郷田真隆九段、今年度3連勝のスタートで 第84期棋聖戦の挑戦者決定戦に進む
3月(2013年)に棋王位のタイトルを失った郷田真隆九段。しかし、新年度入りした4月以降、4月2日に棋聖戦の挑戦者決定トーナメント2回戦で木村一基八段を破り4年連続のベスト4に駒を進め、王座戦の挑戦者決定トーナメント1回戦ではB級1組昇級を決めた若手のホープ豊島将之七段を破り2連勝のスタートを切った。
ここ何年か、郷田九段は春先なかなか調子が出ず、黒星が先行することが多く、秋口でようやく指し分け、年末年始にかけて調子をあげ、年度トータルでは勝ち越しという展開が多かったように思う。
今期3局めは、棋聖戦の準決勝でこれも若手の成長株で昨年の棋聖戦挑戦者中村太地六段との対戦である。
郷田九段はこれまで2回(第69期、第72期)棋聖タイトルを獲得していることもあってか、棋聖戦ではよく勝っている。過去6年でベスト4が5回。しかし、準決勝まで進むものの、第79期は羽生善治、第81期は深浦康市、第82期は佐藤天彦、昨年(第83期)も深浦に敗れて挑戦者決定戦には一歩及んでいない。
中村六段とは初手合い。振り駒で後手となった郷田九段は、先手▲7六歩に対し、二手目△8四歩。▲6八銀として先手は矢倉を宣言。後手も望むところだったようで、戦型は相矢倉の戦いとなった。
途中までは、3月のA級順位戦最終局の渡辺vs郷田戦、竜王戦1組2回戦の森内vs郷田戦と同手順で進んだ。先手に攻めさせて、後手の郷田はカウンター狙い。
中村六段の攻めが切れ気味となったところで、攻めに転じる。しかし、一気に詰みまでは至らず、中村六段が反転攻勢、あと一枚あればというところまで郷田を追い詰める。しかし、これも詰みはないと言われていた順で、再度郷田に手番が回る。今度は詰ませに行ったが詰め切れず、一端自陣に手を入れ玉を逃がす。
矢倉の端の1筋から入玉を目指す郷田玉を逃さないと中村六段は手持ちの金銀の中から▲2五銀と打って逃げ道を封鎖する。しかし、これが敗着だったようで、ここで▲2五金と打って銀を手元に残しておけば助かったということらしい。当然、郷田は容赦なく、再び詰ませに行き、程なく中村六段の投了となった。
これで決勝に駒を進めるとともに、開幕3連勝のスタートダッシュである。
羽生棋聖への挑戦者を決める決勝の相手は、久保利明九段を破った渡辺明竜王。3月の第38期棋王戦五番勝負で棋王位を奪っていった相手である。なんとか、棋王戦の借りを返し、挑戦者に名乗りをあげて、当時の羽生棋聖からタイトルを奪った第72期棋聖戦五番勝負を再現してもらいたい。
また、現在、棋聖2期の実績もつ郷田九段にとっては棋聖は、永世棋士にもっとも近いタイトルである。あと3期棋聖を獲得し、永世棋士として将棋界の歴史にさらに大きく名を残してほしいものだ。
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