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2011年6月20日 (月)

有川浩作品を続けて読んだ(1)、『図書館危機』、『シアター!』、『シアター!2』、『もうひとつのシアター!』

1ヵ月ほど前に、有川浩の『図書館戦争』シリーズを読み始めたら、すぐに既刊の『図書館戦争』『図書館内乱』は読み終わり、5月下旬の角川文庫の新刊『図書館危機』もすぐ読み終わった。(2011年5月25日:「ボクらの時代」をきっかけに、有川浩の『図書館戦争』シリーズにすっかりはまる)

シリーズ完結編の第4巻『図書館革命』の文庫化は6月下旬なので、その間、待ちきれないと、有川浩の作品を漁るように読んだ。

図書館戦争シリーズのアニメ化の際の声優の一人(沢城みゆき)が属している劇団の公演を見に行ったことがきっかけで作品が生まれた、劇団をテーマにした『シアター』シリーズ。

まずは、小説の『シアター!』、『シアター!2』。

劇団シアターフラッグを主宰する弟・巧(たくみ)が、劇団の赤字で300万円の借金を抱えることになり、サラリーマンの兄・司(つかさ)に泣きつく。弟には演劇に世界から足を洗ってほしいと思っている兄は、肩代わりを了解するが、今後、2年間の劇団の収益だけで返済すること、2年間で返済できない場合は劇団を解散することを条件として突きつける。そこから、兄と弟、劇団員たちの悲喜こもごもの日々が始まる。巧と個性的な劇団員たちは、果たして2年で300万円を返せるのか。

シアター! (メディアワークス文庫)
シアター! (メディアワークス文庫)

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
シアター!2 (メディアワークス文庫)

シアターシリーズでは、モデルとなったシアター劇団子(げきだんご)が実際に公演した際のシナリオも『もう一つのシアター!』として文庫化された。
小説では、『シアター!』の話が終り、『シアター!2』の冒頭で、地方の高校から公演依頼が来てシアターフラッグが公演に行くというエピソードが挿入されているが、シナリオである『もう一つのシアター!』はその地方の高校での公演を巡るエピソードが有川浩の手でみごとに舞台化されている。

有川浩脚本集 もう一つのシアター! (メディアワークス文庫)
有川浩脚本集 もう一つのシアター! (メディアワークス文庫)

『シアター!』シリーズでは、作者有川浩は「何かを諦められる人は、それについて本気になって全力で取り組んだ人だけだ」というメッセージを伝えようとしている。本気になってそれでも自分の力が及ばないことを知ることが怖いので、本気を出し切れずにずるずるとやめきれないでいるのではないか?と問いかけている。

『シアター!』シリーズはまだ完結しておらず、話の結末が気になる。今後刊行予定の完結編『シアター!3』が待ち遠しい。

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