2008年8月19日 (火)

第21期竜王戦決勝トーナメントで羽生善治名人が、深浦王位、丸山九段を続けて破り、挑戦者決定三番勝負に駒を進める

将棋の第21期の竜王戦決勝トーナメントは、8月8日の準決勝で郷田真隆九段を破った木村一基八段がすでに挑戦者決定三番勝負進出が決まっている が、スケジュールが遅れ気味だったもう一方の山も、8月13日に1組4位の深浦康市王位vs羽生善治名人で羽生名人が勝利し、今日(2008年8月19 日)は、1組優勝の丸山忠久九段と羽生名人による準決勝のもう1組が行われた。

羽生善治名人は、6月に名人位を森内俊之前名人から4勝2敗で奪取。その勢いに乗り、7月には、棋聖戦でも出だし2連勝で棋聖位防衛・7連覇目前 だった佐藤康光二冠(棋聖・棋王)を相手にその後3連勝という離れ業を見せて、一気に二冠から四冠に復帰した。第49期王位戦でも挑戦者となって、深浦康 市王位にリターンマッチを挑んでおり、1勝3敗とカド番には追い込まれているものの、まだタイトル奪回・五冠復帰の可能性も残している。

この数年は、森内名人、渡辺竜王、佐藤棋聖、羽生王座・王将・王位とタイトルホルダーの顔ぶれがほとんど変わらず、年度末に争われる棋王のタイトル だけが、毎年入れ替わるという状況だったが、昨年9月に深浦康市八段が激闘に末、4勝3敗で羽生三冠から王位タイトルを奪取してから、タイトル地図が動き 出した。むしろ、王位タイトル失冠で羽生二冠が目覚めたと言った方が相応しいかもしれない。
昨年度末の棋王戦で久しぶりの挑戦者となり、タイトル奪還はならなかったものの、2勝3敗。その後は6月名人、7月棋聖と奪い返したのはすでに述べた通りで、王位戦も奪回の可能性を残し、再び七冠復帰への可能性もまだ残している。

残る二冠が竜王と棋王、竜王戦では予選に当たるランキング戦1組1回戦で深浦王位に敗退したが、1回戦の敗者8人で争う5位決定トーナメントを勝ち抜いて決勝トーナメントに勝ち残った。
決 勝トーナメントでは、下位の6組・5組・4組の優勝者の中から勝ち上がった糸谷哲郎五段の挑戦を退けた。王位戦で戦っている深浦王位と8月13日の準々決 勝。棋譜中継の解説では、終盤まで深浦王位優勢とのコメントだったが、最終盤で深浦王位が間違え、大逆転で、今日の準決勝である。

今日の準決勝、丸山九段戦も終盤を迎えた時点で、丸山九段有利との棋譜解説でのコメントだったが最後の最後で丸山九段が最善手を指せず、羽生名人の逆転勝利となった。
次は、8月下旬から始まるであろう木村一基八段との挑戦者決定三番勝負。木村八段とは、現在16連覇中の第56期王座戦の五番勝負でも戦う。
羽生vs木村戦は、15戦して羽生名人が12勝3敗と圧勝しているが、木村八段がどのような戦いを見せるかであろう。
竜王戦にも羽生名人が挑戦者として名乗りを上げることになれば、王位戦・王座戦の結果次第ではあるが、七冠達成に向けた六冠目に挑む可能性もある。
また、竜王戦で渡辺vs羽生戦が実現すれば、竜王位4連覇中の渡辺明竜王と通算6期獲得の羽生善治名人による「永世竜王」(竜王位在籍連続5期または通算7期)を賭けた戦いになる。

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2008年8月12日 (火)

将棋の本流をめざす郷田将棋、朝日新聞インタビューから

朝日新聞の夕刊には、週1回、囲碁・将棋の特集記事が載る。
先週8月8日の竜王戦決勝トーナメント準決勝で応援している郷田真隆九段が木村一基八段と激闘の末、敗れたとあって、ファンの一人として、少々落ち込んでいたところ、今日(2008年8月12日)の朝日の夕刊の将棋の特集にその郷田九段のインタビューが掲載された。
「△8四歩の誇り」というタイトルに、サブタイトルが「郷田九段「四つ相撲が面白い」」との記事。

将棋では、先手が初手▲7六歩と角道を開けた場合、後手は△8四歩と飛車先を突くか、△3四歩と後手も角道を開けるかのどちらかが、主要な2手目の 選択肢なのだが、勝利優先の風潮が強い現在のプロ将棋では、△3四歩と角道を開け、比較的後手の勝率高いとされる後手から角交換をする戦型「一手損角換わ り」を選択する棋士が増えている。そのような風潮の中で、あえて△8四歩と突くのにこだわる棋士が郷田九段ということで、そのこだわりを問うているのが、 今日の記事である。

以下、朝日新聞2008年8月12日夕刊より引用(聞き手は丸山玄則氏)

-なぜ、△8四歩を選ぶのですか
「△8四歩は居飛車党なら当然の一手。矢倉でも、角換わりで、先手の研究の全てを克服しないといけないが、 △8四歩で苦しくなる感じははない。相手の研究範囲にストレートに入る可能性もあるが、その場で考えて道が開けることもある。誰かが△8四歩の定跡を作ら ないといけないんです」
-居飛車党でも2手目△3四歩から一手損角換わりや中飛車を目指す棋士も多い。試したい気持ちは。
「みんながやる ことはやりたくないので一手損角換わりは公式戦では一度も指したことがない。試したい気持ちもあるし、自分ならもっとうまく指せる自信もあるが、どの新聞 の観戦記を見ても一手損角換わりでは、ファンは面白くないでしょう。8五飛戦法もブームが過ぎてから指しただけです。」
-△8四歩と突く棋士は勝負より真理を追究するイメージがあります。
「(中略)かたくなには考えていないんです。将棋には、居飛車も振り飛車もないと思っている。ただ、勝負重視の風潮には乗りたくない。何でも指せないと△8四歩と突けないから突く。人まねはしたくないから突く」
-最近のプロ将棋は斬新な戦術が次々登場し、何をかっているのか分かりません。
「現代将棋が本道だとは思えない。将棋の可能性のひとつとしてしょうがないが、相撲だって四つ相撲が面白い。僕の将棋は本流だと思っている。もっと強ければ現代の風潮を覆せるのにと歯がゆく感じます」
(引用終了、下線は管理人にて)

「勝てるから、ブームだからとプロ棋士がみな同じ戦法を使っては、ファンは面白くない。ファンは、その棋士の個性の現れる将棋を見たいのではないか。それを見せられなければプロではない。」そう語っているようである。
愚 直に、将棋のあるべき姿を極めようとする姿は、郷田流であろう。1999年に29歳で初めてA級昇級を果たして 、2回陥落の憂き目にあい、3回目のA級昇級で勝ち越し、A級定着を勝ち取るまで7年を要した。その間、「勝てればいい」という将棋を指してみようかとい う誘惑にかられたこともあったのではないか、また郷田九段の実力なら、それで勝率も上がったかもしれない。しかし、あえてその道は選ばずに、郷田流を貫い てA級の座に定着したことに、意味がある。
しかし、A級定着だけで満足しているわけではない。「もっと強ければ現代の風潮を覆せるのに…」との言葉は、棋戦で優勝の常連となり、タイトル、中でも「名人」を取って初めて「強くなった」と自らも納得できるのであろう。ぜひ「もっと強く」なってほしい。

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2008年8月 8日 (金)

将棋アマチュア「初段」の要件を満たす

昨日、将棋雑誌の『将棋世界』の編集部から、8月号の初段コースの回答の採点ハガキが返送されてきた。今回も4問中2問正解の200点。自分がこれ は間違いなく正解と自信を持って回答したところが、間違いだったのは残念だが、これまでの3回の累計得点が600点とあわせ、なんとか初段の基準800点 に達した。

次の二段コースに進むには、『将棋世界』編集部から「初段卒業証」なるものをもらわないといけないということで、さっそく4通800点分のハガキを 同封して『将棋世界』編集部に送った。「卒業証」が送られてくると、3万円ほど払って申請すれば、将棋連盟会長と名人、竜王が署名した「免状」ももらえ る。若い頃ファンだった米永邦雄会長の署名があり、羽生善治名人、渡辺明竜王の連名の免状も悪くないかなと思う。
本当は、名人か竜王に郷田真隆九段の署名があるともっとうれしいのだが、今日の竜王戦決勝トーナメント準決勝で木村八段に敗れてしまったので、今期郷田竜王誕生の可能性はなくなった。「初段卒業証」が届いたら「初段免状」の申請をしようと思う。

中学生時代に一度初段に挑戦して挫折した時に比べると、ずいぶん初段も取りやすくなった気もするが、自分の棋力が上がったと考えることにする。これまで、「段」がつく資格は取ったことがないので、初めての「段」はやはりうれしい。

二段、三段は、初段と同じ毎月4問(1問100点)の「次の一手」問題を解き、二段は1200点、三段は2000点に達したら資格を得る。これまで の平均月200点のペースでいけば、二段取得に半年、三段を取るのに10ヵ月ということになる。できれば、月平均のペースをもう少し上げたいと思うが、少 なくともこのペースは維持して、40代のうちに三段取得を目標に続けていきたい。

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2008年8月 7日 (木)

第49期王位戦第4局は、深浦康市王位が勝ち王位タイトル防衛にあと1勝

再び将棋界の全タイトル七冠制覇を狙う羽生名人に対し、なんとか防衛しタイトルホルダーの地位を維持したい深浦王位。
深浦王位の2勝1敗で迎えた王位戦の第4局は、深浦王位の出身地長崎県佐世保市で、昨日・今日(2008年8月6日~7日)の2日間にわたって行われた。
めったにあるものではない地元でのタイトル戦、深浦王位としては勝って、文字通り「故郷に錦」を飾りたいところだろう。

対局は、先手の深浦王位が▲7六歩、▲2六手と居飛車に構えたの対し、挑戦者羽生名人が、一手損角換わりを選択。深浦王位が早繰り銀という戦法から、前線進出を目指すと、羽生名人が飛車を四間に振り、銀の動きを牽制。
それぞれ玉は、飛車と反対側に囲おうという形になるが、お互いが玉の守りを固める前に戦端が開かれ、飛車、角の大駒が飛び交う激しい攻め合いの将棋になった。
深浦王位は銀を捨て駒にして羽生陣深く飛車を打ち込み龍を作り、橋頭堡を築く。後から棋譜を眺めると、総じて深浦王位が優位に進めていたように思うが、それは結果論というものなのだろう。
素 人目には、激しい攻め合いの中でも、深浦王位が77手目に▲8八玉といったん自玉を囲いの中に納めた一手と羽生名人が龍と角で攻めかかる中、自玉の守りに 使いたくなる金を玉とは反対側にもって行き来て自陣の角と底歩を繋ぎ、龍の横効きを遮る角・金・底歩の壁を作った85手目の▲4八金の2手が、羽生名人の 攻撃を弱めさせる好手のように見えた。
最後は、羽生名人の玉は、深浦王位の攻めの前に守り駒を剥がされ、単騎荒野に放り出される。深浦王位は角打 ちの王手(▲6一角)、羽生玉が逃げたところを、手順で銀を取りながらの角成り、さらに羽生玉玉頭ラインへの香打ちで、即詰みの形となり、羽生名人の投了 となった。最後の仕留め方は「鮮やか」のひと言に尽きる。(王位戦第4局の棋譜は→こちら

これで深浦王位の3勝1敗、タイトル防衛まであと1勝となり、羽生名人との対戦成績も21勝21敗で互角に戻した。
しかし、前期の王位戦も挑戦者の深浦八段(当時)が3勝1敗とリードしたあと、羽生王位(当時)が2勝。最終戦までもつれ込み、2007年で一番の名局と言われる死闘の末、なんとか勝ってタイトルを獲得したこともあり、4つ勝つまでは安心できないと思っているに違いない。

また2人の対戦は8月26日に予定されている王位戦第5局の前に、13日には竜王戦準々決勝での対戦もある。両方に勝って、王位戦・竜王戦の両方で 羽生七冠のストッパーを果たせれば、名実ともに羽生キラーの地位が確固としたものになり、深浦王位自身の棋士としてのステップアップにも繋がるだろう。
王位防衛を果たせば、「九段」の昇段も実現し、タイトル防衛という結果がさらなる自信を生み、深浦王位が目指す「A級」に定着できる「真のA級棋士」という結果も自然と着いてくるのではないかと思うが、どうだろうか。
棋士深浦康市にとって、2008年8月~9月は、棋士人生の転機であろう。そのチャンスを生かせるかどうか、王位戦で羽生名人にあと1つ勝てるかどうか、もうしばらく、深浦vs羽生の戦いから目が離せない。

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2008年8月 6日 (水)

第58期王将戦2次予選2回戦、郷田真隆九段が高崎一生四段を破り、挑戦者リーグ入りまであと1勝

昨日(2008年8月5日)行われた第58期王将戦2次予選2回戦で郷田真隆九段が、1次予選から勝ち上がって来た高崎一生四段を破って、挑戦者リーグ入りまであと1勝とした。次は藤井猛九段対山崎隆之七段の勝者と対戦する。
それに勝てば、羽生善治王将への挑戦者を決める定員7名の挑戦者決定リーグ入りが決まる。
郷田九段は、長らく王将戦挑戦者決定リーグの常連だったが、前期はリーグ入りを決める一戦で深浦康市王位に敗れ、リーグ入りを逃した。今期は、リーグ復帰を果たし、挑戦者となってもらいたい。(速報)

王将戦の挑戦者決定リーグ戦は7人で争われ、優勝者が挑戦者となり、挑戦者を含む上位4人がリーグに残留(挑戦者がタイトル奪取に成功した場合は、前王将が残り3名とともにリーグに参加)、下位3名がリーグから陥落する。
翌 年度のリーグ入り3名を決める2次予選は、6人で争うトーナメントが3つ組まれ(合計18名)、前期のリーグ陥落者がシードされるほか、タイトルホル ダー、永世称号保有棋士、A級棋士が2次予選からの登場となるようだ。そのため、残りの全棋士のトーナメントで争われる1次予選からの2次予選への出場枠 は、王将タイトル保有者、リーグ残留者4名、前期リーグ陥落者の3名以外にどれだけ2次予選シード対象者がいるかによって変わってくる。
今回の第 58期の場合は、上位から羽生王将、リーグ残留が久保八段、佐藤棋王、森内九段、丸山九段の4名、前期リーグ陥落3名が深浦王位、谷川九段、藤井九段の3 名となっている。そのため他の2次予選シード対象は陥落3名に加え、渡辺竜王、中原16世名人、A級棋士では郷田九段、三浦八段、木村八段、行方八段の計 9名となり、1次予選の勝ち抜き枠は18-9=9名となっている(過去の1次予選枠は第57期10名、第56期8名、第55期8名)。
そのため順 位戦でC級、B級に在籍し2次予選のシード資格ない棋士がリーグ入りにたどり着くには、15名から16名毎に組まれる1次予選トーナメントを勝ち上がった 上で、A級棋士・タイトルホルダーなど強豪棋士ばかりの2次予選をも突破しなければならず、相当に狭き門である。最近では、第54期の阿久津五段(当 時)、第56期の行方七段(当時)などわずかである。

郷田九段は、プロ棋士四段になったのが1990年であるが、王将戦リーグには第43期(1993年度)~第45期(1995年度)の3年連続でリー グ入り、その後3年間リーグ入りを逃した。第49期(1999年度)から再び名を連ね、第56期(2006年度)まで8年連続でリーグ入りしている。
最 初リーグ入りを果たした第43期(1993年度)は、 1992年に四段で王位のタイトルを獲得したことで、2次予選からのシードとなり、リーグ入りを果たしたのであろう。その後2年間は並みいる強豪の中で リーグ残留を勝ち取ったようだ。2度目の第49期(1999年度)は、前年(1998年)に二度目のタイトル棋聖を屋敷伸之棋聖から奪取していることか ら、2次予選からの出場し、リーグ入りを果たしたようである。以後は残留ないし前期リーグ陥落者として2次予選シードからの勝ち上がりを繰り返し、8年間 リーグ入りを続けてきた。
第52期(2002年度)のリーグでは4勝2敗の好成績で前王将の羽生竜王(リーグ1位)と同成績のリーグ2位となり、2人による挑戦者決定戦となったが、惜しくも敗れ挑戦はならなかった。
そろそろ、挑戦者になってもいい頃ではないかと、ファンは期待している。

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2008年8月 3日 (日)

第2回ネット将棋最強戦準決勝、郷田真隆九段は渡辺明竜王に敗れ、二連覇ならず

ネット将棋最強戦もいよいよ大詰めで、今日(2008年8月3日)が、準決勝の第2局。昨年の覇者郷田真隆九段と渡辺明竜王の対戦。郷田九段は森内俊之名 人(当時)と阿久津主税六段を破り準決勝進出、渡辺竜王は、羽生二冠(当時)(話題になった羽生二冠の時間切れ反則負け)、佐藤棋王と強豪を破っての準決 勝進出である。、
勝った方が、すでに決勝進出を決めている鈴木大介八段と8月24日に決勝戦を戦う。
昨年の第1回ネット将棋最強戦でも2人の対戦はあり、その時は郷田九段が勝っている。

午 後8 時からネット上で始まった準決勝は、渡辺竜王の先手。渡辺竜王は端(1筋)に飛車と角の焦点を合わせ、飛車を切って角を成り込み「馬」を作り自陣に引き戻 す。決壊した郷田陣の1筋と3筋・4筋から銀・桂・香を絡めた攻めで、1筋から脱出・渡辺陣への入玉を狙う郷田玉を逃がさず、鮮やかに仕留めた。渡辺竜王 の技が決まった感じで、郷田九段は一刀流とも言われる切れ味鋭い攻めを披露する間もなかった。

これで、郷田九段は、今期、棋聖戦挑戦者決 定トーナメント(羽生二冠)、竜王戦ランキング戦1組(丸山九段)、王座戦挑戦者決定トーナメント(木村八段)に続き4回目の準決勝敗退。今期の5敗のう ち4敗が準決勝である。敗れた相手はそれぞれ、どちらが勝ってもおかしくないトップ棋士ばかりとはいえ、こう続くと応援するファンとしてはもどかしい限り だ。

郷田九段は、今週あと2局対局がある。8月5日(火)に、王将戦の挑戦者リーグ入りを争う二次予選2回戦高崎一生四段戦。
8 月8日(金)には、竜王戦の決勝トーナメント準決勝での木村一基八段戦。木村八段には、王座戦の準決勝で苦杯をなめており、ここはぜひ、王座戦の敵(かた き)を竜王戦で取ってもらいたいところ。さらに挑戦者決定の3番勝負も制して、渡辺竜王への挑戦者となり竜王戦七番勝負で、今日のネット将棋最強戦の借り を返してもらいたい。

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2008年8月 2日 (土)

将棋第67期順位戦B級1組は4回戦を終え、全勝がなくなり混沌とした状況に

定員13名でA級昇級の2つの枠を争うB級1組。1年かけて13名の総当たりリーグ戦を戦う。

昨日(2008年8月1日)は、王位戦の第3局と並んでそのB級1組の4回戦が行われた。組み合わせは次の通り。
【東京】
▲行方尚史八段(1勝2敗)-△杉本昌隆七段(2勝1敗)
▲高橋道雄九段(1勝2敗)-△森下卓九段(2勝1敗)
▲渡辺明竜王(1勝2敗)-△北浜健介七段(1勝1敗)
△阿部隆八段(1勝2敗)-▲屋敷伸之九段(2勝0敗)
△堀口一史座七段(1勝2敗)-▲井上慶太八段(2勝1敗)
【大阪】
▲畠山 鎮七段(1勝1敗)-△山崎隆之七段(1勝2敗)
<久保利明八段(2勝1敗)は抜け番>

定員が奇数なので、毎回、順に1人だけ対局のない棋士がおり、それが「抜け番」と呼ばれている。
すでに、3回戦を終えた時点で3連勝の棋士はおらず、3回戦が「抜け番」だった2連勝の屋敷伸之九段が全勝を守れるかどうかも、ひとつのポイントだった。

6局の対局のうち、渡辺竜王vs北浜七段戦が「持将棋(引き分け)」による指し直しとなり、指し直し局は日付が変わった8月2日午前1時49分に開 始、空が明るくなった午前4時55分に終わった。 すでに持将棋となった対局を1日午前10時から2日の午前1時19分まで戦った上で、30分休憩が入るとはいえ更に約3時間。並の体力と集中力では勤まら ないだろう。(この2日に渡る激戦は、渡辺竜王が制した)

各局の結果は以下の通りとなった。
畠山鎮七段(1勝2敗)●-○山崎隆之七段(2勝2敗)
高橋道雄九段(2勝2敗)○-●森下卓九段(2勝2敗)
屋敷伸之九段(2勝1敗)●-○阿部隆八段(2勝2敗)
井上慶太八段(3勝1敗)○-●堀口一史座七段(1勝3敗)
行方尚史八段(1勝3敗)●-○杉本昌隆七段(3勝1敗)
北浜健介七段(1勝2敗)●-○渡辺 明竜王(2勝2敗)

2連勝だった屋敷九段が阿部八段に敗れ、全勝が消えた。
現時点での昇級レースを、勝ち星に並べると

3勝1敗
井上慶太八段(8)、杉本昌隆七段(9)
2勝1敗
久保利明八段(1)、屋敷伸之九段(13)
2勝2敗
高橋道雄九段(3)、渡辺明竜王(4)、阿部隆八段(5)、森下卓九段(10)、山崎隆之七段(12)
1勝2敗
畠山鎮七段(6)、北浜健介七段(8)
1勝3敗
行方尚史八段(2)、堀口一史座七段(7)

すでに、全勝も全敗もいなくなり、4回戦終了時で全勝(4勝2名、3勝1名)が3名、全敗1名がいた前期とは様相が違っている。

この13名の中から、誰が抜け出してA級の2つの椅子を手にするのか、また心ならずもB級2組への降級することになるのは誰か、まだまだどちらも全員に可能性があると言えるだろう。

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2008年8月 1日 (金)

将棋第49期王位戦七番勝負第3局は後手番の深浦康市王位が挑戦者羽生名人を破りタイトル防衛に一歩前進

深浦王位、挑戦者羽生名人がそれぞれ先手番の対局を制し、1勝1敗で迎えた第49期王位戦第3局。昨日、今日(2008年7月31日、8月1日)と神戸市の有馬温泉で実施された。

将棋の内容は、最近よく見かけるお互いが飛車先の歩を伸ばす相掛かりの戦型に。先手の羽生名人が飛車を切り、飛車銀交換を敢行。戦端を開いたが、深 浦王位も入手した飛車を羽生陣に打ち込み王手をかけ、その飛車を自陣に引き戻して「龍」を作り手厚く構えた。その後、攻防が繰り広げられたが、飛車抜きの 羽生名人の攻めは細く、深浦玉は守り金銀を剥がされたものの、羽生名人の攻めをしのいだ。逆に自陣で満を持していた深浦王位の「龍」が一気に羽生陣に踏み 込み、鮮やかに寄せ切った。

深浦王位は不利な後手番を制し、2勝1敗と一歩リード。今後、先手番が確定している次の第4局と第6局を確実に制することができれば、タイトル防衛、九段昇段も見えてくる。
こ れで2人の対戦成績は深浦王位から見て20勝21敗。その内訳を先手・後手別に見ると、羽生名人の先手番で羽生名人の13勝6敗、深浦王位の先手番で深浦 王位の14勝8敗となっている。先手が有利の将棋の世界では、一般的には当たり前の数字に見えるが、こと羽生名人相手となると事情は違ってくる。ほとんど の棋士が自らの先手番でも羽生名人に負け越してしるのだ。10局以上の対戦実績があって、対羽生戦で先手番の将棋に勝ち越しているのは、深浦王位と森内俊 之九段(前名人、31勝21敗)の2人だけである。
(上記の深浦vs羽生戦のデータは「玲瓏:羽生善治(棋士)データベース」棋士別対局成績による)

王戦の挑戦者を決める決勝トーナメントの準々決勝でも2人は近々対戦する。
王位戦七番勝負と竜王戦準々決勝という大きな対局で、タイトル防衛と羽生名人の竜王戦挑戦権獲得を阻止できれば、深浦王位にとっては、将棋界で数少ない羽生キラー深浦の健在ぶりをアピールでき、今後のプロ棋士生活にとっても大きな自信になるに違いない。
深浦王位にとっては、大きな意味をもつ8月、9月になるだろう。

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2008年7月30日 (水)

将棋第56期王座戦の挑戦者決定戦は木村一基八段が谷川浩司九段に勝って羽生善治王座への挑戦者に名乗り

今日(2008年7月30日)は、将棋の王座戦の挑戦者決定戦。トーナメントを勝ち上がった谷川浩司九段と木村一基八段の頂上対決である。決戦の舞台は、谷川九段のホームグラウンドである大阪の関西将棋会館。

タイトル獲得27回で17世名人の資格を持つ谷川浩司九段も、羽生世代の台頭で2005年2月に棋王のタイトルを失冠して以降、3年半ほど無冠が続 いており、タイトル戦登場も2006年4月~6月の第64期名人戦で当時の森内名人に挑戦したのが最後で、この2年タイトル挑戦もない。羽生王座への挑戦 者として名乗りをあげ、無冠返上を果たしたいところだ。
一方の木村一基八段は、昨年(2007 年)、念願のA級昇級・八段昇段を果たし、一時は名人挑戦もうかがう勢いで、すんなり残留を決め、名実ともにトップ棋士の仲間入りをした。通算7割近い勝 率(2008年7月29日現在391勝170敗 勝率0.6970)を残しており、羽生世代を追いかける世代の中の、実力者の一人である。2005年の第 18期竜王戦では、決勝トーナメントを勝ち抜き挑戦者となったが、初防衛を目指す渡辺竜王に4連敗を喫し、タイトル獲得はならなかった。A級昇級を果たし た現在、次の目標は当然タイトル獲得であろう。

挑戦者決定戦は木村八段の先手。木村八段の居飛車、谷川九段の振り飛車(四間飛車)の組み合わせとなる。中盤戦が長く続き、お互いなかなか決め手に 欠く。途中、木村八段が優勢・勝勢という局面があったが、木村八段側に見落としもあったようで、かなり形勢は接近。木村八段が決めに来たところで、谷川九 段も木村玉に一気に攻めかける。しかし木村玉に詰みはなく、谷川九段の投了となった。(棋譜中継は→こちら

勝った木村一基八段は、第18期竜王戦に続く2回目のタイトル挑戦。羽生善治名人とは、初のタイトル戦となる。
羽生vs木村戦の戦績をみると、過去15戦で羽生12勝、木村3勝という極端な結果となっている。木村八段からみた対羽生戦の勝率は0.200。さらに2003年以降7連敗中である。通算では高い勝率を誇る木村八段だが、羽生名人にだけは、何故か勝てない。
昨年度、王座戦、王将戦と羽生に挑戦し0-3、1-4という成績で敗れた久保利明八段でさえ、その2タイトル戦での敗戦後の現在でも対羽生戦の戦績は34戦で羽生26勝、久保8勝。久保八段からみた対羽生戦の勝率0.2353となっている。
木村八段以外のA級棋士の対羽生戦の戦績をみても、互角に近い深浦王位、4割台を残している森内九段、他の棋士もほとんど3割台は確保しており、三浦八段の21戦で6勝(勝率0.28573)という数字が、木村八段に次いで低い数字である。
(上記の各棋士の対羽生戦のデータは「玲瓏:羽生善治(棋士)データベース」棋士別対局成績による)

木村八段にとって、今回の王座戦でどれだけの成績を残せるかが、今後、木村八段が常時タイトルが争えるような棋士になれるかどうかの試金石になるかもしれない。木村八段がこれまでの劣勢をどうやって挽回しようとするのか、興味深い。

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2008年7月28日 (月)

<囲碁・将棋チャンネル>の第16期銀河戦本戦トーナメントFブロック決勝で郷田真隆九段が橋本崇載七段に勝ち、16名で争う決勝トーナメント進出を決める

CATV、スカパーなどで視聴可能な囲碁・将棋チャンネル。ここで、銀河戦というTV将棋トーナメントが行われていいる。本戦トーナメントでは、 A~Hまでの8ブロックに分かれて、順位戦の所属クラスの順に階段状に12名によるトーナメントが組まれ、最上位に位置するのがタイトルホルダーないし上 位A級棋士という組み合わせになっている。(本戦トーナメントの組み合わせは→こちら

決勝トーナメントには、各ブロックの最終勝ち残り者と最多勝ち抜き者各8名、計16名が進出するルールであり、一昨日(7月26日)には、Fブロッ クの決勝に私が応援する郷田真隆九段が登場、Fブロックの7人目として登場し、すでに4人を倒し決勝に進んだ(すでに最多勝ち抜き者の権利は確保してい る)橋本崇載七段との対戦が放映された。
我が家では地上波以外のテレビ契約はしていないので、<囲碁・将棋チャンネル>のホームページに公開された棋譜を確認した。

将棋は、双方が飛車先の歩を突き合う、今期(66期)の森内vs羽生の名人戦でも何局か登場した相懸かりの形で、角を交換する展開に。先手の橋本九 段が、交換した角を自陣に打ち、遠目に郷田陣の守りを狙う。郷田九段からその角を標的にされところで、郷田陣の守りの金と角の交換に出て、戦端が開かれ た。
郷田九段は角を橋本陣に打ち込み、馬を作り駒得の優位を拡大しようとする。橋本七段は桂馬や交換した金を巧みに使い、郷田九段に守りの金銀を どんどん剥がしていく。郷田九段も馬を橋本玉の目の前に回し、一手違いの勝負に。最後はスピードで一歩(いっぽ)郷田九段が勝り、橋本七段の投了となっ た。

これで郷田九段は前期に続いてのブロックの最終勝ち残り者となり、決勝トーナメント進出を決めた。郷田九段は、この銀河戦は王位のタイトルを保持し ていた当時の第1期と第7期に優勝しているが、将棋連盟の公式戦として通算成績に勝ち負けが記録されるようになったのは第8期からで、公式戦昇格後はまだ 優勝がない。(以前書いたように昨年は準決勝で当時の森内名人に敗退)
今期こそは、過去の王者の貫禄で、第16期の優勝者となってほしいものである。

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