« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月の記事

2012年3月18日 (日)

第37期棋王戦五番勝負第4局、挑戦者の郷田真隆九段が勝って棋王位奪取、41歳の誕生日に花を添える

挑戦者の郷田真隆九段が2勝1敗で迎えた第37期棋王戦五番勝負第4局が、昨日、宇都宮市で行われ、郷田九段が久保利明棋王に勝って棋王タイトルの奪取を決めた。
折しも、第4局の開催日2012年3月17日は郷田九段の41歳の誕生日。約10年ぶりのタイトル獲得で誕生日に花を添えた。

20120317syuusei
(出所:中継ブログ「棋王戦中継plus」)

挑戦を受ける側の久保棋王は、年明け以降、王将戦、棋王戦のダブル防衛戦に加え、不調のA級順位戦での残留をかけた7〜9回戦が重なるハードスケジュール。合間には、他の棋戦の対局もある。
振飛車党の盟主として、棋王、王将を相次いで獲得し、ここ2年間は、二冠のA級棋士として将棋界を代表する地位にあったが、昨年後半からの不調から立ち直れないまま、新年を迎え、一時、持ち直したかに見えたものの、3月に入り、A級陥落、王将位失冠が決まり、残るは棋王タイトルだけとなって昨日の第4局を迎えた。

一方、挑戦者の郷田九段は、羽生善治、佐藤康光、森内俊之と奨励会同期の同世代。四段昇段は遅れをとったものの、四段で王位タイトルを獲得。同世代の中では、羽生に次ぐタイトル獲得で、その後も棋聖を2期獲得している。
しかし、羽生が七冠を制し将棋界の盟主となり、佐藤、森内もタイトル獲得重ね、永世棋聖や十八世名人の資格を得たのに対し、郷田は、獲得したタイトルの防衛にはいずれも失敗し、A級定着にも時間を要するなど、他の三人が充実した三十代前半を過ごしたのに対し、不本意な成績しか残せない時期が数年続いた。
さらに、奨励会では後輩ながら、同学年の藤井猛、丸山忠久の二人が竜王や名人といったビックタイトルを獲得して台頭し、同世代間の生き残り競争が続いた。

居飛車の本格派である郷田は、その時々の流行戦法に追随することはせず、むしろ受けて立った。それ故、流行戦法の出始めの時期にはどうしても、分が悪い。
しかし、研究を重ね、三十代後半にはA級に定着、第65期、第67期の名人戦七番勝負では当時の森内名人、羽生名人に対し3勝し、最終戦までタイトルを争ったが一歩及ばなかった。
四十代となり、ほぼ3年ぶりのタイトル挑戦となった今回の棋王戦は、心中期するものがあったに違いない。

棋王戦第4局は、先手の久保棋王が先手番での定番戦法、石田流三間飛車を採用。急戦から駒損覚悟で捌きを狙って、それを郷田九段に咎められ自滅気味だった第2局、第3局を反省してか、じっくりとした戦いになった。久保が飛車、角をうまく捌けるか、郷田がそれをかわし逆襲するかのつばぜり合いが続いた。

結局、郷田九段が久保棋王の攻めをかわしつつ、自陣の守りも固め、久保棋王を手詰まりに追い込み、隙を見て久保陣に切り込んで勝負を決め、棋王のタイトルを手にした。

郷田九段の扇子に記されている言葉は「晩成」。苦悩、苦労の三十代を経て、四十代での4回めのタイトル獲得は、まさしく「晩成」にふさわしい。今後、棋王の防衛、新しいタイトルの獲得を目指し、充実の四十代を送ってもらいたいものだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月13日 (火)

第83期棋聖戦決勝トーナメント2回戦、郷田真隆九段が橋本崇載八段を破り準決勝進出

現在、棋王戦五番勝負で2勝1敗で久保利明棋をカド番に追い込みタイトル奪取まであと1勝と迫った郷田真隆九段。今日は、棋聖戦決勝トーナメントの2回戦で橋本崇載八段と対戦した。

橋本八段は今期好調で、昇級したばかりのB級1組で最終戦を待たずにA級昇級を決め、あわせて八段昇段も手にした。竜王戦の1組ランキング戦で羽生二冠を破るなど、A級棋士にふさわしい実績も上げている。

郷田九段は、対橋本戦ではここのところ3連敗しており、通算の対戦成績も2勝4敗と負け越している。来期の級順位戦では必ず対戦することもあり、そろそろ連敗にストップをかけ、A級在位10期の格の違いを示しておきたいところ。

先手の橋本八段は三間飛車。居飛車に構えた郷田九段との間で序盤から攻め合いとなった。序盤の応酬で主導権を握った郷田九段は橋本八段につけいる隙を与えず、一気に攻めきった。

これで、郷田九段はベスト4進出を決めた。棋聖戦では、ここ数年、毎年のように準決勝まで進むものの、そこで苦杯なめている。準決勝の対戦相手は深浦康市九段。一昨年の第81期棋聖戦決勝トーナメントでも準決勝で対戦し、深浦九段が勝って、決勝でも渡辺竜王を破り、挑戦者となった。

今期は棋王戦で挑戦者となるなど好調を維持している。今期の棋王戦の挑戦者決定トーナメント3回戦でも深浦九段と対戦。深浦九段を破ったことが、挑戦者への大きな一歩となった。まずは、次の深浦九段戦を制し、棋聖戦でも挑戦者決定戦までこのまま勢いを維持し、挑戦者となり、棋王・棋聖の二冠を手にしてほしいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 8日 (木)

ダイエットのため自転車(クロスバイク)を買った

50代になってなかなか体重が減らなくなった。40代の頃は、何回かダイエットを試みて、一度は73kgあった体重を10kg減量に成功したこともある。
ここ1~2年は70kg~71kgの間を行ったり来たりしており、なかなか70kgを切ることがなかった。昨年3月に職場が変ってから、なんとか少しは痩せようと努力して、昨年夏には一時期69kg台まで絞ったが、その後、出張や飲み会が重なって、あっという間にリバウンド。更に、年末年始で72~73kgと過去のワーストレベルまで戻ってしまった。

これまでのダイエットは、まず食事の量や内容で摂取カロリーをコントロールし、さらに、職場の帰りになるべく歩くようにするなど消費カロリーを増やすことを組み合わせてやってきた。昨年は、休日、テニスを何回かやったりもした。
しかし、今年の冬は冷え込みが厳しいせいもあって、運動不足気味。特に、土日家にいるとほとんど歩くこともない。このままではいけないと思いつつも、とうとう過去最悪の73kgに戻ってしまった。

改めて何かダイエットをしなくては思っていたところ、自分の回りに自転車に乗っている人が多いのに気がついた。最初は、行きつけの床屋の私より年配のご主人が自転車に乗っているという話を聞いたのが最初だったろうか。その後、時々、出張で東京に来る高校時代の親友が、自転車を買ったという話を聞いたのが2~3年前だったろうか。本格的な自転車はずいぶん値が張るものだと思った程度だった。
昨年の夏にFACEBOOKを始めたら、就職の時と就職後に世話になった職場の先輩が自転車を趣味にしていることが分かった。
2月になって、高校時代の陸上部の同窓会をしたが、私を除く4人のうち2人が自転車に乗っているとの話で、ランニングより自転車の方が、膝や腰への負担が少ないとの話が出て、ちょっと考えてみようかと考え始めた。
そしたら、それからしばらくして滋賀県大津に出張に行った時の話。昼食を食べにはいったレストランの土間にロードバイクとクロスバイクが置かれていた。一緒に出張に行った若い同僚2人に「自転車を始めてみようかと思っているんだ」と話したら、なんと2人とも自転車に乗っていて、1日100km走ることもあるし、1人は電車にたたんだ自転車を持ち込んで、遠出する「輪行」もしたことがあるという。
偶然にしては、続きすぎ。あるいは、それだけ、スポーツとして自転車に乗るということがそれだけ普及しているということだろうか。

家から歩いて7~8分のところに、自転車販売の「サイクルベースあさひ」の店がオープンしたばかり。週末、何回か見に行って、2月末にクロスバイクの入門車を買った。

Hptimage

先週末に初めてその新車に乗って遠乗り。以前から一度行ってみたいと思っていた、新座にある平林寺に行ってみた。行きと帰りのルートを変え、走行距離は20kmほど。朝の9時前に家を出て、平林寺に着いたのが9時半過ぎ。30分ほど平林寺を散策して、家路に。帰りは少し遠回りのルートをとって、1時間ほどかけて戻ってきた。

これまで、ほとんどママチャリしか乗っていなかったので、舗装道路でスピードにのってきて、自転車と自分が一体となったような感覚はなんとも言えない。これから、だんだん、暖かくなる季節。晴れた日の休日の午前中の過ごし方としては悪くない。

自転車に興味をもってから、書店に行くたびに、自転車関連の書籍を見ていたら、俳優の鶴見辰吾が書いた本『気がつけば100km走ってた』が目についた。

気がつけば100km走ってた
気がつけば100km走ってた

あわせて、サイクリングルートを紹介したガイドブックもあわせて購入した。これらの本を参考にして、これからの自転車での行き先を考えていきたい。

東京周辺自転車散歩
東京周辺自転車散歩

東京周辺自転車散歩マップ (るるぶDO!)
東京周辺自転車散歩マップ (るるぶDO!)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 4日 (日)

第37期棋王戦五番勝負第3局、挑戦者の郷田真隆九段が久保利明棋王に勝って2勝1敗としタイトル奪取まであと1勝

1勝1敗で迎えた第37期棋王戦の第3局。勝った方が、タイトル奪取にあと1勝となる大事な一局だ。
タイトルホルダーの久保棋王も、挑戦者の郷田九段も、2日前(2012年3月2日)にA級順位戦の最終戦を戦ったばかり。
郷田九段は残留は決まっていたが、最終戦の相手は全勝優勝がかかる羽生善治二冠(棋聖・王位)。後手の郷田九段は公式戦初採用である「一手損角換わり」で臨んだが敗れ、羽生の全勝を許すこととなった。
一方、A級残留がかかる久保棋王は、同じく残留を争う丸山忠久九段と。残留争いは、2人加え、高橋道雄九段を含めた3人のうち2人が降級するという厳しい戦い。久保二冠は勝星では2人を上回る2勝を上げているので勝てば自力残留が決まるが、敗れると、丸山九段と2勝7敗で並び順位差で降級が決まるという、勝ち負けで「天国と地獄」が分かれる勝負だった。後手の久保棋王はゴキゲン中飛車を採用し、丸山九段は居飛車で超速▲3七銀戦法で対抗。双方が穴熊に囲う持久戦、にらみ合いが続く展開となったが、最後は丸山九段が一瞬の隙をついて、遠見の角を久保陣に成り込み、穴熊崩しに成功して勝利。久保二冠の降級が決まった。(なお、谷川九段vs高橋九段戦で高橋九段がすでに勝利していたため、勝った丸山九段も降級が決まっていた)

両対局者ともA級順位戦の勝敗が決したのは、日付が3月3日(土)に変ってから。順位戦終了のその日に、第3局の会場静岡県焼津市に移動し、前夜祭を終え、今日の第3局に臨んだことになる。

第1局 は後手久保棋王のゴキゲン中飛車に郷田九段が超速▲3七銀で応じ、双方が穴熊に囲った。150手を超える長手数のねじりあいを後手の久保棋王が制した。第2局は先手の久保棋王の三間飛車からの急戦の仕掛けを、郷田九段が咎めて88手で久保棋王の投了となり1勝1敗。

郷田先手・久保後手の第3局は第1局と同じ「久保のゴキゲン中飛車に、郷田の超速▲3七銀」となった。今回は、久保棋王が角を切って(角銀交換)飛車を成り込み、竜を核にして先手で「攻める」急戦を挑んだ。 先に竜を作り、相手陣にもぐり込み、桂馬や香車を取って、相手陣を攪乱し、駒を捌きながら駒損を回復し、優位を築いていこうという狙いだろう。先後は入れ替わるが、第2局と同じような久保の急戦を郷田が受けるという展開になった。
郷田九段は、久保棋王の奇襲の代償で得た駒得を維持しながら、一手一手、久保の攻めを受ける。なるべく、駒を渡さずに反撃の芽を潰し、反撃を狙う。久保棋王は角との交換で手にした銀を打ち込んで来るが、結局、銀桂交換となり、久保棋王の攻めは切れ気味。
郷田九段の反撃に、手にした桂馬を自陣に打って粘りに出ざるを得なくなり、郷田優勢・久保劣勢は明らかに。郷田九段は、さらに、久保棋王の攻めの核だった竜も飛車との交換で盤上から消し去り、久保棋王の角銀交換による奇襲を完封。竜飛交換を余儀なくされたところで、勝機なしと見たのか久保棋王が投了。61手、午後4時47分のことだった。

3732

(第3局終局直後の郷田九段、出所「棋王戦中継plus」)

第2局、第3局と久保棋王の駒損覚悟の急戦の仕掛けを郷田九段が咎めるという同じような展開となり、いずれも久保棋王の仕掛けは不発、久保棋王はカド番に追い詰められることになった。
この2局の展開を見ていると、久保棋王の攻めが空回りしている印象が強い。「捌きのアーティスト」との自らの呼び名に縛られてしまっているのではないかという気がする。駒損を承知で急戦を仕掛けて、決まった時には鮮やかだが、今回の郷田九段のように徹底して捌きの芽を摘んでその動きを封じられると、駒損だけが残り劣勢は明らかとなり、そこからの挽回は難しくなる。
「捌きのアーティスト」に名に恥じぬよう、華麗に捌いて勝負を一気に勝負を決めたいという誘惑に駆られたのではないだろうか。すでに王将戦七番勝負ではカド番に追い込まれようやく1勝を返したものの、タイトル防衛は風前の灯火、2日前にはA級陥落も決まってしまい、なんとか現在成績タイの棋王戦ではせめてリードを確保しておきたいとの思いがより強まったのではないか。第2局を取り上げたブログでも書いたが、そこに久保棋王の焦りを感じるのは私だけだろうか。

郷田九段にとってタイトル奪取がかかる第4局は、約2週間後の3月17日(土)。久保棋王は、それまでの間に、中3日の休みでもう一つのタイトル防衛戦王将戦の第5局を戦う。
既に決まってしまったA級陥落に、王将・棋王の二冠の同時失冠という悪夢もあり得ない話ではなくなってきた。

改めて、考えてみると、今期は振り飛車党受難の年である。現在、振り飛車党の頂点に立つ久保二冠の苦境に加え、B級1組ではかつての振り飛車党の盟主藤井猛九段とやはり振り飛車党の実力者である鈴木大介八段の2人のうちどちらかが降級するというピンチ。

かつて一世を風靡した藤井九段の「四間飛車藤井システム」が、ライバル達に研究され、勝てなくなり、藤井九段自身もタイトルホルダーの地位を失い、A級でも降級争いをすることが多り、ついに前期A級から陥落した。
久保棋王も、先手では三間飛車石田流、後手ではゴキゲン中飛車という二枚看板で、それぞれに色々な工夫を施して、羽生世代の佐藤康光棋王を倒して念願の初タイトルを獲得し、翌年には羽生善治王将本人から王将タイトルを奪い、二冠となりA級復帰も決め、将棋界のトップの一角を担う存在となった。その「捌きののアーティスト」の久保二冠の戦い方も研究され壁にぶつかったということだろうか。

しかし、王将戦も棋王戦も勝負が決まったわけではない。郷田ファンの私としては、郷田九段には、勝利に向け手綱を緩めることなく、郷田九段の誕生日でもある3月17日(土)の第4局で一気にタイトル奪取を決めてほしい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »