2年連続「緊急事態宣言」でGWを迎える東京、東京2020は中止するしかない
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない。2020年4月、ウイルスの正体もよくわからない中での緊急事態宣言。不安な中、自粛という名の実質的なロックダウン。なんとか、感染拡大にブレーキがかかると5月25日に緊急事態宣言は解除され、まるで全てが解決したように、打撃を受けた旅行業や飲食業を支援する「Go TOキャンペーン」が始まる。しかし、夏前から再び感染者が増え始め、第2派といわれる。「Go TOトラベル」も「Go TOイート」も国が補助金を出して、感染を全国に拡大しただけだった。将来の歴史家から「希に見る愚策」と評価されるに違いない。
当然、「Go TOトラベル」も「Go TOイート」も中断。夏から秋へは比較的感染者は小康状態を保ったが、徐々に気温が下がり始める晩秋の頃から、再び増加。12月半ばからは、忘年会シーズンも重なってか、感染者は急上昇。大晦日には東京都の感染者が1000人の大台を突破した。2021年1月7日首都圏の一都三県に再び緊急事態宣言。
結局、東京の1日の感染者が100人を切る日を迎えることがないまま、3月21日に二度目の緊急事態宣言は終了した。緊急事態終了の時点で、東京都の感染者数(7日間移動平均)は既に反転増加傾向を示し始めていた。4月12日、東京都の23区と6市が緊急事態宣言の前段階である「まん延防止等重点措置」の対象となったが感染者の増加は抑えることはできず、大型連休(ゴールデンウィーク)を目前にした4月25日に東京都は三度目の緊急事態宣言の対象となった。
昨年との違いは、大阪府や兵庫県で、感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株が急速に拡大し、大阪府では連日東京を上回る感染者数が続き、地域医療がパンク状態になっていることだ。東京でも変異株の比率は上昇しており、感染者数が減少に転じなければ、いずれは大阪と同じことになるだろう。三度目の緊急事態宣言の期限は5月11日だが、現在の状況では短くても昨年同様の5月下旬まで延長せざるを得ないだろう。
結局、輸入されたワクチンの接種が行き渡り、日本国民が集団免疫を得るまで、状況に変化はないだろう。感染者は既に日本全国に広がっているということだろう。人と人の接触が増えれば感染者は増加し、緊急事態宣言等で接触が減れば感染者も減少することことを繰り返している。
ワクチンの接種は4月29日現在で、医療従事者の50%にとどまっている。高齢者の接種はこれからが本番だし、一般の市民はいつ接種できるのかさっぱりわからない。オリンピックの開催時期までに、せめて国民の半数は接種を終えるぐらいになっていなくては、外国選手も参加する国際スポーツ大会の開催は難しいだろう。少なくとも、国や東京都は、感染者や医療の逼迫度、ワクチンの接種率がどの程度であれば、開催可能と考えているか、明確に示すべきだと思う。それが示せないなら、1年延期した東京オリンピック(東京2020)は中止するしかないと思う。白血病からの驚異的な回復で出場権を手にした池江璃花子選手など、大会の開催を信じて練習に励む選手たちには申し訳ないが、オリンピックの開催期間中に、感染者が日に日に増加して、東京の医療がパンクしては元も子もない。
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