震災報道への疑問、なぜ海外からの支援に触れないのか?
子どもの頃から、日本の報道機関、マスコミについて疑問に思っていることがある。マスコミの人々は、「この世の中、世界には日本人しか存在しない」と思っているのではないかということである。
航空機の墜落事故が海外で起きることがある。その時に、必死になって伝えられるのは、日本人の死者が怪我人がいるかどうかであり、日本人以外にどんな国の被害者がいるかなど全く報道されない。
先日のニュージーランドの地震で、クライストチャーチの語学学校のビルが倒壊し大きな被害が出た時も、日本人の誰が助かり、何人と連絡が取れないかという事ばかりが報道され続けた。
もちろん、海外での事故や災害で、日本人の被害者・被災者がいるかいないかということは、家族や関係者にとって重要な情報であり、それは伝えてもらわなくてはならない。
しかし、それだけで終ってしまっていいのだろうか?クライストチャーチの倒壊した語学学校には日本人だけが通っていたのだろうか?他の英語を母国語としない国からの留学生もいたのではないだろうか?今回の日本の大震災で、ニュージーランドの地震報道が途絶えるまで、ついに他国の被害者の状況について聞くことはなかった。
なぜ、国際的な事件や災害で、日本のマスコミは日本人のことしか伝えないのだろうか?他国の被害者や被災者がいれば、その国の家族たちも、日本人の家族と同じように悲しみ、苦しんでいるはずなのに……。これも日本人の島国根性の表われなのだろうか?
今回の日本の東日本大震災(関東東北大震災)では、多くの国から救援隊が派遣され、各地の被災地で活動してくれているはずだが、米国隊が日本に到着した時にニュースになっただけで、その後、詳しい報道はほとんどない。いったい何カ国から何人の救援隊が来て、どこでどんな支援をしてくれているのか、助けられた日本人として知っておくべきではないだろうか。
義援金も海外から多く寄せられていると思われるが、伝えられるのは、主に海外の映画スターや歌手などの話だけである。名もない市民の募金によるものもあるに違いない。せめて、日本赤十字に取材して、国別にどれくらいの義援金が寄せられているかぐらい、報道されてもよいのではないかと思う。
何かの機会に、その国を訪問したり、その国の人と会う機会が合った時に、「東日本大震災の時は、貴国の救援隊に助けてもらい、また多額の義援金を送ってもらってありがとう」と言えないとしたら、日本人として恥ずかしいことだと思う。
インターネット時代になって、各国の新聞社や通信社の日本語のホームページも作られるようになっている。せめて、時々、各国の代表的な報道機関のページに書かれたニュースを読み、日本のマスコミの視点だけでない、複眼的な視点を持つよう心がけている。
日本のマスコミには、国際的な視点をもっと意識してほしい。
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コメント
あなたの様な考え方をする方もいるだろうが決して大半ではないだろう事は想像がつきます。マスコミなどに対し貴方の様に日本人というより一個人としての考え方をぶつける事はないと思いますよ。観点が違いすぎます。発信する事は勇気も要りますし責任も伴うものです。廻りの批判より貴方の自身が貴方の言う世界に発信すれば素晴らしいと思いますよ。
投稿: 普通の日本人 | 2011年4月18日 (月) 21時58分
泉谷閑治さんの
記事から伺いました
前の方のハンネを見て
思わず…アリャリャと思いました(笑うのは失礼なので)
わたしも似たような考え方
物の見方をしております
遠近法的に物事が見れる
大人になりたいのですが…
なかなか難しく
子どもによくダメ出しされては
懇々と諭されてます(苦笑)
鵜呑みでなく
消化不良でもなく
身の丈で
よぅくよく味わって
…そんな感じで生きたいです
投稿: 通りすがり | 2011年4月19日 (火) 11時16分