第27期竜王戦、郷田真隆九段、今年もランキング戦1組4位で決勝トーナメント進出
昨年度は、棋聖戦、王座戦、竜王戦と3つのタイトル戦で挑戦者決定戦まで進みながら、いずれもタイトル挑戦はならなかった郷田九段。
年度末にはNHK杯での初優勝という栄冠をつかむ一方、A級順位戦では残留のかかった最終9回戦に敗れ、降級した屋敷九段と同じ3勝6敗ながら順位の差でA級8位でかろうじて残留というヒヤリとする場面も経験した。
その後も竜王戦のランキング戦1組では2回戦で阿久津八段に敗れ4位決定戦に回ることになった。年度開け早々の棋聖戦決勝トーナメント2回戦では、新鋭菅井竜也五段に敗れ、挑戦の可能性が消えた。
その後、新年度に入り4人出争う竜王戦の1組4位決定トーナメント1回戦ではライバル丸山忠久九段を破り、4位決定戦に駒を進めた。相手は佐藤康光九段。こちらも同世代のライバル。昨年の竜王戦では挑戦者を決める決勝トーナメントで激突し、1組4位の郷田が1組優勝の佐藤を蹴散らして挑戦者決定三番勝負に進んだ。
今回は4位決定戦での対戦。先手の郷田に対し、後手の佐藤はダイレクト向かい飛車を採用。将棋ソフトの激指の分析機能を使って棋譜を再生させてみたが、最初は一進一退で駒組が続く。中盤、駒組みの段階では後手有利との評価、先手の郷田が主導権をとって攻めを続けるが、依然、後手有利の評価が続いたが、佐藤の受け手に緩手があったか、一気に先手有利になり郷田が詰めろを続けるが、 一端自陣の手を戻したところで、今度は後手が攻勢。しかし、これも敵陣で働いていた馬を守りの薄い自陣に引き戻したところで、ほぼ互角へと目まぐるしく評価が入れ替わる。その後、郷田が王手を続け、佐藤玉の守り駒を剥がして玉を丸裸にしたところで郷田の王手が小休止する。詰めろの状態だが、王手をかけて佐藤が反撃に転じた、形勢の評価も後手有利となったが佐藤も決めきれず、郷田陣で働いてなかった飛車が5筋に回りが詰めろを賭けて以降は、佐藤九段にチャンスはなかったようだ。
郷田九段は、昨年同様1組4位を決め、決勝トーナメントの準々決勝から登場となる。準々決勝を勝てば、準決勝で1組優勝の羽生名人との戦いとなる。何とか、難敵を倒し、挑戦者決定三番勝負も勝って、森内竜王へ挑み、ビッグタイトルを手にしてもらいたい。
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