有川浩の図書館戦争シリーズ第4作『図書館革命』読み、アニメ『図書館戦争』のDVDを見る、『阪急電車』も読了
私が最近、夢中になって読んでいるのは有川浩だが、6月下旬に彼女の代表作「図書館戦争シリーズ」の第4作『図書館革命』の文庫版(角川文庫)が発売された。
図書館を検閲から守るための図書隊に入隊した笠原郁と彼女の教官であり上司となった堂上篤の物語の4冊目。今回は、福井にある敦賀原発がテロ組織に襲撃されたというニュースが流れるというオープニングである。似たような小説を書いた作家当麻蔵人が危険人物として良化委員会からマークされ、拘束されれば執筆の自由を奪われることになるのは確実という状況の中、図書隊が表現の自由を守るため当麻の保護を任される。
どのようにすれば、検閲に対抗して作家当麻蔵人を守れるのか。図書隊の中で、議論がされるなか、郁が何気なく発した一言で、図書隊の方針が定まり、当麻の保護作戦が始まる。手に汗握る展開は、これまでの3作がいくつかのエピソードが集まった短編集的な仕立てであったのに対し、作家当麻を守るというテーマがエンディングまで一貫した長編小説仕立てになっている。
映像化するなら、3作までは週1回の連続ドラマ、第4作はドラマが好評だったので企画された2時間ほどのスペシャルドラマか、劇場版映画といったところだろうか。
原作を第4作まで読み終わったところで、実際に映像化され作品であるアニメの『図書館戦争』シリーズのDVDを家の近くのレンタルショップで借りて来て、全5巻・計12話(各30分)を見た。
基本的にはやはり原作の第3作までのエピソードを中心に作られていて、一部は割愛し、一部新たなエピソードが追加されているが、よく原作の雰囲気を表していると思う。
ひょっとすると、原作の文庫化で再び「図書館戦争」シリーズのブームが起きれば、第4作『図書館革命』の映像化もあるかもしれない。
3ヵ月ほど前、図書館戦争シリーズの『図書館戦争』『図書館内乱』と一緒に買いながら、まだ読んでいなかった『阪急電車』もようやく読み終わった。
阪急の今津線の各駅を乗り降りする人々の何人かに焦点を当て、丹念に人物を描いていく。そして、その人々がたまたまある電車に乗り合わせたということで、言葉を交わし、それが一人の人生を少し変えていく。その人の出会いの機微を抑えた筆致でうまくあらわいているように思う。
映画化され、中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子など出演したようだ。中谷美紀と宮本信子が誰を演じるかは、いくつかみた映画の番宣や役の年齢でわかるが、果たして戸田恵梨香は誰を演じるのだろうか?また、女性の相手役となる男性も何人か登場するが。どのような配役なのだろうか。ロングランだった映画館での上映もそろそろ終りそうなので、映画を見に行くか、DVDレンタルが始まるまで待つか、考えないといけない。
<追記>映画『阪急電車』については、この記事を書いた週末に、まだ池袋で上映していた映画館があったので、池袋まで出かけて見た。原作の雰囲気がうまく映像化されている。映画を見たら、阪急今津線に乗りに行きたくなった。
| 固定リンク | 0
« 第69期名人戦七番勝負第7局、挑戦者森内俊之九段が羽生善治名人を破り3度めの名人位へ | トップページ | 第32回JT将棋日本シリーズ1回戦第4局森内俊之名人vs郷田真隆九段戦は郷田九段が勝って2回戦進出 »
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- マンガ『弱虫ペダル』大ヒットの理由を考える。主人公小野田坂道は指示待ち世代の典型?(2015.09.06)
- 期待以上のおいしいコーヒーを飲めた「ムーミン・コーヒーメーカー」(2012.12.29)
- 漫画『坂道のアポロン』ボーナス・トラックとのファンブック、ログブックを読み、アニメ『坂道のアポロン』のブルーレイディスクで見た制作関係者の本気(2012.11.23)
- 深夜アニメ『坂道のアポロン』が素晴らしい(2012.06.10)
- 有川浩の図書館戦争シリーズ第4作『図書館革命』読み、アニメ『図書館戦争』のDVDを見る、『阪急電車』も読了(2011.07.05)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マンガ『弱虫ペダル』大ヒットの理由を考える。主人公小野田坂道は指示待ち世代の典型?(2015.09.06)
- 『赤毛のアン』を読み始める(2014.09.21)
- 漫画『坂道のアポロン』ボーナス・トラックとのファンブック、ログブックを読み、アニメ『坂道のアポロン』のブルーレイディスクで見た制作関係者の本気(2012.11.23)
- 深夜アニメ『坂道のアポロン』が素晴らしい(2012.06.10)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 西野智彦著『ドキュメント通貨失政』(岩波書店、2022年)を読み終わる(2023.02.24)
- 三宅香帆著『それを読むたび思い出す』(青土社、2022年)を読み終わる (2023.02.18)
- 北条早雲(伊勢新九郎盛時)を描く『新九郎、奔る!』(ゆうきまさみ、小学館)(2021.05.22)
- 『戦乱と政変の室町時代』(渡邊大門編、柏書房)を読み終わる(2021.05.16)
- 小野不由美著『十二国記』シリーズ (新潮文庫版)を読み終わる(2015.03.01)
コメント
あの=
わたしも ありかわひろせんせいの としょかんせんそうしりーず、 だいすきなんですが・・・・(とくに どうじょうきょうかんが!)
いくのなまえ、まちがってるとおもいます。
たかはら・・・になってますよ。
どうじょうきょうかんの うたれるところ、かっこいいとおもいます。
P.S
すみません。pcのつごうで、かんじへんかん が できないんです。ひじょうに よみにくくて もうしわけありません
投稿: かふゅー | 2011年7月 9日 (土) 17時20分
かふゅーさん
ご指摘ありがとうございました。確かに、高原郁になっていたので、笠原郁に修正しました。
図書館戦争シリーズは、ぜひ第4作の図書館革命を映画化してほしいものです。
投稿: 拓庵 | 2011年7月 9日 (土) 18時12分