『復活 all for victory 全日本男子バレーボールチームの挑戦』を読み終わる
先週、『復活 all for victory 全日本男子バレーボールチームの挑戦』(市川忍著、角川書店)を読み終わった。
先日の北京オリンピック男子バレーボール世界最終予選で1992年のバルセロナオリンピック以来4大会ぶりのオリンピック出場を決めた、バレーボールの全日本男子チーム。しかし、アルゼンチン戦に勝って、最終日を待たずにオリンピック出場を決めた翌日のスポーツ紙の一面は、どれも同じ日に行われたサッカーのワールドカップ3次予選のオマーン戦の記事ばかりで、男子バレーを1面にとりあげているところはなく、なんともがっかりしたというか、拍子抜けというか、現在のサッカーとバレーボールの影響力の大きさの違いを感じずにはいられなかった。
それは、まさに、男子バレーがオリンピック出場を逃し続けた結果であるのだが、1972年のミュンヘンオリンピックでの男子バレーボールチームの金メダルに歓喜した世代としては、なんとも寂しく、情けないものであった。
この『復活』というノンフィクションは、今回オリンピック出場を決めた全日本男子バレーボールチームのメンバー一人一人に焦点をあて、オリンピック出場権獲得に賭ける思いを綴ったものである。かつて、ミュンヘンオリンピック前には、「ミュンヘンへの道」というタイトルで、松平康隆監督率いる当時の全日本チームのメンバー一人一人を主人公にした連続ものアニメが放映されたが、それと同じ切り口でノンフィクションを書いたものだ。
ちょうど4年前の同じ頃、アテネオリンピック出場を賭けた2004年の世界最終予選を前に、『甦る全日本女子バレー―新たな闘い』(吉井妙子著、日本経済新聞社)が書かれたのと同じような状況である。女子バレーは、この本のタイトル通り甦り、オリンピック出場を決めた。しかし、当時、男子バレーで同じような本はなかったように思う。
今回は男子チームを題材に『復活』が書かれ、その予言通り、オリンピック出場を果たした。出場を決める前に、それを見越してこのような本を書くことは、ライターにとっては、出場できなかった場合、せっかく書いた本がほとんど顧みられずに終わってしまうというリスクを抱えるので、見極めが難しいところだろう。
それでも出版されたということは、ライター自身が取材を続けるうちに、この監督、このメンバーによるチームなら行けるかもしれないという確信を持ったからかもしれない。
この『復活』を読むと、やはり今回の植田ジャパンは、監督、各選手ともオリンピックに賭ける思いが半端なものではなく、オリンピック出場を勝ち取って然るべきチームだったという気がする。
4年前のアテネに出場した女子チームは、オリンピック本番では不完全燃焼に終わり、その原因を解き明かすべく、同じ著者により『100パーセントの闘争心 全日本女子バレーの栄光、挫折、そして再生』という本まで書かれたが、今回の男子はどうであろうか。
北京でのさらなる活躍を綴っノンフィクションが書かれることを願う。
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