2011年を振り返って、「日本回帰」を感じるこの頃
12月はほとんどブログに記事を書かないまま、大晦日を迎えた。
今年2011年は、我々が住んでいる日本そのものが、東日本大震災とそれに連鎖する形で起きた福島原発事故で、大きく変ることになった。
偶然だが、私自身も大きな転機を迎えた。30年近く勤めた職場から、新しい職場に移ったのが3月1日。異動前に挨拶が出来なかった前の職場の関係者を午前中に挨拶して回り、昼食も前の職場の先輩と食べた。挨拶回りが、ようやく一段落し、翌週からはいよいよ新しい職場での最初の出張の準備を始めてしばらくたった午後2時過ぎ、東京も大きく揺れた。震度5強だった。
あれから9ヵ月余。2011年が終ろうとしている。日本での震災後、ヨーロッパではギリシャに端を発した金融危機が本格化し、リーマンショックでの金融危機からまだ脱出できない米国と世界は閉塞感の中にある。欧米では、バブル崩壊後に日本の金融・経済が歩んだ道を、現在、米国や欧州の経済・金融がなぞるように進んでいることを評して「日本化」と言われているいるという。
日本経済よりも、遙かに先進的だったはずの米国、欧州の経済が、結局は、日本の後追いをしているというのは、何とも奇妙な感覚である。我々が手本としてきた欧米型の資本主義のデフェクトスタンダードはいったい何だったのだろうか?多くの人がそう思っているに違いない。
最近の日本の雰囲気として感じるのは、ひとことで言えば「日本回帰」だ。
東日本大震災と福島原発事故という未曾有の大災害の中、日本人が自分たち自身で協力しなければならず、そこには、資本主義の原則では割り切れない「人のために無償で何かをする」という行為が不可欠である。そういう思いを多くの日本人が感じ、行動し、その姿が海外で高い評価を受けることで、少し日本人としての誇りと自信を取り戻してきているような気がする。
最近のテレビやマスコミを見ていると、気のせいかしれないが、日本の文化や伝統を見直すような内容のものが増えているような気がする。1945年8月15日に太平洋戦争に敗れてから、日本の文化や伝統は、軍国日本と同一視される形で否定されることはあれ、見直される機運が生じることはなく、むしろ風化していく一方だったように思う。
しかし、最近では、日本のアニメが海外でもてはやされ、CoolJapanと呼ばれ、レディーガガのような海外のトップスターが「日本が好き」という。実は、日本という国は、自分たちが卑下するほど、悪い国ではないのではないか?と、多くの人が感じたとしても不思議ではない。
2012年が本当に「日本回帰」の1年になるのか、よく見ていきたいと思う。
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