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2012年7月16日 (月)

郷田真隆棋王、第6回ネット将棋最強戦2回戦で三浦弘行八段に勝ち準決勝進出

日曜日の夜8時からインターネットを通じて選抜されたプロ棋士16名が対戦するネット将棋最強戦。郷田真隆棋王は初めてこの棋戦が開設された6年前の第1回の優勝者である。
しかし、その後は第2回大会で準決勝まで駒を進めたのが最高で、第3回、第4回は久保八段、森内九段に初戦敗退。出場者の基準が変更になった第5回は1回戦山崎七段に勝ったものの、2回戦で村山五段に敗れた。

今年の第6回大会では、1回戦で棋王戦の挑戦者を争った広瀬章人七段を破り、2回戦に進んだ。2回戦の相手は、A級棋士の三浦弘行八段。プロ棋士となったのは郷田棋王が先だが、郷田がA級定着までに2回のA級陥落の辛酸をなめたのに対し、三浦八段は平成13(2001)年の第60期順位戦でA級昇級後12期連続でA級の地位を維持している。

これまでの対戦成績は郷田が13勝10敗でリードしているが、2004年度~2007年度の4年間は8戦して郷田の7勝1敗と圧倒していたのに対し、2008年度~2011年度の4年間は7戦で三浦の5勝2敗と三浦八段が差をつめてきている。
今年度は、対戦が多く6月に順位戦と日本シリーズで対戦。順位戦では三浦勝ち、日本シリーズでは郷田勝ち。1勝1敗でこのネット将棋最強戦を迎えた。

第6回ネット将棋最強戦2回戦 郷田棋王vs三浦八段戦の棋譜

今年3回目の対戦となる昨日(2012/07/15)は、三浦八段の先手。お互い居飛車党の二人なので、先手▲7六歩に対し、後手郷田棋王は△8四歩と応じ、角換りの将棋へと進んだ。角交換の将棋は先後同型で一定手順まで進むことも多く、その通り進むと先手有利といわれ、後手番の対策が課題だが、昨日は先後同型には進まず、三浦八段が早めに左の桂馬を2回はね▲4五桂まで進み、後手陣突破を狙う。手順で駒がどんどん前に進む感じで、三浦八段側に勢いがある。

郷田棋王は手抜きをして三浦陣に△2八角と香車取りに打ち込み、反転攻勢を目指すが、三浦八段はひるまない。なんと、飛車切りを敢行し、郷田玉の守りを崩し、と金作りにも成功した。駒の損得は、飛車と金・桂の2枚換え+と金。そこから三浦八段の攻撃が続く。
郷田棋王は防戦一方で、先ほど打った角が馬となって三浦玉を脅かす働きができるか、その前に三浦八段が「と金」攻めで郷田玉を追い詰めるかのスピード勝負になってきた。

三浦八段が▲7五桂打ちと郷田玉の退路封鎖に出た手に対し、ようやく郷田棋王は△4六角成と三浦玉を馬筋にとらえる。三浦八段はかまわず攻め続け、▲4二金と打って王手。△6二玉とかわした郷田棋王に対し、▲4三「と」とと金の参加による手厚い攻めを目指す。
ここではじめて郷田棋王が反転攻勢に出て、三浦玉に対して王手をかける△5四桂打ち。三浦玉を▲7九玉と一段目に落とし、さらに飛車筋から△8六歩とこちらも挟撃を目指す。三浦八段は▲8六歩と突かれた歩を取るのではなく▲8八玉と玉の顔面受けも辞さずとの強手で応じる。

双方譲らぬ強気の殴り合いが続く展開で、いったんは劣勢に立たされた郷田棋王がかなり挽回したものの、まだどちらが勝ってもおかしくない展開に見えた。

着々と三浦玉の包囲網を狭める郷田棋王に対し、三浦八段も▲5二「と」と王手、△7二に玉と逃げ▲6一「と」と詰めろ(▲6二金打ちまで)をかける。
ところが、それまで△8二にいて玉の退路を塞いでいた飛車が△8六飛と走り、玉の逃げ道を作るとともに王手。この捨て身の飛車を取ると負けということで、三浦玉は▲9七玉と逃げるしかなかった。そこで△7八成桂と守りの要の金を取って、今度は郷田棋王が詰めろ(△8七金打ちまで)をかけた。
三浦八段としては、郷田玉を詰ますか、詰めろ逃れの詰めろを繰り出すかしか手はないが、結局郷田玉を詰ますことはできず、三浦八段の投了となった。

ずっと眠っていた△8二の飛車の攻撃力が△8六飛で最後に一気に炸裂した感じで、「郷田一刀流」の面目躍如であった。

これで第2回大会以来のベスト4進出。準決勝の相手は最強の敵羽生善治二冠(王位・棋聖)である。2回戦は、もう1局、渡辺竜王vs豊島七段戦が残っているが、もし渡辺竜王が勝てば、準決勝は羽生善治二冠vs郷田真隆棋王、佐藤康光王将vs渡辺明竜王というそれぞれタイトル保持者同士が激突する準決勝となる。
郷田棋王には第1回大会以来の6年ぶりの優勝を果たし、今期後半戦へ向けて勢いをつけてほしいものだ。

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