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2012年1月 7日 (土)

第37期棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局、郷田真隆九段が広瀬章人七段を破り、挑戦者に

2012年もあけたばかりの1月6日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で、第37期棋王戦の挑戦者決定二番勝負第2局が行われた。
本戦を勝ち抜いた郷田真隆九段と敗者復活戦から勝ち上がった広瀬章人七段の対戦。郷田は二番勝負で1勝すれば挑戦決定、広瀬は2連勝が挑戦の条件である。

今回の棋王戦の挑戦者決定トーナメントでの郷田vs広瀬戦は3戦目である。まず、約1ヵ月前の昨年2011年12月2日の本戦決勝で、先手広瀬七段の四間飛車穴熊を後手番だった郷田九段が居飛車穴熊で戦い、郷田が勝って、本戦勝者としてこの挑戦者決定二番勝負に駒を進めた。
一方の広瀬七段は本戦のベスト4以上進出者の敗者で争う敗者復活戦に回った。敗者復活戦では、まず本戦準決勝で敗れた中川大輔八段と糸谷哲郎五段が戦い、勝ち残った糸谷と広瀬が戦い、広瀬が勝って挑戦者決定二番勝負で郷田と再びまみえることとなった。
昨年末の12月26日に行われた二番勝負の第1局では後手番の広瀬が中飛車穴熊を採用、郷田を破り、挑戦者決定は年明けに持ち越された。

ベスト4以上2敗失格制となる棋王戦の挑戦者決定の仕組み。第1局に広瀬が勝ったことで、郷田・広瀬ともに1敗を喫したことになり、この第2局で勝った方が、挑戦者となる。

郷田九段は、過去5回挑戦者決定二番勝負まで進んでいるが、1998年の第23期に敗者復活戦から勝ち上がり南九段に2連勝して羽生善治棋王に挑戦(1勝3敗で敗退)して以降、4回二番勝負まで駒を進めたが、いずれも二番勝負で敗退している。
特に、今回同様本戦の勝者として二番勝負に臨んだ2001年の第26期、2003年の第28期では、本戦勝者のアドバンテージをいかせず、第26期は現久保利明棋王(当時六段)に、第28期には丸山忠久九段に敗れている。

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(出所:中継ブログ「棋王戦plus」)

今期も、本戦を勝ち上がりながら、二番勝負の初戦を落としており、郷田ファンとしては嫌な予感もよぎる。

第2局は振り駒で広瀬七段の先手。広瀬七段は第1局でも勝利をつかんだ中飛車を選択。郷田九段は居飛車で迎え撃つ。広瀬七段は第1局で選択した穴熊で守らず、美濃囲いに。
途中、郷田九段が角交換の後に自陣に打った角が、広瀬七段に追い詰められ、角銀交換を余儀なくされた。素人目には駒損で郷田不利と思われたが、その代償に郷田九段は飛車先の△8七歩成でのと金作りにを果たす。玉から遠い8筋とはいえ、△7七と金、△8八飛成と続くと、第1局の穴熊と違い金銀1枚づつの片美濃では、広瀬玉は一気の危機を迎える。
それを思ってか、広瀬七段は攻め手を繰り出すが、かえって歩切れに陥ってしまう。郷田九段は広瀬七段の攻めを手抜いて「△7七と金」を敢行、広瀬七段の桂取りの▲9五角打ちも手抜きをして「△8八飛成」も敢行。
広瀬七段も▲7三角成と桂馬を取って馬を作ったが、郷田玉には遠い。その手を見て、郷田九段は美濃崩しに着手。一気に、広瀬玉を守っていた金銀を玉から剥がし、玉の横腹をこじ開け、郷田の竜と広瀬玉を遮るために▲7八に打たれていた歩を「△7八と金」と取り、次に「△6九と金」の王手飛車取りをやるぞと見せたところで、広瀬七段が投了。郷田九段の挑戦が決まった。

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(出所:中継ブログ「棋王戦plus」)

2012年1月6日第37期棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局 郷田九段対広瀬七段の棋譜
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/37/kiou201201060101.html

郷田九段にとっては、2009年の第67期名人戦七番勝負で羽生善治名人(当時)に3勝4敗で敗れて以来、約3年ぶりのタイトル挑戦となる。
これまで郷田九段は主に大先輩である谷川浩司九段、同世代の佐藤康光九段、羽生善治二冠(王位・棋聖)、森内俊之名人とタイトル戦で戦ってきた。年下の棋士との戦いは、二度目のタイトル獲得となった1998年の第69期棋聖戦五番勝負での屋敷伸之九段との戦いだけである。
今回の相手は年下の久保利明棋王(王将)。久保二冠は、羽生二冠を中心とする羽生世代の厚い壁になかなかタイトルに手が届かなかったが、2009年2月~3月で実施された2008年度の第34期棋王戦五番勝負で3勝2敗で当時の佐藤康光棋王からタイトル奪取に成功。翌2009年度には王将戦の挑戦者にもなり羽生王将から4勝2敗で王将位も奪い取り二冠。さらに続けて、第35期棋王戦でもリターンマッチを挑んできた佐藤康光九段を退け、二冠を守った。
昨2010年度は王将戦の挑戦者が豊島将之六段、棋王戦が渡辺明竜王と年下の挑戦者を迎え、両方のタイトルを防衛。二年間二冠を維持し、将棋界のトップの一角を占める存在となった。
今期2011年度は王将戦の挑戦者が佐藤康光九段、棋王戦の挑戦者が郷田真隆九段と「羽生世代」の2人を迎える。
私が応援する郷田九段と久保棋王の対戦成績は2001年度以降で見ると郷田11勝、久保12勝と拮抗している。2009年度以降の約3年は郷田九段から見ると1勝6敗とやや分が悪いが、この時期は上記のように久保二冠がタイトル奪取から二冠の獲得と最も充実していた時期。一方、郷田九段は2009年度には、羽生名人(当時)との第67期名人戦で3勝2敗として羽生をカド番まで追い込みながら、名人位を奪えなかったのが響いたのか、39戦で16勝21敗と棋士になって初めて負け越した年でもある。
ここ2年郷田九段が復調傾向にある中、久保二冠は今年度2011年度は現在15勝13敗とかろうじて勝率5割をを上回っている状況で、必ずしも万全と言えない。

その中で、この1~3月で佐藤九段との王将戦七番勝負と郷田九段との棋王戦五番勝負をほぼ同時並行で戦い、さらに、1勝5敗と陥落の危機にあるA級順位戦の残り3局もここに重なってくる。最低でも、タイトル戦とA級順位戦で計11局は指さねばならない。
棋王戦に関しては、郷田九段にも十分勝機はあると思っている。4つめのタイトルに向け、頑張れ郷田九段!!

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コメント

はじめまして。
私も郷田九段を応援しています。
久保二冠は強敵ですが、是非ともタイトル奪取してほしいものです。
いい将棋を期待しています。

投稿: 桂馬 | 2012年1月 7日 (土) 20時09分

やったぁ~!名人戦が終わってから長かった。タイトル戦は楽しみですね。飛車を振る郷田九段が見られるかもしれないと密かに期待しています!

投稿: 郷田九段を応援しています | 2012年1月 7日 (土) 22時07分

「桂馬」さん、
「郷田九段を応援しています」さん

コメントありがとうございます。

郷田九段は3月17日が誕生日です。奇しくも、今回の棋王戦五番勝負の第4局が3月17日。41歳の誕生日に棋王タイトル獲得となれば素晴らしいですね。(もちろん3連勝での獲得も大歓迎ですが)

投稿: 拓庵 | 2012年1月 8日 (日) 18時18分

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