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2012年1月19日 (木)

第70期A級順位戦7回戦郷田真隆九段vs丸山忠久九段戦は、郷田九段が勝ってA級残留を決める

棋のA級順位戦も7回戦を迎え、挑戦と降級の候補者が徐々に絞られてきた。
1月12日に行われた7回戦第1局で6連勝中だった羽生善治二冠(王位・棋聖)が、1勝5敗と降級の危機のある久保利明二冠(棋王・王将)を破り、連勝を7まで伸ばした。これで、すでに3敗していた郷田九段、三浦八段、佐藤九段、屋敷九段の名人挑戦の可能性はなくなり、挑戦の可能性が残るのは、7連勝の羽生に加え、ここまで1敗の谷川浩司九段と2敗の渡辺明竜王の3名に絞られた。
1月16日の7回戦第2局の渡辺竜王vs高橋道雄九段戦は、渡辺竜王が2敗を守り、挑戦レースに踏みとどまった。敗れた高橋九段は久保二冠とともに1勝6敗となり、降級圏から抜け出せない。

今日(2012年1月19日)の7回戦第3局は郷田真隆九段と丸山忠久九段の対戦。郷田九段はここまで3勝3敗。一方、丸山九段は1勝5敗。郷田九段は勝って4勝目を上げれば、高橋九段、丸山九段、久保二冠の3人が1勝6敗となるため、今期のA級での7位以上が確定し、残留が決まる。
一方、丸山九段としては、高橋九段の今期の順位が自分(6位)より上位の3位であり、2人が同成績で並んだ場合、自分が下位となることから、高橋より勝ち星で上回っておきたい。

郷田九段の先手で横歩取りに進んだ将棋は、中盤で郷田九段に新手が出る。長考の応酬となったが、丸山九段の飛車を押さえ込みに成功にした郷田九段が徐々に優位を拡大し、丸山九段にほとんど攻めらしい攻めをさせないまま押し切った。
郷田九段は4勝3敗となり7回戦でA級残留を確定させた。2月、3月で久保棋王へ挑戦する棋王戦五番勝負が控えていることを思えば、ここでの残留確定は、棋王戦に集中できる環境がひとつ整ったことになる。また、来期のA級在籍を確定させたことで、A級在籍が節目となる通算10期となる。

一方、丸山九段は高橋九段、久保二冠とともに1勝6敗となった。まだ7回戦を終えていない4人は谷川九段が5勝1敗、三浦八段、佐藤九段、屋敷九段の3人が3勝3敗。5勝の谷川九段は既に残留を決めており、今期A級の順位が5位の三浦八段も残り2戦を全敗し3勝6敗となっても、6位の丸山九段と8位の久保二冠が自分の成績を上回ることはなくなり残留が決まった。

残る7回戦は明日(1月20日)に谷川vs屋敷戦、三浦vs佐藤戦が行われる。ここで、順位10位の屋敷、順位9位の佐藤が勝ってともに4勝めを上げれば、この2人の残留も決まり、降級は1勝6敗の高橋、丸山、久保で争われることになる。この3人のうち、久保、
丸山は8回戦で負けたらそこで降級が決まり、勝っても、9回戦に丸山vs久保戦が組まれており、そこでの敗者は降級が確定する。
1勝6敗の3名の棋士にとっては、胃の痛い2月、3月になりそうである。

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コメント

A級残留確定!とりあえずほっとしました。
これで来月から始まる棋王戦に集中できますね。でも一番長い日の羽生二冠戦も勝ってほしい…。

投稿: 桂馬 | 2012年1月20日 (金) 23時02分

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