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2012年8月26日 (日)

2012年ロンドンオリンピック、日本女子バレー銅メダルの快挙をたたえる

ロンドンオリンピックでの選手達の活躍に日本中の人たちが一喜一憂した2012年の夏も終ろうとしている。
ロンドンオリンピックで日本選手団のメダル獲得数は、8年前のアテネのオリンピック37個を上回る38個。お家芸と言われる柔道が総じて不振の中、競泳陣が戦後最多の11個のメダルを獲得したほか、女子レスリングでの3つの金メダル、またサッカー女子のなでしこジャパンの銀メダルを筆頭に女子の団体競技でのメダル獲得が目立った。

ワールドカップ金メダルに続き金メダルを目指したサッカーのなでしこジャパンや、福原愛・石川佳純・平野早矢香のトリオで団体戦のメダルを狙いそれを実現させた卓球に比べ、五輪前にはマスコミなどでもメダル候補にあげられることのなかった女子バレーの銅メダル獲得は特筆すべきものだろう。

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1964年の東京オリンピックと1976年のモントリオールオリンピックで金メダルの栄冠に輝いた日本の女子バレーも、メダルは1984年のロサンゼルスオリンピックでの銅メダルが最後。2000年のシドニーオリンピックでは最終予選で敗退し出場さえかなわなかった。

シドニー予選敗退の危機的な状況の中、女子バレーの監督を引き受けたのが、もと新日鉄堺でセッターを務めた柳本晶一。2004年の「アテネオリンピック出場・メダル獲得」を掲げ、全日本メンバーから外れていたベテランの吉原知子をキャプテンで呼び戻し、若手の栗原恵、大山加奈、木村沙織の抜擢など選手も大幅に入れ替えた柳本ジャパンは最終予選を突破しアテネ出場を果たした。しかし、本大会では実力を十分に発揮しきれないまま、準々決勝で中国に0-3で敗れ5位に終った(中国は決勝まで進み金メダル獲得)。
同じ柳本監督の指揮で臨んだ2008年の北京オリンピックも、予選A組4位で決勝トーナメントに進出したが、準々決勝でB組1位のブラジルと対戦し、やはり0-3で敗れ5位(この大会も日本が敗れたブラジルが金メダルを獲得した)。

2大会指揮を執った柳本監督は退任し、2008年12月にロンドンオリンピックにむけた新生全日本女子の指揮を任されたのが真鍋政義監督。
攻撃陣で新たな選手の登用、発売間もないipadを使ってデータ分析に基づく采配を行い、2010年の世界バレー(世界選手権)ではベスト4に進み、3位決定戦で3-2でアメリカを破り銅メダルを獲得し、日本女子バレー復活ののろしを上げた。
ここまでは、順風満帆の真鍋ジャパン。目論むのは、ロンドンオリンピックの前年2011年のワールドカップで3位以内に入り世界最終予選を待たずに出場権を決めること。日本は大会後半でブラジルやアメリカといった強豪に勝利したが、大会開始直後に中国に2-3で敗れたことが響き、中国と同じ8勝3敗ながら勝ち点で中国を下回り4位。オリンピック出場を決められなかった。

2012年5月のロンドンオリンピックの世界最終予選兼アジア最終予選では、8チームで世界枠3・アジア枠1を争った。大会前、真鍋監督は1位通過を目指すと宣言したが、結果は連勝を続けていた韓国に敗れるなど4勝3敗に終わりロシア(7戦全勝)、韓国(5勝2敗)、セルビア(5勝2敗)に次ぐ全体の4位、5位には同じアジアのタイが4勝3敗で並び、辛くもセット率の差でアジア1位での出場を決めるにとどまった。

2010年の世界バレーでの銅メダル獲得が華々しかっただけに、ワールドカップ、世界最終予選での戦いぶりは、素人目には、全日本の土壇場でのひ弱さやチーム力の伸び悩みを感じさせ、「真鍋ジャパンは世界バレーがピーク」というのが、ロンドンオリンピック前の大方の見方だったのではないかと思う。
ロンドンオリンピックのチーム編成では、アテネ、北京では主力選手としてチームを支えた栗原恵が選出されなかった。

ロンドンオリンピックでは、12ヵ国を6チームに分け、日本は予選A組。ロシア、イタリア、イギリス、ドミニカ、アルジェリアとのリーグ戦に臨んだ。結果は、1位ロシア(5勝)、イタリア(4勝1敗、2位)に敗れ、3勝2敗でA組3位で準々決勝に進んだ。(4位はドミニカ)
予選B組は、1位アメリカ(5勝)、2位中国(3勝2敗、勝点9)、3位韓国(2勝3敗、勝点8)、4位ブラジル(3勝2敗、勝点7)と混戦。
この結果、準々決勝は試合順に日本(A3)vs中国(B2)、ロシア(A組1位)vsブラジル(B組4位)、アメリカ(B1)vsドミニカ(A4)、イタリア(A2)vs韓国(B3)の組み合わせとなった。
順当にいけば、予選での成績が上位のチームが勝つところだが、準々決勝は波乱が続いた。

まずは日本が宿敵中国を相手に、
第1セット日本28-中国26
第2セット日本23-中国25
第3セット日本25-中国23
第4セット日本23-中国25
第5セット日本18-中国16
と激戦を繰りひろげた。どのセットも2点差。総得点も日本117点対中国115点とどちらが勝ってもおかしくない均衡したゲームだった。

この試合は中継を見ていのたが、第5セットは心配で見ていられなかった。14対13で一度はマッチポイントを握ったが、中国も譲らない。その後、中国にマッチポイントを握られる場面もあったが、木村・江畑の活躍でしのぎ、16対16となったところで、真鍋監督はピンチサーバーで控えのセッター中道を起用。
この采配が見事に当たり、中道のサーブが中国を崩す。中国からの返球をキャプテン荒木絵里香がダイレクトで打ち返し、17対16。さらに次の中道のサーブを中国選手がそらし、2人目の選手はなんとさわろうと足を出すが、ボールの飛んだ先は日本のコートの遙か外。最後は中道の2本のサーブが粘る中国にとどめを刺した。これまで、オリンピックでは中国に勝てなかった日本が大きな壁を乗り越えて、ベスト4に進んだ。この中国戦の勝利でメダルに大きく近づいた。

その後の試合では、ブラジルがロシアに3-2で勝ち、韓国がイタリアに3-1で勝ちと、どちらもB組の下位チームが勝って、A組の上位2チームが姿を消した。最後のアメリカvsドミニカ戦はアメリカが順当に勝って、準決勝に進んだ。
(日本にとっては予選リーグで完敗したロシアとイタリアが敗れたこは、メダル獲得の可能性を高めただろう)

準決勝はアメリカ対韓国、日本対ブラジル。どちらも、3-0でアメリカとブラジルが勝って、決勝はアメリア対ブラジル、3位決定戦は日本対韓国の組み合わせとなった。

日本の最後の試合は、銅メダルをかけてアジアのライバル韓国との戦い。真鍋監督は、これまで活躍してきた江畑を下げ、韓国戦では江畑より結果を残していた迫田を起用した。
第1セット25-22。日本が出だし4連続ポイントでリードを奪うが、韓国が追い着く展開。韓国がセットを取ってもおかしくない展開ではあったが、韓国のミスにも救われて、最後は日本が突き放した。
第2セットも、第1セット同様日本がスタートダッシュ5連続ポイントで韓国をリードし、一時は8-1と大きくリード。しかし韓国も徐々に差を詰め、最後にはジュースまで持ち込むが、24対24から迫田が決め、韓国のミスも出てこのセットも26-24で日本が取った。
第3セットは、最初から一進一退で、むしろ韓国が若干リードで進む展開。日本も離れずについていき、2回めのテクニカルタイムアウトの時点では16-15と日本がポイントを取ってタイムアウトに入った。直後、大友愛のサービスエースが出るなどしたが、韓国も離れない。20点を超えたあとは、日本の攻撃がリードを広げ韓国を振り切り、見れば3-0で日本が銅メダルを決めた。
終ってみれば、江畑に代えて起用した迫田が23本のスパイクを決める大活躍で、真鍋采配がずばりと当たった3位決定戦だった。

今回の参加12チームで総当たりのリーグ戦を行ったら、果たして日本が3位になっていたかはわからない。準々決勝で敗れたロシア、イタリア、中国を含めて、7チームはどこがメダルを獲得してもおかしくなかっただろう。それだけ、チーム力は拮抗していたと思う。

オリンピックという4年に1度の大会にあわせて調整できるか、大会での予選のグループ分けでどちらに入るか決勝トーナメントの組み合わせがどうなるか、大会に入ってからの選手個々の調子、それを総合したチームの調子、団結力。また、その対戦相手の状況を分析するスタッフの力。今回、日本チームは、それらの全てがうまく組み合わさって、銅メダルに手が届いたように思う。

2年前の世界選手権での銅メダルの経験を下敷きに、その後の2年間の紆余曲折も無駄にせず、このロンドンオリンピックの銅メダルにつなげた真鍋ジャパンに栄光あれ。

真鍋ジャパンの軌跡をたどりたい方には、以下の本がオススメ。

・世界バレー銅メダル獲得後に出版された真鍋監督の著書

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