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2011年2月12日 (土)

第4回朝日杯将棋オープン戦は、木村一基八段が羽生善治名人に勝って優勝

名人戦が毎日新聞と朝日新聞の共催になる際、準タイトル戦だった「朝日オープン将棋選手権」が、早指し・インターネット中継の「朝日杯将棋オープン戦」に衣替えして4回目の準決勝・決勝を迎えた。
今回のベスト4は羽生善治名人、渡辺明竜王のタイトルホルダー2人に郷田真隆九段、木村一基八段のA級棋士2人というトップクラス4人が揃った。果たして、この中で優勝賞金1000万円を手にするのは誰か。
準決勝は、羽生vs郷田、渡辺vs木村の組み合わせで午前10時30分から。それぞれの勝者が午後2時30分から決勝を戦う。

この朝日杯の準決勝・決勝は公開対局で、有楽町マリオンを行われる。ファン500人が招待されるので、郷田ファンの私も郷田九段の雄姿をひと目みたいと申し込んだが、招待ハガキが送られてくることはなかった。1300人以上の応募があったそうだ。

ネット中継で観戦すべく10時半からパソコンの前に座り、羽生vs郷田戦を観戦。
とにかく、すさまじい将棋だった。振り駒で先手は羽生名人。相矢倉模様から郷田九段が飛車を5筋に振り、急戦模様となった。双方、自分の主張を譲らず、正面から顔面にパンチを打ち合うような将棋となった。飛車角交換となり、郷田九段が羽生陣に金取りで飛車を打ち下ろしたが、羽生名人は金底に歩を打って守る。この金底の歩によって、郷田九段の打った飛車の働きが鈍り、その後は徐々に羽生名人ペースになっていったように思う。最終的に郷田九段の攻めがわずかに及ばす、羽生名人の反撃の前に投了となった。

羽生vs郷田戦の棋譜
http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20110212asahi_11.html

お互い公開対局、ネット中継ということを意識したのだろうか、相手に利かされるのをよしとしない意地の張り合いのような中盤の最強手の応酬は見応えがあった。
郷田九段の敗退はファンとしては残念だが、郷田一刀流らしさは存分に発揮された内容だったと思う。
今後は、挑戦の可能性が残る棋聖戦、王座戦、竜王戦といったタイトル戦の挑戦を目指して頑張ってほしいものだ。

準決勝のもう1局、渡辺vs木村戦は、羽生vs郷田戦の終了後から観戦。のちの本人のコメントによれば、詰まない玉を詰ませにいった渡辺竜王が詰まないことが明らかになったところで投了。木村八段が決勝に進んだ。

渡辺vs木村戦の棋譜
http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20110212asahi_12.html

決勝戦は振り駒で木村八段の先手。木村八段の▲7六歩に、羽生名人が△8四歩と指して、同型角換わり腰掛け銀を意識した駒組みが進む(最終的に、羽生名人が趣向を凝らし同型にはならなかった)。
中盤以降羽生名人が攻め、木村八段が受けるという展開だったが、木村八段も受けながらも合間で細かいパンチを繰り出して、決して羽生名人を安心させることはない。終盤戦は、一見、羽生名人優位にも見えたが、「詰むや詰まざるや」厳しい攻防の中で、木村八段がいくつか攻守両面をにらんだ攻防手をいくつか繰り出し、羽生名人の攻撃を緩和しつつ、羽生玉に忍び寄り、追い詰めて「受けなし」まで追い詰めた。あとは、羽生名人が木村玉を詰ませられるかどうか。結局、木村玉は詰まず、羽生名人が投了。木村八段の初優勝が決まった。

羽生vs木村戦の棋譜
http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/20110212asahi_13.html

終了後の挨拶では、最後に「まだ来月に胃の痛い勝負がありますが頑張ります」と述べたという木村八段。3月2日のA級順位戦9回戦、三浦弘行八段戦は3勝5敗どうしの対戦で、勝でばA級残留、負ければA級陥落という「鬼勝負」である。今日の優勝の勢いで、三浦八段との一戦に勝ってA級残留を決めることができるか。賞金1000万円の優勝を喜べるのは、A級残留を決めてからだろう。

準決勝羽生vs郷田戦、決勝羽生vs木村戦とも見応えのある戦いでトップ棋士どうしが戦うトップレベルの将棋の醍醐味を堪能した一日だった。

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