第26期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局、郷田真隆九段が森内俊之名人を破り挑戦権獲得まであと1勝
第26期竜王戦七番勝負での渡辺明竜王への挑戦者を決める三番勝負が始まった。
準決勝で羽生善治三冠(1組3位)を破って一足先に三番勝負への進出を決めた森内俊之名人(1組準優勝)。渡辺竜王の9連覇のスタートは、第17期の七番勝負で森内からの竜王位奪取である。さらに森内は第22期に挑戦者となり、タイトル奪還を目指したが4連敗で奪還はならなかった。今期、挑戦者となれば竜王戦で渡辺との三度目の対決となる。今度こそという思いは強いだろう。
一方、1組優勝を果たし最後の決勝トーナメントに登場した佐藤康光九段を破って、初めて三番勝負に名乗りをあげた郷田真隆九段(1組4位)。郷田は今シーズン棋聖戦と王座戦で挑戦者決定戦まで進みながら、決定戦で敗れている。竜王戦は今期3度目の挑戦者決定戦。なんとか「三度目の正直」で挑戦権をつかみたいところだ。
二人の公式戦での対戦成績は45戦で森内24勝、郷田21勝。今期の竜王戦のランキング戦1組では2回戦で対戦、森内が勝ってランキング戦の決勝に進み、佐藤康光九段の敗れて1組準優勝で決勝トーナメントへ進んだ。
2回戦で森内に敗れた郷田九段は、4位決定トーナメントに回り、藤井猛九段、丸山忠久九段という同世代の2人を破り1組4位で決勝トーナメントに進んだ。特に丸山戦は、千日手指し直しの末の勝利だった。
森内vs郷田戦で思い出されるのは、2007年4月から6月まで戦われた第65期名人戦七番勝負。18世名人がかかった森内に郷田が挑んだ七番勝負。郷田2連勝で始まったが、そこから森内が3連勝して名人防衛に王手。第6局も森内必勝で終盤戦を迎えたが、粘る郷田が放った最後の勝負手に森内が間違えて、大逆転。七番勝負は最終局にもつれこんだが、郷田はあと一歩及ばず、名人位獲得はならなかった。
一昨日(2013年8月15日)に行われた挑戦者三番勝負第1局は、振り駒で郷田の先手。先手番の勝率が高い2人の対戦、先手となった郷田としてはなんとしてもこの初戦を勝っておきたい。
郷田の初手は▲2六歩。森内が△8四歩で応じ、お互い飛車先の歩を切りあって「相掛かり」に進んだ。郷田は銀を中心に駒をどんどんと前に進め、押さえ込みを目指す。森内はひねり飛車に構え、郷田から見ると、右側にに飛車、左側に玉が布陣しお互いに向かい合っている。ただ、郷田が歩や銀を前進させている分、飛車角が接近している森内のひねり飛車はなんとも窮屈だ。
中盤までの駒組みでは郷田が一歩リードで終盤を迎えるが、森内は飛車を郷田の玉が布陣する8筋に飛車を戻し郷田玉をにらむ。郷田は2筋を捌いて飛車成りに成功するが、まだ森内玉は遠い。森内は隙を見て、郷田玉の守りも兼ねる角の背後と横腹に銀を2枚を打ち付け虎視眈々と逆転への布陣を敷く。その上で、飛車を背にして郷田玉の上部から攻めかかるが、郷田が少し余していたようで、森内の攻めは及ばず、反転に出た郷田が攻めきり
森内は110手目を指さずに投了。結局、森内が郷田陣に埋め込んだ2枚の銀の地雷は不発のまま終った。
第26期竜王戦挑戦者決定三番勝負 第1局 森内名人対郷田九段戦の棋譜
先手番の初戦を取った郷田九段。今期19戦で13勝で、対局数と勝ち数ではともに全棋士中2位となった。挑戦者決定三番勝負第2局は9月2日。後手番となるが、なんとかこの勢いで一気に挑戦を決めてもらいたい。
(棋譜と写真は「竜王戦中継ブログ」より)
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