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2012年1月の記事

2012年1月28日 (土)

郷田真隆九段が竜王戦1組ランキング戦で阿部隆八段、王座戦二次予選2回戦で青野照市九段を連破

今年(2012年)の年始早々、第37期棋王戦での久保棋王への挑戦を決めた郷田真隆九段。その後も、朝日杯オープンでも公開対局となる準決勝進出を決め、A級順位戦7回戦でも宿敵丸山忠久九段を破り4勝目をあげ、2戦を残してA級残留を決めるなど好調を維持している。

竜王戦は、昨年(2011年)秋、渡辺明竜王が挑戦者の丸山忠久九段を4勝1敗で退け、自らの連覇の記録を8まで伸ばした。
今年に入り、竜王戦1組でも第25期の七番勝負で渡辺竜王への挑戦者を決める決勝トーナメントへの出場者を決めるランキング戦が始まった。
いわば予選の最上位にあたる1組は16名の棋士がトーナメントを戦い、5名の決勝T進出者を決める。2敗失格制で1組トーナメントの優勝者・準優勝者に加え、1回戦敗退者、2回戦敗退者、準決勝敗退者の敗者復活戦の勝ち抜き者がそれぞれ5位、4位、3位となる。

既に1回戦の2局が終了し、山崎隆之七段(三浦弘行八段に勝ち)と飯島栄治七段(森内俊之名人に勝ち)が2回戦を決めている。
1月24日に、1回戦3局目となる郷田真隆九段vs阿部隆八段の対戦が行われ、郷田九段が勝ち、2回戦に駒を進めた。

王座戦は羽生善治前王座が前人未踏の19連覇で昨年9月に渡辺竜王を挑戦者に迎えた第59期王座戦五番勝負で、挑戦者渡辺竜王が3連勝でタイトルを奪取。羽生王座20連覇を阻んだ。
王座戦挑戦者は16名の決勝トーナメントで挑戦者を決めるが、前期のベスト4とタイトル保持者がシード。今期のシードは、前期ベスト4で羽生、久保、丸山、屋敷。タイトル資格で森内、広瀬の計6名。残り10名の枠を二次予選で、シード以外のA級、B級1組・2組在籍者と一次予選勝ち抜き者で争う。
昨日(1月27日)は、王座戦の二次予選7組の2回戦で郷田九段が青野照市九段を破って、二次予選7組の決勝へ進み、鈴木大介八段と決勝トーナメント入りを争う。

郷田九段はこれで今年度36戦で23勝。対局数ランキングで16位、勝数ランキングで13位、勝率も0.6389まで上がってきた。今後、年度末までに、棋王戦五番勝負で少なくとも3局、朝日杯オープン準決勝、A級順位戦8回戦・9回戦の計6局は既に日程が決まっているし、2月に入ればシードされている棋聖戦の決勝トーナメントも始まる。竜王戦ランキング戦1組2回戦、王座戦の二次予選決勝も年度内の可能性が高い。さらに、朝日オープンは勝てば、その日に決勝を戦う。年度の対局数は42までは確実で、45戦前後まで増える可能性がある。

年度内の残る対局を全て勝って、棋王タイトルの獲得、朝日杯オープン優勝を飾り、対局数・勝数・勝率のランクも更に上げて、左記3ランキングの平均値で出場が決まる来年度のネット将棋最強戦の出場資格も確実にしておいてもらいたいものである。

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2012年1月24日 (火)

2012年1月、雪の日比谷公園・雲形池のお気に入りの1枚

最近は、毎朝、通勤で通る日比谷公園の中で、鶴の噴水がある「雲形池」の日々のスナップ写真を何枚か撮るのが日課になっている。

先日、1月24日には東京でも雪が降り、4cm積もったとニュースが伝えていた。こんな日の日比谷公園はどうなっているのだろうと、楽しみのしていると、いつもとは全く違う趣きだった。

公園のほとんどの木は葉が落ちて、枯れ枝だけになっていたのだが、そこに雪が積もって、白い花が咲いたようだった。雲形池の周りも雪が積もり、いつもと風景がちがう。
何人もの写真愛好家がカメラを構えて雪の雲形池、鶴の噴水にレンズを向けていた。何ヵ所か場所を動き、いろいろな角度から池の姿を撮ったが、一番気に入った一枚が次の写真だ。

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空の青に、緑の松、木々に積もった雪のコントラスト。時折、思いもしない写真を撮れるので、なんともやめられない。
(2012年1月30日記)

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2012年1月21日 (土)

第70期A級順位戦7回戦終了、佐藤康光九段、屋敷伸之九段が残留決める。

第70期A級順位戦7回戦は2012年1月12日の第1局羽生二冠(王位・棋聖)対久保利明二冠(棋王・王将)戦から始まり、渡辺竜王対高橋九段、郷田九段対丸山九段戦と続き、昨日(2012年1月20日)に、大阪で谷川浩司九段対屋敷伸之九段戦、東京で三浦弘行八段対佐藤康光九段戦が行われた。

大阪の戦いは、1敗で全勝の羽生二冠を追う谷川九段と今期初めてA級に昇級した屋敷伸之九段。
谷川九段は8回戦で羽生二冠との直接対決があり、1敗のまま羽生戦を迎え、自利挑戦の可能性を残すためにも負けるわけにはいかない。一方、前期B級1組2位でA級10位に昇級した屋敷九段はここまで3勝3敗。すでに7回戦第3局までで1勝6敗の棋士が3名でており、残留の確率はかなり高いが、あと1勝すればA級残留が確定する。
東京の戦いは、ともに3勝3敗の二人の戦い。今期A級順位が5位の三浦八段はすでに残留が決まり、順位9位の佐藤九段は、屋敷九段同様の立場で1勝で残留が確定する。

先に決着がついたのは、大阪の戦い。後手の谷川九段がゴキゲン中飛車に構え、先手の屋敷九段が超速▲3七銀戦法で迎え撃つ。両者が穴熊で守りを固めた上で戦いが始まった。両者が馬を作り攻め合う。しかし、谷川九段が攻めあぐねる中、屋敷九段の方が、着実に攻めの拠点を築き、屋敷の本格的攻勢が始まる前に、日付が変る前に見込みなしとして谷川九段が投了。この時点で屋敷九段のA級残留を決めた。

東京の戦いは、佐藤九段の先手で横歩取りに進む。三浦八段は左右両方の桂馬を佐藤陣の57の地点に相次ぎ成りこませ、佐藤陣を乱したが、決定打までには至らない。佐藤の逆襲を受け三浦玉は追い詰められ、三浦八段の投了となった。佐藤は4勝3敗として残留を決めた。

この結果、7回戦を終えた時点でのA級棋士10名の成績は以下の通り。( )内は今期のA級の順位。
7勝:羽生二冠(1)
5勝2敗:渡辺竜王(2)、谷川九段(7)
4勝3敗:郷田九段(4)、佐藤九段(9)、屋敷九段(10)
3勝4敗:三浦八段(5)
1勝6敗:高橋九段(3)、丸山九段(6)、久保二冠(8)

名人挑戦については、5勝2敗の2人は、羽生が2残り2戦を2連敗し、自分が2連勝した場合にのみプレーオフの可能性がある他力本願の状態。8回戦の羽生対谷川戦で谷川が羽生に土をつけ、挑戦者決定を最終戦までもちこめるかが焦点になる。

降級者の2枠は6敗の3名に絞られた。
8回戦、9回戦の3名の対戦相手は
8回戦:久保二冠対佐藤九段、丸山九段対渡辺竜王、高橋九段対屋敷九段
9回戦:久保二冠対丸山九段、高橋九段対谷川九段

順位上、最上位の高橋九段が有利に見えるが、丸山九段と久保二冠は9回戦で直接対決があり、どちらが必ず勝つので、残留の条件は少し複雑だ。

高橋九段は残り2戦を2連勝できれば、自力で残留を決められる。
高橋が8回戦を勝った場合は、丸山、久保は負けると陥落が決まる。8回戦、高橋が勝ち、丸山・久保の両方が負けた場合は、陥落は丸山・久保で決まってしまう。
一方、高橋が8回戦に負けて、丸山・久保の両者が勝つと、そこで高橋の降級が決まり、9回戦の丸山・久保の勝者に来期のA級8位の椅子が回る。

A級順位戦8回戦は、王将戦、棋王戦の番勝負、朝日杯オープンの公開対局等の合間をぬうように、2月1日(水)にいっせいに行われる。

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2012年1月19日 (木)

第70期A級順位戦7回戦郷田真隆九段vs丸山忠久九段戦は、郷田九段が勝ってA級残留を決める

棋のA級順位戦も7回戦を迎え、挑戦と降級の候補者が徐々に絞られてきた。
1月12日に行われた7回戦第1局で6連勝中だった羽生善治二冠(王位・棋聖)が、1勝5敗と降級の危機のある久保利明二冠(棋王・王将)を破り、連勝を7まで伸ばした。これで、すでに3敗していた郷田九段、三浦八段、佐藤九段、屋敷九段の名人挑戦の可能性はなくなり、挑戦の可能性が残るのは、7連勝の羽生に加え、ここまで1敗の谷川浩司九段と2敗の渡辺明竜王の3名に絞られた。
1月16日の7回戦第2局の渡辺竜王vs高橋道雄九段戦は、渡辺竜王が2敗を守り、挑戦レースに踏みとどまった。敗れた高橋九段は久保二冠とともに1勝6敗となり、降級圏から抜け出せない。

今日(2012年1月19日)の7回戦第3局は郷田真隆九段と丸山忠久九段の対戦。郷田九段はここまで3勝3敗。一方、丸山九段は1勝5敗。郷田九段は勝って4勝目を上げれば、高橋九段、丸山九段、久保二冠の3人が1勝6敗となるため、今期のA級での7位以上が確定し、残留が決まる。
一方、丸山九段としては、高橋九段の今期の順位が自分(6位)より上位の3位であり、2人が同成績で並んだ場合、自分が下位となることから、高橋より勝ち星で上回っておきたい。

郷田九段の先手で横歩取りに進んだ将棋は、中盤で郷田九段に新手が出る。長考の応酬となったが、丸山九段の飛車を押さえ込みに成功にした郷田九段が徐々に優位を拡大し、丸山九段にほとんど攻めらしい攻めをさせないまま押し切った。
郷田九段は4勝3敗となり7回戦でA級残留を確定させた。2月、3月で久保棋王へ挑戦する棋王戦五番勝負が控えていることを思えば、ここでの残留確定は、棋王戦に集中できる環境がひとつ整ったことになる。また、来期のA級在籍を確定させたことで、A級在籍が節目となる通算10期となる。

一方、丸山九段は高橋九段、久保二冠とともに1勝6敗となった。まだ7回戦を終えていない4人は谷川九段が5勝1敗、三浦八段、佐藤九段、屋敷九段の3人が3勝3敗。5勝の谷川九段は既に残留を決めており、今期A級の順位が5位の三浦八段も残り2戦を全敗し3勝6敗となっても、6位の丸山九段と8位の久保二冠が自分の成績を上回ることはなくなり残留が決まった。

残る7回戦は明日(1月20日)に谷川vs屋敷戦、三浦vs佐藤戦が行われる。ここで、順位10位の屋敷、順位9位の佐藤が勝ってともに4勝めを上げれば、この2人の残留も決まり、降級は1勝6敗の高橋、丸山、久保で争われることになる。この3人のうち、久保、
丸山は8回戦で負けたらそこで降級が決まり、勝っても、9回戦に丸山vs久保戦が組まれており、そこでの敗者は降級が確定する。
1勝6敗の3名の棋士にとっては、胃の痛い2月、3月になりそうである。

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2012年1月12日 (木)

郷田真隆九段、第5回朝日杯将棋オープンで2年連続のベスト4進出決める

将棋の第5回朝日杯オープンは、1次予選、2次予選を終え、昨年末から2次予選勝ち抜き者とシード棋士計16名による本戦トーナメントが始まった。
すでに、羽生善治二冠、広瀬章人七段がベスト4進出を決めている。

今日(2012年1月12日)は、3人目のベスト4進出者を決める戦い。上位16名に残った高橋道雄九段と郷田真隆九段、谷川浩司九段と佐藤康光九段がそれぞれ午前中に対戦し、勝者が午後対戦して3人目のベスト4が決まる。

他の山には順位戦で下位のクラスに所属する棋士がいたりするのだが、今日の4人は全員A級棋士でタイトル獲得経験ありという重厚な布陣で、誰が勝ち残ってもおかしくない。

結局、午前中はそれぞれ、早指戦としは長手数の総力戦(谷川・佐藤戦202手、高橋・郷田戦180手)となり、佐藤九段と郷田九段の二人が残った。

谷川九段対佐藤九段戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/5/asahi201201120101.html

高橋九段対郷田九段戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/5/asahi201201120201.html

午後はこの佐藤九段と郷田九段の戦いとなった。先手佐藤九段の中飛車に対し後手の郷田九段が居飛車で迎えうつ。
途中、ネット解説によれば佐藤九段に詰み筋があったが、佐藤九段は別の詰み筋もあると勘違いし、その手を指ししたため詰まず、佐藤九段が投了、逆転で郷田九段が2年連続でベスト4進出を決めた。

佐藤九段対郷田九段戦の棋譜:http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/5/asahi201201120301.html

公開対局となる準決勝では、この年末年始に棋王戦の挑戦権を争った広瀬章人七段と決勝進出をかけて戦う。

これまでだと、準決勝・決勝は2月に有楽町マリオンで公開対局で行われ、観戦者の募集がある。昨年も郷田九段の勇姿を見ようと応募したが落選。今年こそ、マリオンで観戦したいものだ。

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2012年1月 7日 (土)

第37期棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局、郷田真隆九段が広瀬章人七段を破り、挑戦者に

2012年もあけたばかりの1月6日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で、第37期棋王戦の挑戦者決定二番勝負第2局が行われた。
本戦を勝ち抜いた郷田真隆九段と敗者復活戦から勝ち上がった広瀬章人七段の対戦。郷田は二番勝負で1勝すれば挑戦決定、広瀬は2連勝が挑戦の条件である。

今回の棋王戦の挑戦者決定トーナメントでの郷田vs広瀬戦は3戦目である。まず、約1ヵ月前の昨年2011年12月2日の本戦決勝で、先手広瀬七段の四間飛車穴熊を後手番だった郷田九段が居飛車穴熊で戦い、郷田が勝って、本戦勝者としてこの挑戦者決定二番勝負に駒を進めた。
一方の広瀬七段は本戦のベスト4以上進出者の敗者で争う敗者復活戦に回った。敗者復活戦では、まず本戦準決勝で敗れた中川大輔八段と糸谷哲郎五段が戦い、勝ち残った糸谷と広瀬が戦い、広瀬が勝って挑戦者決定二番勝負で郷田と再びまみえることとなった。
昨年末の12月26日に行われた二番勝負の第1局では後手番の広瀬が中飛車穴熊を採用、郷田を破り、挑戦者決定は年明けに持ち越された。

ベスト4以上2敗失格制となる棋王戦の挑戦者決定の仕組み。第1局に広瀬が勝ったことで、郷田・広瀬ともに1敗を喫したことになり、この第2局で勝った方が、挑戦者となる。

郷田九段は、過去5回挑戦者決定二番勝負まで進んでいるが、1998年の第23期に敗者復活戦から勝ち上がり南九段に2連勝して羽生善治棋王に挑戦(1勝3敗で敗退)して以降、4回二番勝負まで駒を進めたが、いずれも二番勝負で敗退している。
特に、今回同様本戦の勝者として二番勝負に臨んだ2001年の第26期、2003年の第28期では、本戦勝者のアドバンテージをいかせず、第26期は現久保利明棋王(当時六段)に、第28期には丸山忠久九段に敗れている。

Photo

(出所:中継ブログ「棋王戦plus」)

今期も、本戦を勝ち上がりながら、二番勝負の初戦を落としており、郷田ファンとしては嫌な予感もよぎる。

第2局は振り駒で広瀬七段の先手。広瀬七段は第1局でも勝利をつかんだ中飛車を選択。郷田九段は居飛車で迎え撃つ。広瀬七段は第1局で選択した穴熊で守らず、美濃囲いに。
途中、郷田九段が角交換の後に自陣に打った角が、広瀬七段に追い詰められ、角銀交換を余儀なくされた。素人目には駒損で郷田不利と思われたが、その代償に郷田九段は飛車先の△8七歩成でのと金作りにを果たす。玉から遠い8筋とはいえ、△7七と金、△8八飛成と続くと、第1局の穴熊と違い金銀1枚づつの片美濃では、広瀬玉は一気の危機を迎える。
それを思ってか、広瀬七段は攻め手を繰り出すが、かえって歩切れに陥ってしまう。郷田九段は広瀬七段の攻めを手抜いて「△7七と金」を敢行、広瀬七段の桂取りの▲9五角打ちも手抜きをして「△8八飛成」も敢行。
広瀬七段も▲7三角成と桂馬を取って馬を作ったが、郷田玉には遠い。その手を見て、郷田九段は美濃崩しに着手。一気に、広瀬玉を守っていた金銀を玉から剥がし、玉の横腹をこじ開け、郷田の竜と広瀬玉を遮るために▲7八に打たれていた歩を「△7八と金」と取り、次に「△6九と金」の王手飛車取りをやるぞと見せたところで、広瀬七段が投了。郷田九段の挑戦が決まった。

Photo
(出所:中継ブログ「棋王戦plus」)

2012年1月6日第37期棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局 郷田九段対広瀬七段の棋譜
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/37/kiou201201060101.html

郷田九段にとっては、2009年の第67期名人戦七番勝負で羽生善治名人(当時)に3勝4敗で敗れて以来、約3年ぶりのタイトル挑戦となる。
これまで郷田九段は主に大先輩である谷川浩司九段、同世代の佐藤康光九段、羽生善治二冠(王位・棋聖)、森内俊之名人とタイトル戦で戦ってきた。年下の棋士との戦いは、二度目のタイトル獲得となった1998年の第69期棋聖戦五番勝負での屋敷伸之九段との戦いだけである。
今回の相手は年下の久保利明棋王(王将)。久保二冠は、羽生二冠を中心とする羽生世代の厚い壁になかなかタイトルに手が届かなかったが、2009年2月~3月で実施された2008年度の第34期棋王戦五番勝負で3勝2敗で当時の佐藤康光棋王からタイトル奪取に成功。翌2009年度には王将戦の挑戦者にもなり羽生王将から4勝2敗で王将位も奪い取り二冠。さらに続けて、第35期棋王戦でもリターンマッチを挑んできた佐藤康光九段を退け、二冠を守った。
昨2010年度は王将戦の挑戦者が豊島将之六段、棋王戦が渡辺明竜王と年下の挑戦者を迎え、両方のタイトルを防衛。二年間二冠を維持し、将棋界のトップの一角を占める存在となった。
今期2011年度は王将戦の挑戦者が佐藤康光九段、棋王戦の挑戦者が郷田真隆九段と「羽生世代」の2人を迎える。
私が応援する郷田九段と久保棋王の対戦成績は2001年度以降で見ると郷田11勝、久保12勝と拮抗している。2009年度以降の約3年は郷田九段から見ると1勝6敗とやや分が悪いが、この時期は上記のように久保二冠がタイトル奪取から二冠の獲得と最も充実していた時期。一方、郷田九段は2009年度には、羽生名人(当時)との第67期名人戦で3勝2敗として羽生をカド番まで追い込みながら、名人位を奪えなかったのが響いたのか、39戦で16勝21敗と棋士になって初めて負け越した年でもある。
ここ2年郷田九段が復調傾向にある中、久保二冠は今年度2011年度は現在15勝13敗とかろうじて勝率5割をを上回っている状況で、必ずしも万全と言えない。

その中で、この1~3月で佐藤九段との王将戦七番勝負と郷田九段との棋王戦五番勝負をほぼ同時並行で戦い、さらに、1勝5敗と陥落の危機にあるA級順位戦の残り3局もここに重なってくる。最低でも、タイトル戦とA級順位戦で計11局は指さねばならない。
棋王戦に関しては、郷田九段にも十分勝機はあると思っている。4つめのタイトルに向け、頑張れ郷田九段!!

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2012年1月 4日 (水)

2012年の新年は、NHKの「コロンビア白熱教室」を見てすごす

自分としては、なぜだかよくわからないのだが、例年になく年末年始という季節感が感じられないまま、過ぎた1週間だった。

その中で、あえて何かやったことを上げれば、NHKのEテレで放送された、「コロンビア白熱教室」と「スタンフォード白熱教室@大阪大学」の2つの講義を見たことだ。
ここでは、中でも、得に印象深かった、「コロンビア白熱教室」

「コロンビア白熱教室」は、最初12月25日(日)の午後6時から5回シリーズの第5回を見た。講師はコロンビア大学のビジネス・スクールのシーナ・エイジンガー教授。昨年、日本で翻訳された『選択の科学』が話題になっている。第5回のタイトルは「幸福になるための技術」。
エイジンガー教授の研究テーマである「選択」についての考察の締めくくりとして、「自分がなした選択を幸福に結びつけるためには、行った「選択」が幸福に繋がるような選択を積み重ねていくことが大切」という内容だった。
『選択の科学』は、前々から書店出で見て、気になっている本の1冊だったが、何故か買うまでには至らず、年末を迎えていた。
しかし、第5回の内容は、常々、自分が考えていたことと合致したので、何とか既に放送された4回分がネットのどこかにアップされていないか探し、中国系の動画共有サイト「Youku」で見つけ、1週間の休みの間に、順次全ての回を見た。

各回のタイトルは
第1回「あなたの人生を決めるのは偶然?選択?」
第2回「選択しているのは本当にあなた自身?」
第3回「選択日記のすすめ」
第4回「あふれる選択肢:どう選ぶか」
第5回「幸福になるための技術」

第1回で、自分の人生を運命や偶然に委ねるのと、自ら選択することの違いを説くことから始まり、いかに人生において「選択」ということが大切かを説明する。
その後、第2回では、自分が行う「選択」が本当に自分自身の判断で行っているものなのか、自分の属する地域や国の文化・伝統を受けた結果かのか等について論じる。
第3回では選択を記録して振り返ることを勧め、第4回ではあまりに多すぎる選択はかえって、選択をしづらくすると説く。

どの回のテーマも、学生との対話、各種の調査や実験結果を交えて語っていて、見ているものを退屈させないし、自分の学生の一人になってその場で、講義を聴講しているような気分にさせてくれる。

「コロンビア白熱教室」番組概要
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/columbia/about.html

個人の経験に基づいて人生論として語られがちなテーマだが、各種の実験や調査による裏付けを示して語ることで、学問として研究テーマになっている。
できれば、春休みにでも、NHKが再度、再放送をしてくれることを期待したい。

書籍の『選択の科学』をあわせて読んで、アイエンガー理論をさらに詳しく学ぶことにしたい。

シーナ・アイエンガー
文藝春秋
発売日:2010-11-12

(2012年1月31日追記)2012年2月5日(日)からアンコール放送が行われることになった。放映時間は午後6時から。見逃された方は、見るといいと思う。

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