藤和俊五段が戦う。4人の中で勝ち残った一人が、準決勝で羽生名人と戦うことになる。

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2010年12月19日 (日)

歩数計TW-700ダイエット、体重がようやく68kg台に

このブログでも何回か書いている通り、今年の9月から歩数計をシチズンのTW-700に買い換え、このブログを書き出してから数えても何回目かのダイエットに挑んでいる。
私の過去の体重のワースト記録は73kg。今年の夏、久しぶりにそこまで到達してしまったので、一念発起、何回目かのダイエットに取り組み始めた。

前回、11月1日の記事では、体重がようやく70kgを切り69kg台に定着したと書いたが、11月の下旬に夜の飲み会が重なり、一日だけだが71kgまで戻ってしまった。飲み会があると一時的に体重が増えるのはやむを得ないが、2日ぐらいまともな生活をしているとだいたい元の水準に戻る。11月下旬は、その元に戻る前に飲み会が続き、一気にレベルが上がってしまった。

そこから、もう一度、気を取り直して、再度チャレンジ。一進一退を繰り返しながらも、再びダウントレンドに入り、70kg台、69kg台と戻し、この3日ほど体重計では68kg台を記録している。あわせてチェックしている「Wii Fit Plus」でも、この2日間ほどBMIが24.96、24.85と標準と肥満の境界線である25を下回った。前回BMIが24.96を記録したのが、去年(2009年)の12月19日、24.85を記録したのは12月12日になる。「Wii Fit Plus」では、BMIが25を超えると「太りすぎです」とアナウンスされ、25を下回ると「標準です」と言われる。昨日は1年ぶりに「標準です」と言われたことになる。境界線ギリギリとはいえ、最低限の目標だった「標準」範囲に収まったのはうれしいことである。

過去の何回かのダイエットの経験でも、最初の3kgを落とすところで、壁がある。今回も図らずも、一度△3kgの壁に突き当たったが、なんとか、乗り越えることができた。できればこのままのペースを維持し、なんとか年内には67kg台、2月末あたりで、65kg台と月△1kgぐらいのペースで落とし最終的には63kgまで減らしたいものだ。

<過去の記事>
2010年9月12日(日):歩数計をシチズンのTW-700に買い換えた

http://t-miz.cocolog-nifty.com/diary/2010/09/-700-12df.html
2010年10月26日 (火):歩数計TW-700の効果か、体重がようやく70kgを下回る
http://t-miz.cocolog-nifty.com/diary/2010/10/tw-70070kg-ffba.html
2010年11月1日(月)歩数計TW-700を使ってのダイエット、ようやく体重69kg台に定着の兆し
http://t-miz.cocolog-nifty.com/diary/2010/11/tw-70069kg-0e15.html

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2010年12月18日 (土)

『日本将棋連盟モバイル』がau携帯に対応したのはいいけれど、スマートフォンISシリーズは蚊帳の外、Andoroid用モバイルも作ってほしい

私はかつての仕事の縁もあって、携帯電話は「○○セルラー電話」と言われていた時代からのauユーザーである。

先月(2010年11月)、遅ればせながらauがスマートフォンに本格参入したIS03に機種変更を行ってほぼ1ヵ月が過ぎた。
それまでは、WT62という東芝製の端末を使っていたが、金属製の筐体で立派に見えたものの剛性が弱かったのか、鞄やウエストポーチに入れているうちに表面の一部に小さな凹みが出来てしまい、2年のサポート期間が終ったらすぐにでも機種変更をしようと思っていたところに、かねてから興味のあったスマートフォンの日本仕様モデルをauが売り出すということで、事前に予約をして手に入れた。

とりあえず使ってみて、おサイフケータイが当面WAONしか対応しておらず、EdyやSuicaへの対応は年明けになること、音楽プレイヤーのLISMOがPCからの楽曲の取り込みに未対応だったこと(これは2010年12月16日にバージョンアップ済)、電池の持ちが半日程度(朝までにフル充電して、職場に携帯し、行き帰りの電車の中や、昼休みにいじる程度で夜8~9時頃には要充電マークが出る)等はあったが、電子マネーは別途、EdyとPASMOをカードで使っていて不自由は感じないし、LISMOも年内にはバージョンアップ予定だったので、バージョンアップまでは、昔使っていたMDウォークマンを探し出して通勤電車の中で音楽を聴き、電源は乾電池式の充電器をバックアップ用に携帯することにした。

その中で、一番、当てが外れたのが、将棋の棋譜中継である。IS03はAdbeのFlash(PlayerFlash Lite4.0)対応との触れ込みだったので、PCモードで棋譜中継が見られることを期待したが、名人戦棋譜速報も竜王戦等各種タイトル戦の棋譜中継も将棋盤までは表示されるものの、駒の横幅が実際の半分程度に圧縮され、さらに画面の左端に寄ってしまうので何かどうなっているのかさっぱりわからない。
現在、IS03のOSはAndoroid2.1、来春には2.2にバージョンアップされ、そうなればFlashPlayer Lite4.0からFlashPlayer 10.1対応となる。そうなたっら、PC版の棋譜中継をまともに観戦できるのではないかと期待している。

そんなことを考えていると、今度は、日本将棋連盟から『日本将棋連盟モバイル』がau携帯に対応と発表された。
『日本将棋連盟モバイル』は、PC中継から漏れたような対局の中から、関心を持たれるようなカードを中継している。昨日も、棋王戦の敗者復活戦決勝の渡辺竜王vs窪田六段戦が中継されている。将棋ファンとしては、自分の携帯が対応していれば、月額350円であればよろこんで払いましょうというところである。

『日本将棋連盟モバイル』は、2010年7月にドコモ端末、9月にソフトバンク端末、10月にiPhoneと対応キャリア・機種が順次拡大され、ようやくauの番が回ってきた。しかし、auで対応しているのは、携帯版のブラウザであるezwebだけで、ezwebに対応していないauのスマートフォンは対象外である。皮肉にも私が見捨てたWT62は対応機種になっている。
スマートフォンでもiPhoneの対応は終っている中、IS03のOSであるAndoroidについて、将棋連盟のモバイル編集長遠山四段は8月時点では「Androidについては年内はちょっと厳しそうですが、忘れているわけではありません。ただ課題が多いのも事実で、じっくり腰を据えて取り組む必要があり、少し時間がかかりそうです。」(2010.8.25遠山雄亮のファニースペース)とブログに書いていたが、au携帯版のリリースを伝える最近のブログの記事で、読者からのAndoroid対応への質問があり「Androidは来年以降の課題で、近々の対応とはならなさそうです。」(2010.12.16遠山雄亮のファニースペース)と回答されていて、リリースまでにはまだまだ障害が多いことがうかがえる。

結局、IS03では、PC版の棋譜中継も、携帯版の棋譜中継も見ることができず、それだけがIS03で残念な点である。通常のインターネットサイトは問題なく見られるし、ワンセグも、YouTubeも見られるのに、棋譜中継だけが見られないのだ。
C級2組の昇級争いに絡み、棋士の本業に専念すべき遠山編集長には、はやく昇級を決めてもらい、『日本将棋連盟モバイル』のAndroidへの対応の課題を一つでも多く解決してもらえばと思う。

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2010年12月17日 (金)

将棋第69期A級順位戦6回戦終了、5勝1敗の森内俊之九段を4勝2敗で谷川浩司九段、渡辺明竜王が追う展開

A級順位戦の6回戦第4局、第5局はともに大阪で行われた。

2010年12月15日の6回戦第4局谷川浩司九段(4勝1敗)vs丸山忠久九段(2勝3敗)戦は先手谷川九段の横歩取りに対し、丸山九段は得意の△8五飛戦法で対抗。丸山九段が勝って3勝3敗の五分に戻した。敗れた谷川九段は4連勝後の2連敗で、挑戦者レースから一歩後退。

翌12月16日は6回戦最終局の三浦弘行八段(2勝3敗)vs久保利明二冠(2勝3敗)の対戦。どちらも、勝てば3勝3敗で一息つくが、負ければ2勝4敗の最下位グループ入りとなる。
前期名人挑戦者で、今期A級1位の三浦八段はまだしも、前期B級1組2位で3期ぶりにA級に復帰した久保二冠にとっては、A級10位のポジションであり、今期のA級の激しい星のつぶし合いを考えると、4勝5敗で陥落というシナリオもないとは言えず、なんとか、3勝3敗にして年を越したいところだ。
将棋の内容は、お互い▲7六歩、△3四歩と角道を開けた後、先手の三浦八段が久保二冠のゴキゲン中飛車を警戒して3手目には▲6八玉と上がるが、久保二冠はかまわず△5四歩と5筋を突く。角交換されて、角を▲5三に打たれると、三浦八段側に「馬」が出来るがお構いなしとの対応だ。実際の対局のそのように進み、▲2六角成と三浦八段が馬を作った。
三浦八段は馬作りという得点を上げたが、久保二冠はその代償に5筋、6筋に歩を進め、中央の制圧に成功。後ろに飛車が控えていることもあり、久保二冠の攻めが炸裂し、三浦八段はこれといった対抗策も施せないまま、82手で投了となった。
これで久保二冠は3勝3敗、三浦八段は2勝4敗となった。

これでA級の6回戦5局の全てが終了。現時点での、成績は以下の通りとなった。
5勝1敗:森内九段(3)
4勝2敗:谷川九段(6)、渡辺竜王(9)
3勝3敗:丸山九段(4)、郷田九段(7)、久保二冠(10)
2勝4敗:三浦八段(1)、高橋九段(2)、木村八段(5)、藤井九段(8)

6回戦で組まれていた、4勝1敗vs2勝3敗の対戦、3組のうち、森内vs高橋戦は森内九段が勝って1敗を守ったものの、残る渡辺vs郷田戦、谷川vs丸山戦で2勝3敗組の郷田九段、丸山九段が勝ったため、名人挑戦者争いも3勝3敗組まで含めて混沌としてきた。

星勘定から言えば、やはりすでに5勝の森内九段が有利だが、今後8回戦に郷田九段戦、最終戦に久保二冠戦がある。
また4勝2敗の谷川九段と渡辺竜王は8回戦で直接対決があるため、どちらかが3敗目を喫する。また谷川九段は最終戦が郷田九段、渡辺竜王は最終戦が丸山九段戦、と3勝3敗組と対戦がある。
その前に、7回戦では、3勝3敗の郷田九段と久保二冠が激突する。勝てば、挑戦者争いに絡むし、負ければ順位が下位の2人なので再び降級を心配しなければならない。

また2勝4敗で4人が並んだ。7回戦での成績如何ではあるが、8回戦で三浦vs高橋戦、9回戦で三浦vs木村戦、高橋vs藤井戦が組まれている。ひょっとすると、9回戦での2勝4敗組の直接対決で勝った方が残留、負けた方が降級という厳しい戦いになるかもしれない。

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2010年12月16日 (木)

第23期竜王戦七番勝負第6局、渡辺明竜王が二手目△8四歩で挑戦者の羽生善治名人を破り七連覇達成

2年前の2008年の第21期竜王戦七番勝負と同様、挑戦者に羽生善治名人を迎えた今期(2010年、第23期)の竜王戦も渡辺竜王が3勝2敗として、第6局を迎え、渡辺竜王が勝てば竜王位防衛(七連覇)、羽生名人が勝てば3勝3敗で第7局にタイトルに行方が持ち越されるという対戦になった。
渡辺竜王としては自らが1勝リードし、優位な立場にあるこの第6局で決めてしまいたいところ。一方、羽生名人には通算7期の竜王位獲得による「永世竜王」称号の獲得と、それによる現在ある7つのタイトルの永世称号を全て獲得するという「永世七冠」がかかる。なんとしても、このカド番の戦いに勝利し第7局に持ち込みたい。

将棋の内容は、先手羽生名人の▲7六歩に対し、後手渡辺竜王が△8四歩と応じた。前回の記事で紹介した後手番が不利とされ、指す棋士が減っているといわれる二手目△8四歩である。(プロ棋士たちの二手目△8四歩を巡る「新手」について-A級順位戦渡辺竜王vs郷田九段戦を終えて
そこから、渡辺竜王は完全な先後同型角換わり腰掛け銀には進めず、早めに△3三銀と上がり、従来の実績・研究では後手が不利とされる局面に進めた。さらに相手の6筋の歩が伸びる前に△6五歩と6筋の位を押さえ、また本格開戦前のつばぜり合いの中で△9二香、△9三香と9筋の香車をひとマスずつ動かすなど、工夫をみせた。
△6五歩の狙いは△6四にスペース作り、相手の出方次第で、△6四角と打つという狙いだったようだ。72手目に△6四角は打たれ、羽生玉の9筋への逃げ道である▲9七の位置をにらみを効かせた。また、△9三香と上がっていたことで、既に△9二に飛車が回っており、その後、△9五歩から▲同歩、△9六歩(打)、さらに△9五香と走って、飛車、角、香車で9筋突破に成功。羽生名人は、やむを得ず▲9八歩と受けざるを得ず、羽生玉の9筋への逃げ道は塞がれた。
一方、渡辺玉に近い端である1筋・2筋でも細かい応酬が続いたが、渡辺竜王はうまくしのぎ、逆に△1四に金が陣取って、自玉を守る大きな盾となった。
両者の玉の懐の広さ(渡辺)、狭さ(羽生)は一目瞭然で、また最後には、△6四から△9一に待避を余儀なくされていた渡辺竜王の角が、△5五角と盤面中央に躍り出て、▲8八にいる羽生玉を角筋にとらえるなど、序盤での渡辺竜王の工夫の布石が実り、羽生玉は受けなし、渡辺玉は詰まないとなり、羽生名人が投了。渡辺竜王の7連覇が決まった。

第23期竜王戦七番勝負第6局 渡辺明竜王vs羽生善治名人戦の棋譜

渡辺竜王のタイトル戦という大舞台で、それも最強の棋士羽生名人を相手に、果敢に二手目△8四歩に踏み込んでいった勇気が勝利を呼んだのではないかと思える一局だった。

タイトル戦での連覇で、7連覇以上の記録を調べてみると、
羽生現名人-王座戦19連覇(継続中)、棋王戦13連覇、王位戦9連覇
大山15世名人-名人戦13連覇、王位戦12連覇、王将戦9連覇、棋聖戦7連覇(2回)
中原16世名人-名人戦9連覇
など数えるほどである。
渡辺竜王も、なかなか負けない棋士の仲間入りをしたといってもいいのかも知れない。

どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語
どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語

梅田望夫著『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?』(中央公論新社)の世代分類に従えば、、今回の対戦は「羽生世代」の本家羽生名人と「渡辺竜王を中心とした世代」本家渡辺竜王の世代の代表どうしの対戦だった。
渡辺竜王は、この7連覇の中で、「羽生世代」のうち、羽生名人に2回、佐藤康光九段に2回、森内俊之九段に2回勝ち、残る1回が(羽生世代の)「ちょっと下の世代」の木村一基八段。羽生世代の3強をそれぞれ2回ずつ倒したことになる。
7連覇ともなると、連覇を誰が止めるのかが注目されるが、竜王戦での渡辺竜王の「羽生世代」に対する強さを見ると、連覇を阻止するのは、もはや、40代を迎える「羽生世代」や「ちょっと下の世代」ではなく、広瀬章人新王位や王将戦の挑戦者となった豊島将之六段などの「もっと若い世代」なのかも知れないという気がした。

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2010年12月12日 (日)

プロ棋士たちの二手目△8四歩を巡る「新手」について-A級順位戦渡辺竜王vs郷田九段戦を終えて

一昨日(2010/12/10)のA級順位戦6回戦第3局の渡辺明竜王vs郷田真隆九段戦で、渡辺竜王が、先後同型角換わり腰掛け銀で新手△8一飛を繰り出したのは、前回の記事(「将棋第69期A級順位戦6回戦第3局渡辺明竜王vs郷田真隆九段戦、郷田九段が勝って3勝3敗の五分に戻す」)で書いた通りだが、では、なぜ渡辺竜王は、A級順位戦という舞台で郷田九段を相手に新手を試したのだろうかということが気になり、少し考えてみた。

なぜ他の棋戦ではなくA級順位戦かという点は、年間を通じて総当たりで戦うリーグ戦であること、自らは既に4勝1敗としており、最低限の目標であろうA級残留にはほぼ目処がついているということがあるだろう。トーナメント形式で負ければ終わりの棋戦では、不発に終れば負けに繋がり兼ねない「新手」は出しにくいのではないかと思う。

相手が郷田九段という点は、同じ居飛車党であり、お互いに二手目△8四歩にこだわりを持ち、△8四歩で頻出する先後同型角換わり腰掛け銀の後手番対策を課題としていたことがあったのではないだろうか。
この戦型を指し慣れ、実力・実績ともトップクラスの郷田九段であれば、新手の効果を試す相手としては申し分ない。新手が郷田九段に通じれば、他のA級クラスの棋士にも通じるということだし、今回のようにうまくいかなくても、郷田九段が実戦の場で示した対抗手は、今後の△8一飛の研究で大いに参考になるはずだ。
(ちなみに郷田九段は、この渡辺新手に対し、持ち時間の6時間のうち半分近い2時間28分を費やして対応手▲4五桂を指している。郷田九段の頭の中で、多くの指し手が検討されたに違いない。局後の感想戦では、「後手では考えたことがあったが、先手でやられると景色が違った」と語っている。)
名人挑戦権レースのトップに並ぶ渡辺竜王とすれば勝った方が良いに違いないが、目先の1勝もさることながら、新手の効果を、郷田九段を相手に、持ち時間6時間のA級順位戦の舞台で、いわば対戦相手の頭脳も使って検証し、研究内容を深めることの方が、長い目でみれば目先の1勝以上の価値があるという判断があったのではないかと思う。

同じことは、11月17日のA級5回戦の郷田九段vs三浦八段戦でも起きている。この時は、郷田九段が後手で二手目△8四歩と指して、先後同型角換わり腰掛け銀へと進み、最終的に同型が完成する直前の36手目に後手から△6五歩と攻めに出る「新手」を試みた。三浦八段は研究家で知られており、名人戦棋譜速報のコメントでは、角換わりの先手を持って8連勝中という。新手を試すには格好の相手だ。結局、この対局では、郷田新手に対し、三浦八段が郷田の検討外の手で応じ、郷田新手を咎めた形となり勝利した。
朝日新聞に掲載されたこの対局の棋譜解説によれば、郷田九段は「本譜の仕掛けは前後同形がはやりだしたころからずっと考えている。25年くらいになる。」(相手の対応手は)「見落とした。準備不足」「やっぱり研究と実戦はちがう」と悔やみ、しかし、取材の最後には「また新しい対抗策を打ち出します」とキッパリとした口調と言ったと書かれている。

この二手目△8四歩問題は、何回かこのブログで紹介した梅田望夫著『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?』(以下『どう羽生』)でも「第5章、現代将棋における後手の本質」で取り上げられている。

どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語
どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語

2010年6月に深浦康市王位(当時)が羽生善治棋聖に挑戦した第81期棋聖戦五番勝負第1局のリアルタイム観戦記を著者は書いているが、2回目の原稿「2手目△8四歩問題と将棋の進化の物語」の中で片上大輔六段が語った話が詳しく紹介されている。
乱暴すぎることを承知で結論だけ書くと、二手目△8四歩で頻出する「角換わり同型」の先手での勝率が高く、後手番の棋士が二手目△8四歩を避けるようになっているという。その中で、渡辺竜王は△8四歩を指し続けているが、その渡辺竜王さえ、2010年に入ってからは△8四歩で成果が出せず、しばらく△8四歩を封印していると語られている。

そのような状況の中、棋聖戦五番勝負第1局で後手番となった深浦は、タイトル戦の番勝負という大舞台で2手目△8四歩を選択し、新手△3三同桂を繰り出したが、羽生の応手の前に敗れた。深浦は、対局の帰りの電車で著者梅田に「(新手の)研究の精度・クオリティが低かった」と語る。

『どう羽生』で著者は、深浦にも羽生にもインタビューしているが、深浦は「△8四歩が指したくて、誰かが大舞台で指すのを待っていたが、我慢できなくなって自分で指した」と語り、羽生は「深浦が△8四歩を突いたということは、角換わりで何か用意があるということなので、新手が楽しみですごいスピードで角換わり同型の指し手を進めた」旨語っている。
タイトル戦という大舞台で、タイトルホルダーであった深浦が、最強の棋士羽生に対して新手を試し、ひとつの結果が出た事になる。

プロ棋士たちは、お互いに勝ち負けを競い合うライバルであるが、ある戦法のある局面で、より良い、より勝利につながる変化はないのかと常に研究している研究者の仲間でもあるのだ。
誰かが考えた仮説(新手)は、棋士どうしの研究会等で検討された上で、最後は実戦の場で試される。新手を突きつけられた相手棋士は、対応を誤れば負けに繋がりなねないので、自らの英知を結集して対応手を考える。新手という仮説の最終チェックは対戦相手に委ねられることになる。相手のチェックの精度が低ければ、新手(仮説)を試したことにはならない。新手も、トップクラスの棋士を相手に実戦で成果をあげて初めて、○○戦法、××システムなどと呼ばれることになるのであろう。

そう考えると、誰が新手を考えたかということに加え、新手(仮説)の考案者が、誰を相手に試したかも重要だ。考案者は、その新手のチェッカーとして最もふさわしい棋士と考えた相手に対して新手をぶつけているに違いなく、相手の力を認めているということでもあるからだ。
二手目△8四歩では、深浦王位(当時)がタイトル戦番勝負で羽生棋聖を相手に、郷田九段がA級順位戦で三浦八段を相手に、渡辺竜王が同じくA級順位戦で郷田九段を相手に、そせぞれが考案した新手を試し実らなかった。しかし、その結果はネット中継等を通じてその日のうちに他の多くの棋士の目に触れ、新たな研究が積み重ねられ、次の新手につながっていくのであろう。
トップ棋士でいつづけるには、常に新手を考え続けそれを実戦で試す勇気、新手をぶつけられた時、その場で考えて的確な反応が出来る実力の両方が求められるということだろう。

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2010年12月11日 (土)

将棋第69期A級順位戦6回戦第3局渡辺明竜王vs郷田真隆九段戦、郷田九段が勝って3勝3敗の五分に戻す

今期(第69期)のA級順位戦は5回戦を終ったところで、
4勝1敗:森内俊之九段(3位)、谷川浩司九段(6位)、渡辺明竜王(9位)
3勝2敗:なし
2勝3敗:三浦弘行八段(1位)、高橋道雄九段(2位)、丸山忠久九段(4位)、木村一基八段(5位)、郷田真隆九段(7位)、久保利明二冠(棋王・王将)(10位)
1勝4敗-藤井猛九段(8位)
という星勘定になっていた。()内は今期のA級順位。

名人挑戦レースは4勝1敗の3人に絞られたようにみえるが、2勝3敗の6名の多くが、上位3人のうち2人と未対局であり、その結果次第では、まだまだ、流動的である。

12月9日は森内九段vs高橋九段戦と木村一基八段vs藤井猛九段戦が行われ、森内-高橋戦は千日手指し直しの上、森内九段の勝利して5勝1敗。木村-藤井で戦は189手の激戦を藤井九段が制して貴重な2勝目を上げたため、高橋、木村、藤井の3名が2勝4敗で並んだ。

12月10日は渡辺明竜王vs郷田真隆九段戦。渡辺竜王は、勝って5勝1敗とし森内九段と並び挑戦権レースのトップグループにとどまりたいし、今期のA級順位7位と順位のよくない郷田九段としては、2勝4敗の最下位グループには入りたくない。
ともに居飛車党で、近年不利と言われる後手での二手目△8四歩にこだわりを持つ2人の対戦である。名人戦棋譜速報の解説によれば、2人の対戦成績は渡辺竜王から見て6勝5敗(○○○●●●○●○○●)とのこと。直近は7月31日のJT将棋日本シリーズの2回戦で相掛かりの後手番で郷田九段が勝っている。

今回は先手が郷田九段。先手▲7六歩に対し、後手渡辺竜王は果敢に△8四歩。両者が後手番での課題と考える先後同型角換わり腰掛け銀の展開に進んだ。37手目で同型腰掛け銀が完成。そこから郷田九段が長考の上、攻撃の1手を指したところで、昼食休憩に入った。昼食休憩後、数手のやりとりがあった後、48手目に後手渡辺竜王が△8一飛とこれまで指されたことのない新手を披露。しかし、その後の郷田九段の対応が的確だったようだ。

棋譜中継を見ているとその後、夕食休憩後に、渡辺竜王が攻めに転じ飛車、角を捌き、郷田九段の陣中の飛車を抑えにかかっており、渡辺竜王の方が快調に見えた。
棋譜中継のコメントでも、控え室で検討する棋士達の評価も、そのあたりで当初の郷田優位からいったん渡辺優位に変わっいた。しかし、終局後のコメントでは渡辺竜王は夕食休憩後は終始自信が持てなかったそうだ。

結局、渡辺竜王の攻めを郷田九段が巧みにかわし、73手目に▲2三歩と反撃ののろしを上げた。その直後、渡辺竜王の疑問手と思われる手も出て、郷田九段が一気に渡辺玉に攻めかかった。そこからは、郷田九段の攻めがほぼ途切れることなく続き、控え室の棋士の評価も郷田九段勝勢に転じた。

しかし、その後、追う郷田九段に対し、なんとか攻めをかわして郷田陣へ入玉しようとする渡辺竜王とのやりとりが延々50手以上続いた。渡辺竜王としても、森内九段が既に勝って5勝1敗としているだけに、簡単に投了する訳にはいかなかったのだろう。そんな中でも、郷田九段は渡辺玉を守っている駒を1枚1枚と剥がしていき、最後は単騎で逃げる渡辺玉を上下から挟撃する体制を築き、145手で渡辺竜王の投了となった。双方とも残り時間は1分。終了時刻は11日午前0時56分。

勝った郷田九段はトップを走る渡辺竜王に土をつけ3勝3敗の五分に戻した。暫定順位も4位に浮上、残る3戦の相手は、久保二冠、森内九段、谷川九段の順であり、全勝できれば、上位者3名の成績次第では、6勝3敗でプレーオフという可能性もあるだろう。
一方、渡辺竜王は4勝2敗となり、挑戦レースからは一歩後退となったが、依然として有力候補であることに変わりはない。

現時点のA級の暫定順位は以下の通り。
5勝1敗:森内九段
4勝1敗:谷川九段
4勝2敗:渡辺竜王
3勝3敗:郷田九段
2勝3敗:三浦八段、丸山九段、久保二冠
2勝4敗:高橋九段、木村八段、藤井九段

残る6回戦は12月15日に谷川vs丸山戦、16日に三浦vs久保戦が組まれている。谷川vs丸山戦は谷川九段が勝ってトップを守るのか、丸山九段が勝って3勝3敗グループ入りするのか。三浦vs久保戦は勝った方が3勝3敗、負けた方が2勝4敗となる。
どちらも、目が離せない戦いだ。

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2010年12月 9日 (木)

『将棋世界』の電子書籍化は、電子出版の新たな可能性を示しているのではないか

日本将棋連盟発行の月刊誌『将棋世界』を電子書籍化してApp Storeで2010年12月9日から販売を始めるとのことで、将棋連盟が会見を開いた。

会見内容を伝えるマイコミジャーナルの記事

ただ、単に紙の雑誌を電子化するだけではなく、タイトル戦の将棋の対局の内容を示す棋譜の図面上で手順の再現が可能で、講座や詰将棋の解答などでも駒動くという。

これは画期的なことだ(と思う)。パソコン好きの将棋ファンとしては、インターネットで、タイトル戦や順位戦の対局がリアルタイムで中継されるようになったことにも、技術の進歩を感じたが、駒が動く電子書籍の『将棋世界』にもさらに技術の進歩を感じる。

1局の将棋が終るまで100手前後、長手数の対局だと150手を超えるものもある。すでに終った対局を新聞や雑誌で伝える際は、特定の局面の図面が示され、その後の10手から20手ほどは、指し手のみが▲2六歩、△3四歩といった形で示される。
プロ棋士ならいざ知らず、多少将棋をかじった程度の私のようなファンには、ある局面から10手、20手を頭の中に将棋盤をイメージしながら読み進めるのは骨が折れることで、結局、解説を斜め読みし次の図面を見るというのが、いつもの『将棋世界』読み方だった。

上記の会見の記事には、棋譜図面をタッチすると一手ずつ盤面が変化する様子が、動画(YouTube)で示されている。これは本当に便利だ。記事では、将棋連盟の米長邦雄会長が「電子書籍は将棋のためにある」とコメントしたと伝えられている。

とりあえずは『将棋世界』からということだろうが、『将棋世界』で可能なら、プロ棋士が書いている将棋の戦法の解説書、自戦記、詰将棋の本などもこのような形で電子出版が可能ということでもある。
先日出版され、将棋ファンの間では話題の『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?』(梅田望夫著/中央公論新社)では、著者が棋士と将棋盤を交え、過去の対局につきインタビューする場面があるが、この駒が動く盤面図があれば、よりインタビューの内容が生々しく伝わることになるだろう。

電子書籍という媒体を利用することによって、将棋という競技、ゲームの伝え方も、教え方も大きく変わるような気がする。

これまで、私自身は電子辞書より紙媒体の国語辞典や英和辞典と思っていたし、単なる電子出版にもあまり魅力を感じたことはなかった。単に電子化しただけでは、「モノ」として存在する書籍・書物の一覧性に勝るとは思えなかったからだ。
しかし、電子版『将棋世界』だけは別だ。電子版には紙媒体では実現されなかった付加価値がある。この『将棋世界』電子書籍化は電子出版の新しい形、可能性を示しているのではないかと思う。

まだ、アップル社のiPadは持っていないが、この電子版『将棋世界』を読むためにiPadを買いたいなと思っている。

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2010年12月 7日 (火)

第60回NHK杯将棋トーナメント3回戦第1局、郷田真隆九段が豊島将之六段を破りベスト8進出決める

1年をかけて行われるNHK杯将棋トーナメントも、11月末までの放映で2回戦が終了。16名が勝ち残り、12月からはベスト8を決める3回戦の戦いが始まった。

2010年12月5日(日)の3回戦第1局は、郷田隆真九段と王将戦でのタイトル挑戦を決めたばかりの豊島将之六段の一戦。ちょうど、国際会計基準(IFRS)検定の試験時間と重なって当日の放送は見られなかったので、録画していたものを昨日の夜見た。

収録時は、まだ豊島六段の王将戦挑戦決定前で、放送での肩書きは五段。11月30日に挑戦を決め六段に昇段した旨、字幕で表示された。二人は、東京(郷田)と関西(豊島)という拠点の違いもあってだろう、練習将棋も含めて初手合いとのこと。
振り駒で郷田九段が先手。郷田九段が初手▲2六歩と飛車先の歩を突き出したの対し、豊島六段は2手目△3四歩と角道を開け、4手目に△5四歩と進め、飛車を5筋に振る「ゴキゲン中飛車」の展開に。さらに、玉の囲いを固めるため「穴熊」を目指した。
一方、郷田九段は▲3七銀から銀を前線に繰り出し、2筋、3筋の突破を目指す。
豊島六段は、かまわず△9二香、△9一玉と穴熊にまっしぐら。△8二銀として穴熊のふたが閉まるのが先か、郷田九段の前線突破が先かの争いになった。
結局、▲2四歩、△同歩、▲同銀と郷田九段の前線突破が先んじて、2筋・3筋の突破は確実となった。豊島六段も馬を作って反撃に出るが、、結局△8二銀の穴熊のふたが出来ないままの開戦であり、自玉の守りは不安定である。一方、桂馬・香車は手にしたものの、郷田玉を詰ませるには駒不足。その間、着々と郷田九段が豊島玉の包囲網を築き、79手で郷田九段の勝ちとなった。
郷田九段の踏み込んだ攻めが功を奏し、豊島六段に力を発揮する前に、勝負がついたという感じだ。

郷田真隆九段vs豊島将之六段戦の棋譜

これで、郷田九段はNHK杯では3年ぶりのベスト8進出を決めた。前回は、準々決勝で鈴木大介八段に敗れたが、今回は60回の節目の大会でもあり、ぜひ、優勝を目指してほしいものだ。

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2010年12月 6日 (月)

第5回国際会計基準(IFRS)検定を受検した

日本の上場企業にも、2015年から適用が見込まれる国際会計基準(IFRS)。これから、数年の企業の経理部門での最大の話題であり、最大の課題でもある。現在、社内で会計監査のまねごとのような仕事をしている身としては、避けては通れない。経理部門のやることをチェックするためには、こちらも国際会計基準(IFRS)を理解しておかなくては、仕事にならない。会計基準が変わるということは、通信簿のつけ方のルールが変わるということ。同じ会計事象でも、ルールが変われば評価も変わるかもしれない。

今日(2010/12/05)、その国際会計基準の理解度を問う「国際会計基準(IFRS)検定」を受けた。検定は、イギリスのイングランド・ウェールズ勅許会計士協会(ICAEW)実施している。日本語で受検可能になって5回目。IFRSの37の基準が試験範囲で、試験形式はマークシートによる4択。問題数は60問で正答率70%が合格ライン。各基準に沿った計算問題が7割ぐらいを占めていた。
計算問題も数値が4つ示されているので、各基準をきちんと理解し、問題をよく読んで、何を求めるよう問われているのかの解釈を間違えなければ、問題の難易度は決して高いものではない。

私自身の出来は、「?」である。各基準をきちんと理解するという点が不十分だったので、70%ギリギリ取れるかどうかだろう。合否判定は、1ヵ月~1ヵ月半後に電子メールで知らされ、合格者にはイギリスICAEWから認定証が出るとのこと。

不合格だったら、3月に実施される第6回検定を受けるつもりだ。だいたい、出題のレベル感が分かったので、次は、かなり狙いを絞った勉強が出来ると思う。

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